映像制作の敷居の高さ

前回の記事でも書いたように昨今は映像が身近になり映像を見ない日なんてほとんどない。それと同様に誰でもすぐに映像が撮れる世の中になった。

i PHONE片手に撮影してアプリで編集してそのままYoutubeにアップロードすればPCなんて必要がない。合成も自動でおしゃれに簡単。トランジションやエフェクトアプリもたくさんある。

miniDVで撮影してデジタイズしてFCP7で編集していた世代だから衝撃でしかない。間口が広くなって思うことは

「差別化」の重要性

世の中にこれだけ簡単に加工できる技術が溢れているということはそれだけ多くの人が使ってる訳でこのような映像は既視感があるものが多い。

人間同じものを見続けるのは限界があり何も動かない変化のない映像を見れるのは8秒だと言われておりAVを検索していて「この動画サムネイル違うけど見たな」っていう時の戻るをクリックする気持ちに近いものを感じる。

その分新しいものもたくさん出てくるけれど、自分だけの何かを持ちたい。ていうより、自分が得意なものを身につければいい。

テロップのセンスがあるとか、タイトルモーション作るのうまいとか、撮影機材に詳しいとかなんでもいい。色々やっていれば自分の適正も見えてくるだろうし。あとはいかにプロっぽく見せるか。このプロっぽいってなんだろう?って思うんだけど、答えは実に簡単で

「いかに準備してるか」

この一点に尽きると思うんです。現場で不測の事態が起こったらどうすんだって話なんだけど、この不測の事態をいかに起こさないように準備することが何より大事なんです。

現場に行けば「あれがないこれがない」「天気が変わった」「機材がトラブった」「時間が押して撮り切れない」など様々。

ただ今言ったことのほとんどは準備段階で防げる。「あれがない」は三手先を読んで多めに準備すればいいし「天気が変わった」はシチュエーションをいくつか考えていく。「機材がトラブった」事前に点検、テストする。「時間が押して撮り切れない」はシュミレーションを入念に行っておく。

これで八割は防げる。点検して当日起こった機材トラブルに関してはもう天を仰ぐしかない。「すみましぇん」って泣きながら言って別の機材を必死に手配する。

最近は機材も安く買えてそれっぽいものを色々持って現場に行ったら、何も知らない人であれば「やっぱプロはすごい!」って簡単に思ってしまいがちでやってる本人もその気になってしまう。

…結果すぐにボロが出る。僕はまさにそれでボロが出まくった。撮影機材こしらえて鼻高々に「大丈夫です!」「任せてください!」とか言って現場であたふたして編集の時に絶望を覚えたことを何回もした。

信用をなくすし、無理してるから編集作業に時間がかかるし、何より成長しない。これを繰り返さないために準備を大事に思うようになった。

映像制作って言葉だけで聞くと「撮影」「編集」って言葉が浮かぶけれど、それもまた映像制作の一部の要素でしかない。映像制作の敷居は見た目は低いんだけど、中に入ってみると巨大な壁がいくつもある。

それも楽しめるようになっていきたいと最近やっと思えてきた。
次は技術的な記事でも書こうと思います!







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