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自分の立ち位置に気が付いた中一生


 2021年01月26日から
小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて154回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて151回目です。

最近の学習会での出来事。
「あのさぁ?」
「ん?」
「二学期の期末試験で250点取ったんだ!」
「へぇ~。すごいじゃん!で、どの科目?」
「全部でだよ!」

 それを聞いていた、後ろの席の中三生が
「プッ!」
「なんでだよ!」

「だって、9教科の合計でしょ?」
「そうだよ!」
「なら、250÷9で、30点未満」
「そうだよ。だから成績表も2が五つと、1が四つ!」
「え”~~!私は5が四つと残りは4!」
「はぁ~??」

 そうなんです。
それまでは学習支援に来ている生徒は、
自分と同じくらいだと思っていたのに、突然の成績の差!
最近話題になっている「平均以上効果バイアス」と言われる、
自分は人並み以上の力があるとの誤解が、
目の前に突き付けられてしまった!


 ところが、本人はほとんど自覚がなく、
どうしたら学力が上がるのか、
皆目見当がつかない。

 中一生は学習支援に来て大半を友達とのゲームに費やしている。
学習意欲が見られないし、解決案も手にしていない。

 そんな中一生に聞いてみたら、
「家では、ゲームをやる時間と、勉強する時間を分けているけど、
ゲームを始めると、ついつい切りのいいところまでやっちゃう。
そうして勉強の時間があまりないんだ」

 自分のその場での欲望に負けてる!それじゃあ、無理!
「きちんと予定を立てて、予定通りにすることから始めようよ」
「でも、面白いから、ゲームはやめられない!」
「じゃあ、今君にとって何が大切なの?」
「ゲーム!」



 ありゃりゃ!これは解決に時間がかかりそう!!

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ

 中一生の中には、
まだまだ小学校の学習体験が抜けていない生徒がいます。
 小学校では、先生の後を追ってゆけば何とかなるし、
学習の進展も緩い速度なので、追いつくことが可能です。
 しかし、中学では教科別担当が別々の進度で授業を展開するため
一度躓くと、なかなか追いつけません。
 そして、「平均以上効果バイアス」がかかり、
自分を平均以上の存在と誤解し始めます。

 そうならないように気を付けて、
普段の学習を、生活と共に見守れるのは、
生徒に一番近い存在の皆さんなのです。
 生徒との関係性が成立しているはずの皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかと言ったような、
日常に触れやすい立場にいます。

 そんな場所から、生徒に対する助言を与えてください。

 良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。



23.FEB.2024.ARAI