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物事の大元を考える学習

2021年01月26日から
 小中学生への学習支援で得た知見を基に
色々書き始めて152回目になりました。
 また、2021年03月15日から
毎週連続投稿を始めて149回目です。


 未だに風邪が長引いていて、鼻水グズグズ。
 文章に向かう気力を奪われ四苦八苦の毎日です。
今日の話も直近の学習支援での出来事。

 ほぼ先週の続きです。
 小学校四年生から学習支援に通っている男の子を担当。
 偶然三週継続して学習支援を担当し、色々な問題が見えてきました。


 どうやら彼にとって、
「学習」とは「自由」を束縛する
「悪しき出来事」と理解している様子。
 今日中にしなければいけない事があっても、
目の前に「もっと楽しそうな事」があると、そちらに気が向く。
 だから、今日しなければならない「宿題」があっても、
目の前に「面白そうな事」があると、そっちに気が向いてしまう。
 しかし、多動性というほど定常的に起こるわけではなく、
単に興味の先が「楽しい事」という点に留まっていて、
自分の満足度が充足されると、ふと元に戻る。

 保護者から、こんな風に言われたことが多いらしい。
「ほら、勉強しなさい」
「勉強が終わったら、遊んでもいいわ」

 これでは、子供たちの心の中に、
「勉強」より「自由に遊びをしたい」という欲求が生まれ
「勉強」は「自由」を奪う「悪しき存在」という価値観が育つ。

 なぜなのだろうか?
大人たちは、自分の価値観で子供の行為を批判する。
子供にとって「楽しいこと」はとても大切なのに、
「勉強」を「つまらない事」と感じるように仕向けてしまう。

 でもよく考えると、「勉強」は「つまらない事」ではない。

 今週、別な学習会で、「漢字ってむずかしい!」
と嘆いていた生徒に対し、漢字の成り立ちを説明してみた。
「ウかんむりというのは、屋根なんだ。
そして、屋根の下でのんびりしているのが家という字の元なんだよ。
よく見てごらん宿題の宿という字は、屋根の下に人がいるようでしょ?
こうやって、漢字は出来上がっているので、
どうしてその形の字ができたかを考えると、面白いよ」
と語りかけて「新字源」という辞典を見せると、
「引き方がわからない」と言いながら、かなり興味をひいていた。

「数学の公式も、どうしてそういう式が出来上がっていったのかを
考えてみると、色々な面が見えてくる」
「ふ~ん」
「例えば、四角形の面積は?」
「縦×横でしょ!」
「そうそう!なので正方形の面積は?」
「辺の長さが同じだから、辺の長さを二倍!」
「ほら!そうやって考えるとわかりやすいでしょ?」

ちょっと、学習の楽しさに気が付いたようでした。

保護者の皆さんや 子どもたちの学習に関与している方々へ

 学習支援には、
学習障害ギリギリのグレーゾーンの生徒が多数存在しています。
 そして、一人一人が異なる背景を持っており、
支援者は、生徒が一番理解しやすい方法を探しています。
 しかし毎日対応できないため、支援の穴が開いてしまいます。
 
 一番生徒に近い存在で、関係性が成立しているはずの皆さんは、
生徒の嗜好や、どんなことに興味を持ちやすいかと言ったような、
日常に触れやすい立場にいます。

 そんな場所から、
生徒に対する助言を与えてください。

 良い相談相手として、また善き話し相手として
身近にいてくださることを願っております。



04.FEB.2024.ARAI