見出し画像

オンライン授業に挟まれた学童たちの様子

昨年01月26日から
学習支援で得た知見を基に色々書き始めて49回目です。

前回はnoteに書き始めてから一年経過し
オンライン授業という未知の環境に置かれた
中学校生徒たちがどう変わったのかを書きましたが
今回は遊びボランティアと学習支援の場から見た
最近の小学校学童の変化を取り上げてゆこうと思います。

なお 遊びボランティアでは
幼稚園年中さんから小学校六年生位までの子どもたちが集まっており
色紙・段ボール・木材・古着・手芸のあまり物・毛糸などを使い
描画やオモチャ作りのような工作とその成果品を通し
クラスや学校を超えた地域での友達つくりを目指しています。
また 小学校の学習支援には
小学校三年から小学校六年までの学童が参加しています。
このような場で共通する特徴として次のような点があります。

①大きく捉えると 自分を表現する事に不得手です。
おそらくオンライン授業では
先生とも他の学童とも触れ合う機会が少なくなり
そのぶん 自分のことを説明する機会が減ったせいではないかと思います。

同様の理由で 他者の事を理解するのに時間がかかっています。
こうした点からからいろいろな問題点が派生しているようです。

②自分を客観的に見つめることができなくなってきています。
項目①と関連しますが 何をしたいのかを具体的に説明できません。
他者に対し 自分のことをしっかり伝えることが苦手です。

また 常に監視していないと 刃物の取り扱いが危険だったり
やたらとガムテープで接合しようとします。
自分を説明できないため 自己流の処理をしてしまいます。

3自分が何をしたらいいのかわからないことがしばしば見られます。
工作遊びでは どんな材料があるのかを確認する子どもは殆どいません。
どんなものを作るのかという目標を立てるより
いろいろ試していたら 何かができたという場合が多いようです。

はっきりした目標だてや 材料選びが苦手です。

④学習に興味を持てない学童が増えています。
大半の生徒は外出を禁じられているため
家に帰ってから室内でゲームやユーチューブをしているようです。
つまり創造的でない与えられる遊びが中心になっているということです。

そのため 物事に好奇心を持たないまま日常を過ごしてしまい
知的興味を 喚起する機会がないようです。

⑤はやり言葉に敏感だという点もよく見られます。
友達同士で言い合いになって
立場が悪くなると「論破!」という子どもが目立ちます。
だからと言っその言葉の意味を理解しておらず
単に「自分の意見を押し通す」といった場面で多用しています。

はやり言葉を取り入れることで 自分を先覚的に見せているようです。

⑥中学生同様 他者との間合いを取れなくなってきました。
学習支援では 
当日にならないと 参加数が定まらないない事がしばしば。
そのため 毎回 担当学童が変化しがちで
担当者との関係性ができにくくなっていますが
ある程度 学習会の回数を重ねると
相互に慣れが出てくるものです。
しかし 
昨今では支援者に対し
どこかで障壁をつくってしまう学童が多数います。

学童どうしでも同様で
同じ学校に通っていても 打ち解けづらい様子です。
また入退室時に観察していると
一緒に帰らず個々に移動する状況がよく見られます。

つまり
他者にどう接すればいいのかわからない生徒が増えているということです

⑦学科では 
国語の学習で文章を読み解くことに困難を抱える学童が増えてきています
そのため数学の文章問題が不得手な学童が増えています。

⑧ニュースに触れる機会が ほとんどありません。
あったとしてもTV画面であり
音としての言語が行き交うだけなので                                                                                                       文字文化の持つ積極的な事実の深堀りには出会わないようです。

⑨学習の基本となる「日本語」が 疎かになっているため
ほぼ全ての教科について 興味が持てないようです。

また最近は教科書・ノート等を学校に置いておくように指導しているようで
家庭内での学習機会が失われ 予習復習はしません。
せいぜいタブレットを使った 宿題をこなすくらいです。

オンライン教育では実物を使えないので 教科書中心になってしまい
手を動かしたり 物に触れる機会が少ないので
概念の記憶となってゆくため 考えることが苦手なようです。

⑩殆どの生徒が 急にタブレットを渡されたため操作に不慣れです。
きちんとしたメディアリテラシーの知識が伝わっていないので
ちょっと慣れてくると ゲーム機のように使い始めてしまいます。

生徒の学習に関連している方や保護者の皆さんへ

以上 見てきたように 否応なしに始まってしまった変革に
一番苦労しているのは学童本人です。
無理やり始まってしまった今の学習環境は
誰にも質問できず 相談も出来ません。

現況で取りあえずできることは
全ての表現の基幹である「日本語に慣れる」だと思っています。

ご意見・ご批判・ご提案等をお聞かせください。

09 FEB.2022.ARAI