SPURS judge replay(仮)#9
#9 【示した90分間の基準】
match week18 TOT 2-2 LIV
Referee: Paul Tierney. Assistants: Constantine Hatzidakis, Dan Cook. Fourth official: Andre Marriner. VAR: Chris Kavanagh. Assistant VAR: Dan Robathan.
※このブログはファンの皆さんの判定に対する意見や哲学を否定するものではありません。今回もスパーズファンやリヴァプールファンの考えを理解した上でブログを作成しています。あくまでもファンの皆さんの何か考える材料になればという考えで文章を作っておりますのでご理解の程お願い致します。
はじめに
このブログを作成してる今も判定への激しい議論が続いている日曜日のスパーズ×リヴァプール。ピッチ上では8枚のイエローと1枚のレッド、かなり荒れたように見えるビッグマッチでした。そんな難しい試合を担当したのはポール・ティアニー主審。個人的には良いパフォーマンスだったと思いました。
しかし、試合後の様々な方向からのアクションを見ると恐らく両チームのファンのほとんどが納得していないのではないかと感じます。
ですので今回は
・複数あった難しいシーン
・判定の基準と一貫性は?
上記の2点を中心に振り返っていきたいと思います。
皆さんもまずこの試合の判定のシーン思い出しながら(1)自分が客観的に観ている主審としてどう考えるか?(2)今回起きた事象がスパーズとリヴァプール逆の立場だったらスパーズファンの目線で観ていた場合どう思うか?
と考えながらブログを読んで頂き何かを感じて貰えればと思います。
1:ケインの警告は妥当?
高いインテンシティで始まったゲームの最初のポイントが18:53〜に訪れます。
(静止画だけでは語るのが難しいのですがご了承ください)
皆さんはいかがお考えでしょうか?
私はまず退場に至るまでの強度が足りなかったと考えます。接触部位に関してもギリギリの部分であり警告は間違いないですが退場までの確証は得れないシーンだと思いました。VARもこのシーンへのOFRは難しいのではないでしょうか。ですが退場という意見も理解できます。まさに主審の"裁量"が求められたシーンでした。
2:ロバートソンの退場は妥当?
続いては時間を飛ばして、ケイン警告の比較対象となったロバートソンの退場について。
74:55〜エメルソンに対してロバートソンのファールでイエロー→OFRを経て76:57ロバートソンへレットカード。
最初にこのシーンを見た時に私は警告かな?と思いました。エメルソンは左足でブロックに行っており、ロバートソンもボールにチャレンジしようとはしていた。しかしこのシーンOFRから退場に至ったのは"過剰な力"を用いたプレーが理由でした。
"過剰な力"とは?
『過剰』という言葉を辞書等で調べると"程度を越えた"との記載があります。
またサッカー競技規則第12条ファウルと不正行為の退場の項目に
著しく不正なプレー
相手競技者の安全を脅かすタックルをする、もしくは挑む、または過剰な力を用いる、もしくは粗暴な行為を行った場合、著しく不正なプレーを犯したことで罰せられなければならない。
いかなる競技者もボールに挑むときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、 相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横または後ろから突進した場合、著しく不正なプレーを犯したことになる。
とあります。
ロバートソンのチャレンジはスピードと強度、共に度が過ぎていました。過剰な力という判断で退場となったのは妥当ではないでしょうか。
2:明確に存在した判定の基準
この試合についてSNS等では主審の基準が一貫していなかったという発信が非常に多くありました。実際に普段から主審が批判される際は基準について触れられることがたくさんあります。ですがその批判の中に具体的な基準について語られることは非常に少ないのが現状です。皆さんは観戦の際に主審の基準をどのように捉えているでしょうか?そしてこの試合の基準はどう見えたでしょうか?
ではこの試合のティアニー主審は本当に基準がブレていたのか?振り返っていきたいと思います。
2-(1) ペナルティエリアでの接触
36:18〜 エメルソンのジョタへのチャレンジ
51:55〜マティプのウィンクスへのチャレンジ
68:18〜アーノルドのデレへのチャレンジ
この試合でペナルティエリアでの微妙なシーンは3つありました。どのシーンもチャレンジのタイミングが非常に難しいものでした。しかし、全てのシーンが明らかなファウルコンタクトとほ言えずペナルティエリアでのコンタクトについては明白なものでないと取らないという強い意志を持った基準を感じました。
2-(2)警告シーンに見る基準
スパーズファンにとって特に疑問に残ったのは46:35〜ウィンクスへの警告ではないでしょうか?
一見軽く手を使っただけでジョタもプレーをすぐやめたために厳しすぎるのでは無いか?との声が多かったです。
しかし私の見解はexcellentと言うべき警告でした。
何故ならば・・・
ここにハッキリとした基準が示されていたからです。
この試合のピッチ上での警告は計8枚。
その中で22:22〜モートン、27:12〜エメルソンの両者にボールにチャレンジせず"大きなチャンス"並びに"チャンスになりかける"シーンを戦術的意図によって手または足でファウルを冒したことで警告が出されました。
そしてウィンクスのシーンですが違う角度で見ると
ファールをしなければジョタは前を向いてチャンスになる可能性がありました。
ティアニー主審はこの種類のファールに対してコンタクトの程度ではなく戦術的意図を汲み取り注意ではなくすぐに警告を出しました。
明確だったのはチャンスとなり得る可能性があるシーンで"全くボールにチャレンジしていない"ファールは警告にするという基準でした。
いかがでしょうか?皆さんはこの基準に気づいていましたか?戦術的ファール(タクティカル)とコンタクトを用いた接触のファールでは競技規則では考えが変わります。この部分がごっちゃになってしまう方は非常に多いです。ここの線引きが分かってくるとなんであれがイエローでこれは違うの?という疑問が少し解消されるかもしれません!
3:サラーのハンド?
68:49〜ロバートソンのゴールの直前にサラーにハンド疑惑がありました。
左からのクロスに対してサラーの顔に当たったボールは左腕に当たりこぼれました。
この見解に対してはノーハンドです。
こちらも競技規則より
・ボールを手や腕で扱う
ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は、脇の下の最も奥の位置までのところとする。競技者の手や腕にボールが触れることのすべてが、反則にはならない。
競技者が次のことを行った場合、反則となる。
◦ 例えば手や腕をボールの方向に動かし、手や腕で意図的にボールに触れる。
◦ 手や腕で体を不自然に大きくして、手や腕でボールに触れる。手や腕の位置が、その状況における競技者の体の動きによるものではなく、また、競技者の体の動きから正当ではないと判断された場合、競技者は、不自然に体を大きくしたとみなされる。競技者の手や腕がそのような位置にあったならば、手や腕にボールが当たりハンドの反
則で罰せられるリスクがある。
この場合のサラーは手を大きく広げておらず、直接クロスボールの方向に手は動かしていないため偶発的に手に当たったと考えるべきのためノーハンドの判定を支持したいと思います。
以上この試合の難しいシーンを取り上げてみました。ティアニー主審の判定で1番難しかったのはケインの警告シーンでしたが、その他は基準をしっかりと示し試合を終わらせました。ケインの警告シーンも主審の裁量における判定だったため私はティアニー主審の90分間を評価したいと思ってます。
4:皆さんに伝えたいこと
ブログ冒頭で客観的な目線と逆の立場だった場合どう思うかを考えて読んで頂きたいと書きました。実際いかがだったでしょうか。試合中は酷い審判だ!とか納得がいかない!と思うことたくさんあったと思います。しかし深掘りして考えるとこの試合のティアニー主審が下した判定への印象が変わった方が少しはいるのではないかと思います。是非このブログを読んだ後もう一度リヴァプール戦をフルタイムで観て頂けたら嬉しいですね。
レフェリーというのは客観的に第三者として"競技規則"を基にゲームを進めていきます。
このブログはスパーズファンの皆さんに判定にストレスを抱えず試合を観て欲しい(あわよくば興味を持って欲しい)という気持ちで始めました。
何故そう思っているのかというと、実際にメディアやファンから批判されている判定の多くは明らかなミスというは少なく、ほとんどは競技規則の裁量内で判定されているということです。
・ファールの種類
・警告と退場の基準
この2点だけでも覚えると今後試合観戦時に審判へのストレスはかなり減ると思ってます。
何度も伝えたいのは私は決してファンの皆さんの哲学を否定するものではないですし審判員へ批判をするなという訳ではありません。
今回に関してもスパーズやリヴァプールの選手・スタッフ・ファンに対して批判の気持ちは一切持ってません!
5:さいごに
皆さん今回のブログいかがだったでしょうか。リヴァプール戦は激しく凄い試合でしたね。スパーズの戦う姿勢と過密日程の中のリヴァプールのインテンシティの高さはエキサイティングだったと思います。
コンテスパーズになりリーグ戦負け無し。ここから未消化試合も含め非常に厳しい日程になるかと思いますがチームの変化を楽しみながら今後も応援していきましょう!!
今回もご覧頂き本当にありがとうございました。
Twitterのフォロワーさんなどでブログの感想やご意見などがあれば是非お願い致します!(いつも励みなってますし皆さんの哲学からたくさん学んでます)
それではまた次回をお楽しみに^_^
come on you spurs !!
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