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SPURS judge replay(仮)#10

#10  【結果論で裁かれた審判団】

match week32 AVL 0-4 TOT

Referee: Graham Scott. Assistants: Harry Lennard, Mark Scholes. Fourth official: Craig Pawson. VAR: Jarred Gillett. Assistant VAR: Lee Betts.

難しいゲームになると思われたものの終わってみれば0-4の圧勝でトップ4も見えてくる勝利となったアウェイのヴィラ戦。

ただこの試合は残念なことに絶好調のドハティが早々に負傷交替。ヴィラの際どい守備に特にスパーズファンからの批判が飛び出し後味の良くないゲームとなりました。

明らかに高いインテンシティが違う方向に向いてしまったヴィラ。このような荒れたゲームになった原因はヴィラなのかそれともゲームをコントロールする主審にあったのか。

今回も個人的に皆さんに伝えていきたいと思います。

※このブログはあくまでも個人的見解に基づいたものであり、今回はヴィラへの批判はありません。あくまで審判目線で述べますのでご理解の程お願い致します。

はじめに

 今回は試合全体の判定よりもドハティの負傷シーンから起きた事象についてマネジメントを中心に振り返りたいと思います。皆さんも客観的な視点を持って自分が主審ならどうするか?と考えながらこのブログを読んでみてください。

①ドハティの負傷シーンについて

6:14〜AVLキャッシュのタックルがドハティを巻き込みドハティは負傷(判定はノーファール)

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このシーン客観的に見て皆さんはどう思いますか。

1:ファール(カード無し)

2:ファール(イエロー)

3:ファール(レッド)

4:ノーファール


私の見解は4:ノーファールです。映像が出せないので写真の切り抜きになりますが、キャッシュはボールを捉えてたものの体を巻き込む深いタックルでした。

しかし何故ノーファールだと思うのか?


このシーンはドハティのトラップが流れ、その流れたボールをキャッシュは捉えました。もしボールが流れていない状況でボール諸共巻き込めばイエローもしくはレッドの選択肢はあったと思います。しかし、キャッシュには流れたボールにチャレンジしようしておりこのシーンを見る限り私はノーファールのジャッジを支持します。

ただ判定の支持はこのシーンだけを考えればの話です。

このシーンの前後には様々なチャレンジがあり、このドハティへのタックルが違う意味で更に試合のインテンシティを上げてしまいます。

②クルゼフスキへのチャレンジ

18:31〜クルゼフスキへ行ったAVLミングスのタックル(ノーファール判定)を皆さんは覚えてますか?

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③レギロンヘのチャレンジ

20:24〜レギロンへのチャレンジでこの日最初のイエローがイングスへ提示されます。

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④ベンタンクールへのチャレンジ

21:51〜ラムジーがベンタンクールへ深いタックルでチャレンジします(判定はノーファール)

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18:30〜から約3分間で目を覆いたくなるようなタックルが3つ続きました。

一歩間違えれば大怪我でレッドカードが出かねないタックルは何故こんなにも続いたのか?

 この試合の後ネット上ではレフェリーが注意やカードを出さないためコントロールを出来ていなかったという意見が沢山出ていました。

しかしその意見を読んでいても"どのタイミング"で注意をすべきorカードを出すべきという発信は殆ど見られませんでした。

コントロールが出来ていないと批評するのは簡単です。しかし客観的に観た時にどう判断してこの空気感を読むのか。

誰もが異様に感じた短時間でのヴィラの激しいプレー。

皆さんは主審が"どのタイミング"でコントロールをすれば良かったと感じますか?

一旦シンキングタイムです!

⑤立ち上がりに存在してた伏線

 皆さんシンキングタイムお疲れ様でした!

私はこの試合のマネジメントのチャンスは2つあったと考えます。

ドハティが負傷した6:14〜のシーンの前に伏線があったのを皆さん覚えてますか?

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1:41〜ドハティへのファウル

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2:03〜ホイビュアへのアフターでのチャレンジ

 開始早々のファウルが立て続き私は異様な雰囲気を感じました。ファウルが立て続きそしてドハティの負傷シーン。ドハティへのファウルは取らなくてもキャッシュのチャレンジ後にヴィラに対しチャレンジの仕方についてもう少しパブリックに注意や話が出来なかったのか?

出来ていればもしかしたら…

ですが1:41〜と2:03〜のシーンだけでドハティの負傷を防ぐことが出来たかと言われると私は難しいと思います。

 私が考える2つ目のチャンスは18:31〜クルゼフスキへのタックルを行ったミングスのファールを取りイエロー(ファール+最低強めの注意)が出来たのではないかということです。

このシーンはドハティの負傷シーンよりも足を巻き込もうとする様なチャレンジに見えました。厳密に言えばノーファールかもしれません。しかし、試合の空気感と続けて起こるヴィラの強度が高すぎるチャレンジを考えれば…

 しかもこのクルゼフスキのシーンでヴィラ側はスローインがマイボールじゃないことを強く抗議し、このチャレンジが相手を怪我させる可能性を全く考えてないことが見て取れます。

このミングスのチャレンジをノーファールにしてしまえば、その2分後に起きた20:24〜イングスのチャレンジは起きるべくして起きたと言えます。

そして21:51〜AVLラムジーの深いチャレンジのタックル。

1分前のイングスの警告は"警告"の意味を成していませんでした。

そう考えると上記で述べた2つのタイミングどちらかでコントロールが出来ていればレギロンへのチャレンジは抑止出来たかもしれません。


⑥結果論で裁かれる審判団

 

 個人的にこの試合の主審グラハム・スコットはコントロールのタイミングを失ったように感じました。しかし、私が述べた様な2つのタイミングでのマネジメントを行っていたとしてもゲームが落ち着いたかと言われるとそれは分かりません。

 ドハティの怪我、度重なる強度の強いファール。印象が良くないシーンが続いたからこそ問われた主審のコントロールだったと思います。

 主審のゲームコントロールは選手の協力あってこそ成り立つと常に感じています。この試合負傷のシーンが目立ちますが、ファウル後のアドバンテージが多く上手くチャンスシーンの演出がされていました。特にスパーズの選手はファウルゲームにお付き合いせず、上手く流してくれる主審の良い部分を活かしていた様にも見えました。

もしドハティの負傷シーンが無かったらここまでの騒ぎになったでしょうか?

 ボールにチャレンジしていても選手への配慮がないプレーはファウルや警告にすべきという考えはもちろん正しいと思います。

が、キャッシュが行ったチャレンジをもしスパーズの選手が行ったら本当に同じように非難すべき事象と思えますか?

 もちろん私はスパーズファンで大のドハティファンですので今回の負傷は心が痛いです。

 しかしこのシーンを客観的に観た時どう思うのか是非もう一度皆さんには考えてみて欲しいと思います。

さいごに

 

 この試合の全体で触れたいシーンはまだありますが今回は騒動となったシーンを中心にマネジメントについて考えてみました。ゲームのマネジメントはどのタイミングで行うかということがとにかく難しく、試合が終わって"結果的に"良かったor悪かったと評されることがほとんどです。

 一つ言えることはスパーズが最後までサッカーをやりきったことが本当に素晴らしかったということ。

是非読んで頂いてる皆さんには【主審が酷かった!】だけでなく、一歩踏み込んでどうするべきだったのか?と考えてみて欲しいです。

もちろんいろんな意見はあると思いますしスパーズファンだから客観的に見ることは難しいことも当然理解してます!

ただそこはスパーズファンだけども1人の審判員として生きてる人間の意見でありフットボールファンでもある皆さんへの投げかけだなぁと思いながら読んで頂けると幸いです。


【29分ホイビュアのイエローは正しい!?】とかも本当はやりたかったのですが文章が長くなってしまうので割愛します。(ここに載せられなかった内容はスペースとかでいつかお話ししますね)


 今回のブログは書くか凄く悩みましたがスパーズファンの仲間の皆さんが背中を押してくれて作成することが出来ました。皆さんいかがだったでしょうか。

 レフェリーのマネジメントに明確な答えはありません。結果論で評価される部分があることを少し理解して貰えたと思います!


さぁということで終盤に向けてトップ4が見えてきたスパーズ!

みんなでドハティをCLに連れて行こう!!

come on you spurs !!

皆さん今回もありがとうございました!







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