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Full Foilになれなかったクローシスに捧げる鎮魂歌(第2回限築杯 インベイジョンブロック構築参加レポート)

勝利への道を1本しか知らない者は、勝利を望むことはできない。
― 無明の予見者

「マナの迷路」 フレイバーテキスト

はじめに

思い出深いブロックのカード達を使って真剣に、そして楽しくMTGを楽しむことが出来たことを大会運営関係者の皆様、参加者の皆様、Discordサーバーで練習にお付き合いくださった皆様に本当に感謝しています。最高の体験をありがとうございました!

使用デッキ

使用デッキ:クローシスミッドレンジ

次回までにFull Foilを目指します!

4:《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
4:《塩の湿地/Salt Marsh》
4:《アーボーグの火山/Urborg Volcano》
6:《島/Island》
4:《沼/Swamp》
2:《山/Mountain》
土地(24)

4:《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》
3:《ヴォーデイリアのゾンビ/Vodalian Zombie》
2:《火葬のゾンビ/Pyre Zombie》
1:《十二足獣/Dodecapod》
クリーチャー(10)

2:《除外/Exclude》
4:《嘘か真か/Fact or Fiction》
4:《蝕み/Undermine》
2:《はね返り/Recoil》
4:《予言の稲妻/Prophetic Bolt》
3:《終止/Terminate》
3:《ウルザの激怒/Urza's Rage》
1:《ギトゥの火/Ghitu Fire》
2:《火+氷/Fire+Ice》
1:《虚空/Void》
呪文(26)

3:《撹乱/Disrupt》
3:《反論/Gainsay》
2:《ロボトミー/Lobotomy》
2:《頭の混乱/Addle》
1:《粛清するものクローシス/Crosis, the Purger》
1:《くすぶるタール/Smoldering Tar》
1:《ヨーグモスの行動計画/Yawgmoth's Agenda》
1:《無明の予見者/Blind Seer》
1:《虚空/Void》
サイドボード(15)

※色々なことを考えながら調整してきましたが、記録しておかないとすぐに全て忘れてしまうので、次回にむけた備忘録としてデッキと仮想敵に関する考えを記しておきます。

ゲームレンジの調整

前回の大会で皆様が執筆された資料や海外のデッキリスト、Discordサーバー内での議論を参考に分析し、仮想敵としてBBB、トレンチ、ドロマーコントロール、ドメインを設定。

海外大会の入賞デッキのグリクシスコントロールをベースにスタートしましたが、練習していくうちに同じレンジで戦うドロマーコンに対してやや分が悪く、撹乱やプロテクション生物がメインから採用されるBBBやSSSのビートダウンに対しては豊富な除去も機能しづらいことがわかりました。

つまり、デッキカラー的に元々苦手なドメインを含め、Tier上位に来るであろう仮想敵、全てにボコボコにされる日々を経て元々は重コントロールだったリストのゲームレンジを調整しました。

4/3/3で十分プレイアブル
良い熊

メインボードに鎮座していた龍王クローシスや、プロテクションに掛かりやすい火葬のゾンビの枚数を減らし、代わりに蛇やマングース、暗影のボブキャットを一方的に打ち取れ、天敵のプロ(赤)持ちガリーナの騎士に相打ちを取れるヴォーデイリアのゾンビを採用。

色事故で一方的に殴り殺されるのを防ぐため、早いデッキの熊を止められる十二足獣を採用。vsドロマーコンでは「ジェラードの評決」に対する上ぶれも期待できます。


このデッキのキーカード、使い魔くん
ネズミは置いてきた。修行はしたがハッキリいってこの闘いにはついていけない…

低マナ域に採用していた貪欲なるネズミは、メインから十二足獣が投入されるデッキが増えてきている環境を考慮し、黒の使い魔に変更。

再生持ちのため幽体オオヤマネコや暗影のボブキャット、こちらをクローシスコントロールと踏んだ緑系デッキの翡翠のヒルを安く止められる。3/1瞬速のカヴーにも強い。

使い魔を4枚投入することを決めたことで、マナ軽減の効果を最大限に活かすため採用スペルを見直し、不確定マナを含む青/赤のカードをできる限り投入。

備忘録:
虚空が手札にある場合、相手の嘘か真かをマナコストベースで分ける(かつ同コストのカードを取るよう誘導する)ことで、返しにまとめて吹き飛ばせる。(サイド後のロボトミーでも同様のプレイングが可能)

ゲームプラン

序盤を凌いで中~長期戦を行うプランと、クリーチャーによるビートダウンでライフをつめ、火力で上から焼き切る早めのプランを相手のアーキタイプと序盤の展開をみて選択。

ビートダウンプランの場合は序盤クリーチャーを押し付けて対処させている間に「予言の稲妻」「嘘か真か」を通して火力を補充していきます。

vsドメイン


置かれると死にます。

メインはきつい。
マナ基盤を12枚のタップイン土地に依存している関係上、vsドメインで「破壊的な流動」を置かれると絶望的。慰め程度に「はね返り」を2枚採用。
「集団監禁」や「レガシーの兵器」に打っても効果が高いため、意外と腐らない。

十二足獣? わ わかんないッピ…

裏目はあるものの使い魔による軽減効果で2マナで打てることや、SSSや緑・赤系ビートダウンに対しての取り回しの良さも○。土地も対象に取れるので、タップイン土地をバウンスするとテンポ面で大幅に有利。vsドロマーコンの先手では特に有効。

また、この環境のメインで投入されるカウンターは主に「吸収」「蝕み」「回避行動」「撹乱」「禁制」なので、青マナを2つ揃えさせないことで呪文がとても通しやすい。

サイド後
相変わらず「破壊的な流動」に対する回答は怪しいが、頭の混乱とロボトミーによるハンデスや、撹乱で地勢や砕土を消せると有利を取れる。予見者とくすぶるタールは定着すればいい仕事をしてくれるかもしれないし、「破滅的な行為」の的になってくれてもOK。

基本的には「集団監禁」が張られるまでは「破壊的な流動」ケアしつつクリーチャーによるビートダウンを行い、「集団監禁」は通して、以降は火葬のゾンビや本体火力で攻めていくと良さそうです。

vs BBB

とても良いカード。2/2/2飛行、そして何よりイラストが神なため

このフォーマットに参入して間もない頃あまりにもBBBにわからされすぎた結果、文字通り蛇蝎のごとく嫌いなビートダウンデッキに対抗するため、ヴォーデイリアのゾンビをメインから3投したところ、そこそこ戦えるようになりました。

vs BBB戦は相手の2ターン目の疾風のマングース/ガイアの空の民への回答が必須で、無ければ即マリガン。

一生噛んでくるマングース。可愛い。

疾風のマングース → いずれかの2マナクリーチャー(7枚)
ガイアの空の民 → 撹乱をケアしながら3ターン目に打てる火力。火+氷 / ウルザの激怒 / 終止(8枚)

※使い魔は火+氷やウルザの激怒で焼かれる裏目があるため、可能なら再生出来る4ターン目以降に出したいが、そこまでまつ暇が無い場合が多いため 定着した場合の軽減による上ブレへの期待も込め、vs BBBでは2ターン目に出す方が効果的という感触です。

キッカーのカヴーのタイタンは着地すると止められるクリーチャーがいませんが、出させてからの、はね返り / 終止で対処可能。返しの虚空で他の2マナクリーチャーとまとめて吹き飛ばせるとかなり強い。

メインの蝕みは予言の稲妻や嘘か真かに当てたい。サイド後は遅いので、何枚か反論と入れ替えます。

受けに回りがちなマッチアップですが、相手が対抗色ペインランドを多用する関係から、プロ緑ゾンビが定着できたら殴り合った方が良い場合もある。

vs トレンチ

このゴブリン怖い…

吸収と蝕みで相殺に加えて採用火力もほぼ同じなので、火力の打ち合いは互角かも知れませんが、ゴブリン軍団が湧いてくると蹂躙されます。使い魔は必ず4ターン目以降、再生可能な状態で出す!(大会直前の練習で、上手いトレンチ使いの方とやって0-4したことで、使い魔の運用を改めるきっかけになりました。感謝!)

サイドからは反論に加え翻弄する魔道士、稲妻の天使、ラッカボルバーあたりが投入され、相手にトレンチ以外での殴り合いプランが追加されます。

メインで腐った除外や終止を全抜きすると稲妻の天使が予言の稲妻でしか落とせず、ラッカボルバ―のフルキッカーが落とせなくなります。特にラッカボルバーは1パン受けるとほぼ負けるので注意。

それら航空戦力を全て抑え、火力で落ちないのでクローシスが活躍できる(かもしれない)マッチアップです!出せれば。

vs ドロマーコントロール


こんなイラストもあったんですね。

吸収/ドロマーの魔除けで回復するわこちら以上にハンデス/アド源が多いわ、おまけに名誉回復でマナ基盤を攻めてくる。とても強い。

とりあえずメインは1枚しかない十二足獣を嘘か真か以外の方法で引いてくることを祈る(無理)。普段もっさりしている「火葬のゾンビ」ですが vs ドロマーコンではかなり有効で、中長期戦になるため2枚でも割と引き込めます。

カウンターの優先順位は「ヨーグモスの行動計画」>「嘘か真か」で、特に後半戦は意地でも行動計画ケア。

使い魔がやられる場合は「名誉回復」か「ドロマーの魔除け」ですが、2ターン目に出してOKと思います。「名誉回復」による破壊は再生可能ですが、それより軽減効果の方が大きい。

サイド後は「くすぶるタール」が有効!?かと思いきや、置いた次の自分のアップキープからしか動かないため、意外と活躍しない。アドバンテージ源とカウンター呪文の構成がほぼ同じなので、コスト軽減からロボトミーを通せると宇宙。

戦績

R1 2-0 ドロマーコン
R2 0-2 SSS
R3 2-1 Lightning Black(SSSt黒)
R4 2-1 赤白緑ビートダウン
R5 2-1 トレンチ
R6 ID
(4-1-1 予選ラウンド5位抜け)
SE1 2-1 Go-Mar(ドロマーコン) 
準決勝 1-2 SSS (※R2で対戦した方)

あたり運もよく、苦手アーキはお相手の事故とクローシスの活躍により切り抜けるという出来すぎな結果。最終戦のあとは疲労で頭がふらふらでした。コントロール等、判断の回数が多いデッキで長丁場を戦えぬける人は本当に尊敬します。

各カードの採用理由

各カードの採用理由について、後々これを読んだ方が気になりそうな部分について記載しておきます。

無明の予見者

知らない方も多いこのカード(というかスイスラウンド中テキストを聞かれる率100%でした)実はプレインズウォーカー・ウルザが変装した姿!そんな予見者さんですが、この記事を書いている最中に、ある店舗のこんな投稿を見つけました。

《策謀の予見者、ラフィーン》1,600円買取!! 
※世はニューカペナ発売から1週間後の2022年5月



そうだね、予見者だね。


※ラフィーンと無明の予見者は一切関係がありません。

ワシの物語(サーガ)、聞く?

(2)(U)(U) 3/3
(1)(青):呪文1つかパーマネント1つを対象とする。それはターン終了時まで、あなたが選んだ1色の色になる。

ぱっと見アンプレぽいこのカード。半信半疑で使ってみると、この環境・このデッキにおいてはとても頼りになるクリーチャーでした。

  • 意外と器用な色変え能力

サイドボーディングにおいて、手札で腐るのを恐れず反論を投入していクことが可能になります。「破滅的な行為」も「荒廃の天使」も「ヨーグモスの行動計画」も、プロ青の「剣歯ニショーバ」ですら4マナあれば確定カウンター可能です。

  • 熊環境を抑えるサイズ感

目を閉じることで何故か戦闘能力があがったウルザさん。この時代の青のクリーチャー、そして僧侶のような風体に似合わずウルザ史上最強のワガママボディを手に入れています。環境を席巻する2/2、2/1クリーチャーを一方的に受け止める3/3というサイズはとてもありがたい。

  • プロテクション対策&有効活用

この環境では友好色2マナ2/2クリーチャーが対抗色に対するプロテクションを持っており、「ヤヴィマヤの蛮族」のプロ青や「ラノワールの騎士」のプロ黒を受け止めるため、自陣のクリーチャーの色を変え防御に使用することが出来ます。

一方、攻撃面ではBBB、SSSといったデッキのアグロプランへの対策にプロテクション(緑)の「ヴォーデイリアのゾンビ」をメインから採用していますが、対戦相手のクリーチャーの色を変えることですり抜けてクロックを刻んだり、「火+氷」や「焦熱の溶岩」に対して擬似的な防御策になったりと対緑以外のマッチであってもゾンビを有効活用可能です。

  • 不確定マナ含む青単色であること

予見者に限らず、このデッキではカードの選定において、「夜景学院の使い魔」の軽減効果を受けられることで評価を上げています。

コントロール寄りのミッドレンジで戦うというデッキの特徴から、再生能力持ちで4投の使い魔が定着するシーンは多く、相対的に青/赤で不確定マナを含むクリーチャーの優先度を上げています。

また、自身が青単色であることも反論に当たるというデメリットはありますが、各種プロテクションに掛かりづらいという点で利点になります。(定着後は自分で色を変えることも出来るけど)

くすぶるタール

(2)(B)(R)
あなたのアップキープの開始時に、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、1点のライフを失う。

くすぶるタールを生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。くすぶるタールはそれに4点のダメージを与える。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。

vsトレンチ、vsドメイン、vsドロマーコンのサイドプランを考えている中でお試しで1枚投入したところ、意外と有効だったのでそのまま採用。

ダメージが次の自分のアップキープからだったり、除去もソーサリータイミングでしか使えなかったりともっさりしているが、構えるプランの時は貴重なクロックになる。「名誉回復」や「破滅的な行為」との交換はウェルカム。

「塹壕のワーム」と最後まで迷いましたが、先述した使い魔によるマナ軽減の分だけこちらに軍配が上がりました。

クリーチャー除去能力に関しては、これ+火 / ウルザの激怒で各種エルダードラゴンやラッカボルバ―が落とせたり、稲妻の天使が落とせるというアイデンティティがありますが、トレンチはまだしも、SSS戦でこんなものを置いている余裕は無いため、やはり未だに疑っているカード。

粛清するものクローシス

採用理由:格好いいため

(3)(U)(B)(R)
飛行 6/6
粛清するものクローシスがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたは(2)(黒)を支払ってもよい。そうした場合、色を1色選ぶ。その後、そのプレイヤーは自分の手札を公開し、選ばれた色のカードをすべて捨てる。

調整を通じ、最もあちこち動き回ったカード。

元々は重コントロールなリストだったため、メインから1枚投入していました。が、メタに合わせてゲームレンジをやや早めたことによって噛み合わなくなった。特に、初手に来ると視覚的満足度は高いがゲームには負けるためサイドに落としました。

すると、なんということでしょう。これを使いたい相手はほぼ青く、反論が当たり隙の大き過ぎるクローシスは着地するタイミングがナッシング。敢なく戦力外通告されてしまうのでした。

この子を投入したほうが強いかもしれない…が…!

しかしながら、さらに練習を積むうちこの環境で飛行の6/6という最強サイズに加え、ニショーバと殴り合うための最終兵器として、そして何より「クローシスの名を冠したデッキにクローシスを採用したい!」という熱い想いにより「火炎舌のカヴー」からサイドの枠を奪い取ることに成功したのであった。

次回へ向けた調整候補カード備忘録

塹壕のワーム

サイド候補:使ってみたい。

ファイレクシアの憤怒鬼+嵐景学院の使い魔

青黒ビートダウン(タッチ赤)方向に行く場合セットで使ってみたい。

火炎舌のカヴー

サイド候補:いわずもがな

禁制

環境の速度によっては採用したい。軽減で1(or 3)マナで構えられる。

ボツネタ:ファイレクシアの暴政

面白そうだけどFoFで誘発しないためボツ

連合戦略を封じてみたかった。

おわりに

初めてMTGに触れた1996年から、25年以上もの期間MTGが大好きなのですが、普段はどちらかというとカジュアルに楽しむことが多く、構築やプレイングの練習にここまで熱くなれた事は本当にかけがえのない体験でした。

改めてになりますが、このイベントに関わった全ての人達への感謝をもってレポートを終えたいと思います。

一行一行に物語が詰まっている。そして行間には、それぞれ一千もの物語が。

「スランの秘本」 フレイバーテキスト


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