好きになった人が好き

最近歳のせいか食事に行くと決まって結婚だったり将来の話になるので、そろそろ己の性的指向について打ち明けておこうと思います。

まず大前提として、私はこの件で特に悩んでいるとかでは全くないです。あと触れちゃいけない話題でもないです。むしろ興味があればいろいろ聞いてください。そっちの方が嬉しいです。


私は生まれてから20年間、ずっと自分のことをヘテロだと思っていました。いわゆるノンケのことです。男性なら女性が好き、女性なら男性が好きな人のこと。

男の子としか付き合ったことがないし、ジャニーズが好きだし、自分は全くもって"普通の"女の子だと思っていました。

しかし今年の4月、"そうではない"と突然気付かされました。じゃあ何かと言うと、未だに自分の中でも不確定ではあるのですが恐らくパンセクシャルではないかなと感じています。

パンセクシャルとは、「好きになる相手の性別を問わない」人のことです。

それってバイセクシャルと同じじゃない……?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、バイセクシャルは「男性も女性も好きになる」人のことを指します。

要はバイセクシャルが「両性愛」で、パンセクシャルは「全性愛」と言えます。こう表すと分かりやすいかと思います。別に男性でも女性でも、そうじゃない人でもいいのです。性別は後から勝手に着いてくるものだと思っているので。

ただ、ここの線引きはかなり曖昧で、自身がしっくりくる方で良いらしいです。これは全てのSOGI(性的指向と性自認)に共通して言えることですが、日や気分によってそれが変わっても良いのです。

と、ここまで偉そうに言いましたが、そもそも「パンセクシャル」というワードも元々知っていた訳ではなく、色々と調べていくうちにそういう性的指向があると知ったといった感じです。そう考えると、半年前と比べるとLGBTQIA+に関する興味関心や教養が結構増えたような気がします。


自分がパンセクシャルだと最初に気づいた時は結構動揺しましたが、と同時にとても安心しました。

それは過去にある女の子にとても大きな感情を抱いた経験があるからなのですが、その経験が今までずっと心のどこかに引っかかっていて、その答えがやっと出たことに対しての喜びが一番大きかったのです。

中学の部活で当時部長だった同学年の女の子だったのですが、私は副部長で、ペアになって部を運営していく機会が増え、向こうがスキンシップ多めな子だったのもありだんだん一緒にいるとドキドキしてきたり、目が合うと恥ずかしくて逸らしたりしてしまう期間がありました。

当時の自分には同性に対して抱くその感情を理解できず、ずっとモヤモヤしていましたが、今考えると純粋に好きだったんだと思います。それが今のところ一番納得のいく答えです。実に6年ほどかかりました。

少し話題が逸れてしまうのですが、そんな中学時代は自身をキッパリと"女"だとは思いたくなく、元々声も低くサバついた性格だというのもありイケ化を目指していた時期がありました。今考えると当時の性自認は、男女の枠に囚われないXジェンダーに近かったですね。

どちらにせよ、あの時の自分は決しておかしくもないし、病気でもない。自身のLGBTQIA+に対する知識や興味関心が成長や時代の変化につれて高まっていき、6年かけてたどり着いた考えです。


本当に良い時代になったと思いますが、まだまだ試練が伴います。高齢になるにつれて偏見が激しくなる、というのは私は関係ないと思っていて、別に若かろうがなんだろうがLGBTQIA+に対し、キモチワルイと思う人はまだまだたくさんいるはずです。

私は普段SNS上で自身の政治的指向をあまり表にしないよう勝手に意識していますが、先日の足立区議員の発言には大変憤りを覚えているということをここに表明しておきます。あれは本当に許せないし、ただただ悲しいです。

言論・思想は自由であるのでそこは足立区議員に限らず決して否定しませんが、それを自治体を代表して、LGBTQIA+当事者含む大衆に向けて発信していただきたくない。胸が張り裂けるような思いでした。 

この世の全ての人が、心の底から恋愛を楽しめる世の中になりますように、そう願うばかりです。


自身がパンセクシャルだと認識してからは、以前より生きることが楽しくなりました。と同時に、誰のことも平等に愛せる自分が好きになりました。今の自分に出会うことが出来て嬉しいです。

ただ今日までマジで誰にも打ち明けていなかったので(めちゃくちゃ酔った時一緒に飲んでた人にチラッと言ったことはある)、少しずつ対面での飲食の機会が増えてきて、冒頭で記したように結婚の話になることが多く、本当に言いたいことが言えず複雑な心境になることは正直ありました。

なにせ気づいたのが今年の4月で、今までの自分はヘテロとして生きていたのでここで急に「実は自分素敵な人だったら誰とでも付き合えて〜」なんて言えないだろ……と思っていたのです。

なので今日10/11、世界カミングアウトデーという絶好の機会に、こうして皆さんに打ち明けさせていただきました。すご〜〜〜〜〜く悩みましたし何度もこの記事を消しましたが、やらない後悔よりやる後悔と思って公開してみました(生きる上で結構この言葉を大事にしていたりする)。ついさっきまで落としたAirPodsの議事録を呟いていたのに急に驚かせてしまい申し訳ないです。今日じゃないと嫌だったんです。


ここで、皆さんに一つのサービスをオススメしたいと思います。

「anone」というサイトなのですが、ここではいくつかの質問に答えると自身の性自認・性的指向を診断することができます。私自身、パンセクシャルだと気づく大きな手がかりとなりました。

ここでは自身を「こころの性」「恋愛的指向」「性的指向」「表現したい性」の4つに分類してくれます。ここがすごく細かくて、痒いところに手が届くといったところです。特に「恋愛的指向」と「性的指向」が分かれているのが良いです。

恋愛的に魅力的であったり、好きになる人の性別と、性欲が湧く対象の性別が異なる場合だってあるのです。そこが包括されてしまうことが多かったので、ここがそれぞれの指向として区別されることに私は結構感動しました。

以下にURLを貼っておくので、気が向いたら診断してみてください。診断する際に、絶対に自分に嘘をつかないことが大切です。認めがたい診断結果が出て、在りたい自分と指向が違っても、それはそれで受け入れてください。無理やり行動とリンクさせる必要はないので。

なんだか思った以上にステマっぽくなってしまいましたが、もちろん本当に良いサービスだと感じて自主的に宣伝しています。是非に。


長くなりましたが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。本当はこんなnoteなんかにして重苦しくしたくなく、さらっと呟いて見逃した人は一生知らないまま、みたいな感じにしようかとも思っていたのですが、言うべきことはちゃんと言おうと思って書いてみました。

ただ冒頭にも記したように悩んでる訳でも触れて欲しくない訳でもないので、抵抗のない方はこれからも今までと変わらないテンションで私と接して欲しいです。ぜひ「マジ結婚やばいね、どうする?」って話しましょう。

また、何か書きたくなったらnoteにしてみるかもしれないです。


P.S. 最近Tinderで知り合った女の子と観劇に行きました。サイコーでした。

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