妄想あらすじvol.5

「人生一度きり」そんな言葉が嫌いだった。ノボルは堅実に生きていた。都内に住み、結婚前提の付き合いをしている彼女と同棲し、仕事も順調だった。周りから見れば幸せに見えるかもしれないが、ノボル自身はそうは思いきれなかった。
昔別れた彼女、ほんとにやりたい仕事。なにかに気持ちを取られた状態で生きていること否定はできなかった。
ある日ノボルは仕事帰りに飲酒運転の車にはねられ死んでしまう。
走馬灯のように流れる人生。死ぬことを理解し、このまま後悔しながら生き続けるよりいいか、と死を受け入れるが、目を覚ますと薄暗い部屋にいた。
そこにはひげをはやした男がいた。「今回の人生どうだった?まあ前回のことなんか覚えてねえか。死んで早々悪いんだけど次はどうする?また新たに人生を始めるか、記憶を引き継いだまま生まれ変わるか。」
話を聞くとどうやら人類で様々な功績を残したり、社会を作ったり、人々が思いもよらないものを作ったりしている人々は皆記憶をついでうまれかわってい人が多いのだと。
「もちろんそっくりそのまま引き継いでいるわけでなく、生き方や学びが身についているんだよ。ただ、その分に人生に悲観して自殺するやつも多い。自殺者は殆どが引き継ぎ組なんだ。」
「だが引き継いで生まれ変わる場合は注意してほしいんだ。自殺したら2度とうまれ変わることはない...」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?