汚泥が塗料に!?ある塗料会社とのコラボレーション!
石けんをつくるときに、生成されている汚泥。なぜ塗料にならないかと思ったのかは、分からないのですが、急にそんなことを上司がつぶやきました。・・・塗料、なるんか??
汚泥は塗料になるのか?展示会へ突撃!
アップサイクルできないか、探索中の汚泥。東京高専さんとの取り組みで、少しずつ形になっています。粘土にならないか、燃料にならないか、実験を進めてくれています。しかし、学生主体の教育プログラムの一環。頼ってばかりでなく、自分たちでも動く必要がある。
そんな中、上司の一言。とりあえずネットでいろいろ検索してみることに。そこでヒットしたのが、コーティングジャパン展という塗料に関する展示会。会社からそう遠くない。お、ちょうどいいのやってるじゃん!
ということで、汚泥を片手に展示会へ!行って何をするのか!?それは、この汚泥を御社の塗料と混ぜてアップサイクルできませんか!?と聞きまくる!
そんなざっくりした感じで訪問した展示会。塗料とひとことで言っても展示されているものは様々でした。塗料そのもの、塗る技術のことだったり、よく分かっていないながらも奥深さを感じていました。
そして、いくつか塗料メーカーの人に話しかけました。なぜ牛乳石鹸の社員がこんなところに?という感じで、はじめは不思議に思われるのですが、話していると段々と理解してくれます。
しかし、なかなか前向きなリアクションをしてもらえる企業とは出会うことができず・・・。とぼとぼと、会場内を散策していると、なんだか目を引く展示ブースがありました。なんだかたくさんのフィギュアが並んでいる。会社名を見ると「斎藤塗料株式会社」と書いてある。
話を聞いてみると、ゴム製品やレザーに塗る「ウレヒーロー」という塗料を展示しているようでした。例えば、フィギュアに塗ると塗料が割れたりとかしますが、このウレヒーローではそういうことがおこらないようです。
そして、本題の汚泥。何社か話して、難色を示されることが多かったので、難しいかなぁと思いつつお話しすると、ひとこと「おもしろそうですね!」
どうやら斎藤塗料さんとしても、新しいことに挑戦しなければいけないという想いをお持ちだったみたいです!ようやく共感してもらえる企業と出会えた!
挑戦する老舗塗料メーカー「斎藤塗料株式会社」
展示会では、名刺を交換して後日またお会いしました。斎藤塗料さんは創業90年を超える老舗の塗料メーカーです。プライマーと呼ばれる下塗り用の塗料をメインに製造し販売されています。
また、お客様の要望に合わせて小ロットからでも塗料の製造を請け負っているらしく、少量多品種で商品を展開されていることが強みとのことでした。
展示されていた「ウレヒーロー」はそんな斎藤塗料さんが培った技術が活かされた特殊な塗料で、フィギュアなどの塗装に使われるサブカル系塗料としてヒットしているとのこと!工業系をメインとしていた斎藤塗料さん。これまでと違った領域に挑戦することは、長くお客様から愛され続けるため。
展示会で「新たなことに挑戦しなければならない」と言っていたのはそういうことだったのか。そして、私たち「新規事業室」と同じ想いを持っている!
お互いの工場を見学、学び合い。
そんな話をしながら、汚泥をお渡しして、一度実験してもらえる運びに。そして、お互いの工場を見学することになりました!まずは、牛乳石鹸の工場から!
石けんをつくる過程や、歴代商品などが展示されている資料館を見学。興味深く見学いただき、質問もたくさんいただきました。資料館では、番台に置いてあるアヒルの人形を見て、盛りあがる場面も。ウレヒーローで塗りますよって(笑)
後日、今度はこちらが見学する番に!工場に入ると、まず感じるのがシンナーの匂い。塗料には欠かせないものらしく、混合したり、機材についた塗料をシンナーで洗い落としたりするとのことでした。
製造工程を説明してもらいながら、工場を案内していただきました。製造設備がとてもカラフル!まるでアートのよう!やっぱり塗料を作っていると、いたるところが着色されるんだなあとしみじみ。
こちらの工場では1日400缶、多いときは600缶分の塗料をつくっているとのこと。缶で圧巻です(笑)入社したらまずは、缶に塗料を詰める作業から仕事を覚えるそう。詰めた作業のあとには、設備を掃除する作業など、製造の流れを順番に覚えていくことができるからだそうです。
塗料に汚泥を混ぜた結果・・・
そんなこんなで工場見学はあっという間。事務所に案内いただいて、今後の方向性など話し合いました。そして、お渡ししていた汚泥を実験の結果をお聞きすることに。汚泥を塗料に混ぜたらどうなるか。
その結果がこちらです。
じゃーん!なんとアヒルにウレヒーローで牛柄に塗装してくれました!すごいインパクトです。会社に戻って、資料館に飾っておきました(笑)
というのは冗談で、このウレヒーローに汚泥を混ぜたわけではなく、別の塗料に混ぜてテストをしていただきました。とある原料の代替にならないか試したけど、いろいろ課題があるとのことでした。
斎藤塗料さんには、私たちの取り組みに共感していただき、通常業務もある中、汚泥の実験をしていただいています。まさか上司の何気ない一言がこんな、ご縁につながるなんて。これからも斎藤塗料さんの力を借りながら塗料化への道を進んでいきます!
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