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なない氏に寄せて

【まえがき】

ここに書くのはわたくし「ちぇなたん」の独り言、ぼやき、独善、個人の主観であり、文面に登場する人物・団体には一切関係ありません。
ご承知おき下さい。


我がにじゅううん年の人生において、過去に類を見ない喪失感を味わっている。

ストリートファイター5の動画勢ばぶちゃんを始めた頃(それこそ歌ガールいっぽんだった頃)からずっと、推しが『推し』となるもっと前からずっと聞き続けてきた実況の声の主、なない氏が永い眠りについた。

数日経つが未だ実感が沸かない。

ご冥福をお祈り致します、だとか
お悔やみ申し上げます、だとか
文字ではいくらでも書ける。
だがしかし内心は
「この前パブリックビューイングで会ったじゃん!!?会場閉まる直前に我らファンガールに囲まれてもっちゃりした顔してたじゃん!!?直前までEVOで楽しそうだったじゃん!!?まだ若いじゃん!!?!?どうして…………」
これである。
心境の整理など一辺もつかん。

だってさ、人生で初めてなんだよ。
顔を知って、声も知って、こんなに思い入れたものに関わっていた人が突然居なくなってしまったという経験が。

さておき。おけないけど。
人間は、哀しきかな「忘れる」ということができてしまう生き物なのである。愚かだよな。
しかし、忘れたくないのだ。
忘れたくないよ。

だからこうして「忘れたくない」を書き残すnoteを1ページ書こうと思う。

文体こそいつもクソふざけているが、おそらく私は生粋の『文字書き』なのだ。
音声にすると途端に涙混じりになってしまってダメだが(実際お知らせが出た翌日普通に仕事に出勤してエライことになった)、文字であればどこまでも饒舌になってしまう。
あまりにも膨大に、抱えきれなくなってしまった思いを一度纏めてしまわねば、あと1ヶ月はツイッターで辛気臭い泣き言を書きかねない。
それは自分の精神衛生のためにも、フォロワーのためにも避けたい。

真面目に書こうと思うのだが、文体は相変わらずいつものこのスタイルでいこうと思う。
人によってはいつも以上に不快に思うかもしれないが、堅くしてしまうとマジでただ辛気臭くなってしまうのでご容赦下さい。
明確に別れを告げる機会の無いファンの中のひとりの、心境整理だと思ってご容赦下さい。
赦せなかったら、私に直接届かないように叩いて欲しい。よろしく頼む。

何をどう書こうかというところなのだが、記憶に鮮やかな動画やコンテンツを拾い上げ、それに関する感想や思い出を書き綴ろうと思う。

最初は読んでくれる人への紹介というか、こういう動画があってね〜って書き口にしようと思ったのだが、そうすると無難なテンプレのような感想ばかりを書いてしまうので、敢えて『私個人の備忘録』として書き綴ろうと思う。

ただ好きなやつ、忘れたくないやつなんかはリンクだけ貼るかも。

私見においてのチョイスなので、編集したり増えたりするかも。


・おじリーグ

私にとっての「なないファーストインパクト」。
歌広場さんが参戦するのは3回目からのことだが実はおじリーグ自体は初回からリアタイ皆勤賞してたりする。
初回のね、髪の毛ふわふわちょっとヘアメしてるの可愛いんだよな。

おじリーグを語る上で「なない毒舌実況」は外せないポイントだと思うのだが、それ以上に「ひとつの現場で誰に対しても態度が変わらない(変えなくて良い)」という点において、それは一種の才能で、信頼関係で、愛されている証拠なのだなと思いながら観ていた。
回が増すにつれてエスカレートしていくのもよい。
あくまで演じているわけではなく(たぶん)、タガが外れていくといった感じなのがめちゃくちゃ良い。
正直5回目に関しては、それで救われた思いもある。

多分、歌広場さんが関わらない格ゲーの大きなコンテンツを見たのはおじリーグ(初回)がほぼ初めてだと記憶しているのだが、ファーストインパクトがこれで本当に良かった。
もちろんこの頃既にストリートファイター界における名物実況解説であるアール氏のこともハメコ氏のこともお名前は存じていたが、画面を見てまだ「攻撃当たった!こっちが勝ちそうなのね!?」くらいのことしかわからなかった私に「格ゲーオモシレーーッ」って思わせてくれたなない氏のトーク、語彙力、ワードセンス、力量に多大な感謝を申し上げたい。


・ぐっぱちのファンミ

急に時系列がめっちゃ飛ぶが、印象深いものから書きます。これに関しては配信アーカイブ等が無いので私の日記を貼っておこう。

いまだにね、脳内で再生できるのよ。
「クイズ立川王決定戦ッッッ」ってお声。笑

人間は忘れる生き物だと冒頭で書いたが、『立川王決定戦』というトンチキな単語と共に、その単語を思い出した時には絶対に彼の声で再生されるのだと思う。
自分で、あるいはこのレポを読んでくれたファンミに参加していた誰かがこの日記をふとした瞬間目にした時、ふんわりと彼の声を思い出してくれたらいいとも思う。

それ的な企画ではお決まりのコールだと思うんだけど、それまでの「本当にやるの……?」みたいな空気感と、コールした後の選手の冷めようを見て「めっちゃ萎えてるじゃんww」とケラケラ笑っていたのが楽しそうでとても良かった。

レポートとして書くなら会話レポは多過ぎない方がいいだろうと日記では省略したが、交流タイムでは「なないさんきっかけでマダミス配信観るようになりました〜」ってお話をしました。
もともとマダミスというものに興味はあったが、触れるきっかけが掴めず共にプレイするような友人も思い当たらなかった私は、突如として顕現した巨大な黒き山嶺に挑むなない氏の見た景色を、その目と声を通して見たのである。
(カッコつけて書いたけど要はなないさんの狂気山脈からマダミス見るようになったって話)

私が随分と緊張していた故あまりスムーズな会話ではなかったが、それでも自分(なない氏)をきっかけに格ゲー界にいた私(ちぇなたん)がマダミスを見るようになった、という話を嬉しそうに聞いてくれたことを覚えている。

あとファンミの時に「ぷげらさんにカタシロ回してほし〜」って直談判を「承りました」って、返してくれてたんだよな。
本当に悲しいが、叶わなくなってしまった。
推し活に見境が無さすぎて叩かれポイントエピソードだと思うのですが、ぐっぱちのファンミ(名前が挙がっている人が全員その場にいた)ってことで許してほしい。許せなかったら(略)

「いつかぐっぱちのメンバーで卓立てたいんですよね」って話してらっしゃったのもファンミでの会話か挨拶か、この近辺の配信だったような。
実際に立った卓も視聴したが、この事前のくだりを知っていたからちょっとエモかったのよね。

ファンミの時に撮ってもらったお写真(私のいる左側は割愛)。
いい笑顔。

・マダミスについて

という訳で、上記で出たぐっぱち卓の話をしよう。

なない氏が格ゲーマーに立ててくれた卓数あれど、推しが関わった卓数あれど、多分ずっと1番好きなマダミスのアーカイブだと思う。

そもそも、
なない氏はぐっぱち所属であったのだが、主なポジショニングが競技者ではなく実況者というポジションだったが故、公での選手との絡みがあまり見受けられなかったのだ。
選手各個人となない氏が仲良くしていることはツイッター等で目にしており知っていたが、ぐっぱちという括りで同じ画面に映ること、公に関わることって存外少なかったように思う。

そして、ぐっぱちの選手(この年はどぐらさんも含め)全員が当時のSFLの練習配信以外で一堂に会し、且つその機会を我々パンピーが認知できたという事例も(これもDiscord上での話だが)めちゃくちゃ珍しい出来事だったのだ。
主にカワノくんがいつもいないからなんだけど。

内容を語るとネタバレに抵触してしまうので伏せるが、内容に関わらない点をひとつ挙げたい。

マダミス初挑戦だったカワノくんが、「ハンドアウト(演じる役の説明みたいなもの)に書いてあって〜」という旨の発言をしたことに関して、やらない方がいいって言われてたな〜と後に反省する場面でのフォローの声がめちゃくちゃ優しかったのだ。

それまでのマダミスやTRPGでもおじさん達の配信設定を介護するくだりもあったし、シナリオでめちゃくちゃなプレイをしようとするPLの意図を汲み臨機応変にフォローしてくれた例も多数あるが、
自分より年下の、
マダミス初挑戦の、
同じチームの若者に、
こんなにも優しく声をかけてくれる人だということを改めて目の当たりにし、じんわりと「好きだわ……」と思ったことを今でも覚えている。

ちなみに、他になないさんの関わったマダミス・TRPG関連で好きなものを挙げるとしたらこの辺り。


・推しの友人として

段々と私の思想に寄ってきたが、これは私の備忘録。好き勝手書くぞ。

時々、御推し(ぷげらさん)と飲みに行った〜という旨のツイートをされていたことをよく覚えている。
サシ飲みの時もあれば、他に仲の良い格ゲーマーも含め数人で、といったこともあったようだ。

その時になない氏が撮ってくれていたぷげらさんの写真が、何と言うかめちゃくちゃ人間ぽくて好きだったのだ。
普段の目立つ機会(SFLや大会でのコメントなど)にはスンとして、どこから拾ってきたミームかわからんような怪電波を喋るぷげらという人が、親しい人と和やかに話す時こんな表情を見せるのかと。

お世辞にも上手な写真だとは言わない(言わない)。

普段あんなに作画のいいぷげらさんがあんなもっちゃりした表情で写真に撮られることあるぅ!?って毎回笑いながら見てた。
だけどそれは、ファンでありパンピーである私が追えるコンテンツ(配信や対戦動画など)では絶対に見られない表情なんだよな。

なんで……なんでちょっと下から撮るの……っっ………

なんと言うかあの、推しの解像度が上がって大変助かりました。ほんまありがとう。
ちなみに推しが撮ったなないさんのお写真はちゃんとだいたい作画が良い。なんでやぁ。

あとね、なぜか突発的に2人でラグナロクオンラインやった配信が良かったなぁってのも覚えてる。

きっと2人が出会ったのは格ゲーマーになってからだと思うけど、会話の空気がそれよりも若い、中学生や高校生くらいの、距離感の近いオタク友達って感じの雰囲気がとても見ていて楽しそうで。
知り合った共通点以外でも話題の共有ができるともだちっていいなぁとぼんやり思いながら寝落ちした思い出。

という関係性をパンピーなりに少しだけ知った上で、チームからなない氏のお知らせが出た段階で「現実ってなんだっけ」と思いながら混乱のあまり泣いていたのだが、ぷげらさんの追悼文を読んで追い討ちで呼吸困難になる程泣いた。


・パブリックビューイングにて

ぐっぱちからも告知が出ていたが、今年のSFLのパブリックビューイングの第2回目は現場ゲストとしてなない氏が登壇していた。初回も来る予定だったのだが(略)。
私が小喧しい日記を書いた、次の回のことだ。

なない氏自身が自分のチャンネルで現地配信を行いつつ会場に向けても声を掛けたり試合の解説をして下さっていたので、会場で聞いた内容がどれだけ配信にのっていたか私自身は知らない。
アーカイブを見たらいい話なのだが、見るにしても、もうちょっと後にしたいと思う。

どちらかと言うとガヤに近かっただろうか。
日頃はその試合の状況を的確に言葉にし実況に務めてくれていたなない氏が、おじリーグの時ともまた違うガヤ寄りのワードチョイスをしていたことがなんだか可笑しくて、試合も見たいしアールさんの実況も聞こえてくるしなない氏のガヤも聞きたいしでいつも以上に耳が忙しかった。

休憩中のトークって、配信にはのっていたのだろうか。
「今日はお酒飲んでいいらしいんですけど、僕酒飲むと顔赤くなるタイプです」
とか
「会場のお客さんに絡みに行っていいか迷うよね。俺も来られたら困ると思うもん………やっぱり、会場の皆さんちょっと『えっ』みたいな顔してる」
な〜んていうような小粋なトークで繋いでくれた、ような覚え。
もし配信をみていた人が覚えていたりアーカイブに残っていて「そんなんじゃなかったよ」事案だったら申し訳ない。こんな感じの内容のくだりはあった筈。

ぐっぱちのパブリックビューイングでは、
初回は今年のEVO Japan版ユニフォームを賭けた、
2回目ではなない氏のサイン入りだるまちゃんステッカーを賭けたじゃんけん大会が行われたのですが、
前回のレポに「いつか何か欲しい」って書いたら

本当に貰っちゃって草でした。
今はファンミの時に登壇者の皆さんから頂いたサインステッカーを色紙にまとめたものと一緒に玄関に飾っています。

我が家の玄関


SFLの本配信が終わり、なない氏がYouTube配信を切った後、チームからの告知を挟んで終演。
この日はぐっぱちの試合が1試合目だったこともあり試合終わりの選手インタビューを聞いて帰路についた方もいて、終演後の撤収作業は前回より巻き巻きで行われていたように思います。

私は前回顔見知りになったフォロワーさんと「今回もアツかったね〜」なんて話をしていたら、まさかの私たちのグループが退場が1番最後になってしまい。

最終撤収時間は過ぎていなかったので、せっかくだからと入り口近くでお見送りしてくれていたなない氏に、
「今日はお疲れ様でした〜楽しかったです〜」
「次回もいらっしゃいます?」
なんてお声を掛けつつ、ちょっとだけ雑談をさせていただいて、せっかくなのでお写真も撮らせていただくことに。
我々のグループと言っても4人だったのですが、誰もツーショットを撮らずになない氏のお姿だけをカメラに収めていたの、今考えるとちょっとおもろいな。

心象による後付けとは言え、こんなに「じゃあね」みたいな
お写真になってしまうと思わないじゃんね、


なんてやり取りが、あったんです。
「次回はワンチャン僕とゲストもいるかも〜」なんて話もね、したんです。
先日のEVOの現地配信をリアタイしながら「こりゃあ思い出話楽しみだな!」って、思ってたんです。

思ってたんだよ。


【あとがき】

悲しみと喪失感のあまり何か残しておきたいと勢いで書き始めたは良いものの、ペラペラに薄いものしか書けなかったら寂しいなと思っていたのですが。
私が彼を知るより前からずっと応援していた人にとってはペラペラに薄い文章だったとしても。
私自身の感覚としては、思った以上に私の中になない氏という人間が残っていて少し嬉しかったりもしました。

なない氏が立ち上げたDiscordサーバーでは縁のあった人や熱心に配信を見ていたりファンだった方達からたくさんのお写真が寄せられ、こんなに愛されていた人だったのだな、よく笑う人だったのだなと知れて、嬉しいと同時にまた少し目頭が熱くなったりもしました。

きっとこの先も競技シーンを応援していく過程で「今日の実況〇〇さんだ」と思った後に、少しだけしょんぼりしてしまうのだと思う。
勿論その〇〇さんに対して落胆しているのではない。
今までに聞き慣れた声が、名前が、今後ラインナップされることがないという事実を少しずつ受け止め寂しく思ってしまうのだろうと思う。

でもね!顔を上げて!未来を見据えて!私たちは生きて!!みたいな、卒業式のアレみたいなことを書きたいのではない。
この文章を締め括ろうとしている今も、推敲のために読み返しふとした瞬間に目が潤んでいることもある。

折り合いをつけることに、
受け入れること、受け止めることに、
時間が掛かっても仕方がないと思う。
それ程に彼は知られ、愛され、尊敬されていたのだと思う。

私も、ただただ自分が好きなものに色を添えてくれていたなないというひとりの人に対し、敬愛と寂しさと感謝と、そういったものをまとめて残しておきたいなと思った雑記でした。


ありがとうなないさん🐬

訪れることのない「いつか」を語ることが本当に苦手なので、ただただ純粋な感謝を。


追伸:

少し時間はかかりましたが、
関係者の皆様のお別れの報告や、SFLの本配信での挨拶と黙祷などを経て、現実を受け止めること自体はできるようになって参りました。
依然として寂しさは募るものですが。

なない氏にとっての未来がこの先も続いていたとしたら、今よりも一層格ゲー界を牽引していくひとりに、
また、他界隈との架け橋として、
より多くの人に愛され、支持される未来に続いていたのだろうと、勝手ながら思っています。

しかし道半ばで区切れてしまったこの道も、
流行病の影響が僅かに薄れ、
ようやく参加できた海外大会で好成績を残し、
道中では気の置けない仲間たちと交流、談笑し、
日本に帰国した、
その翌日の話。

きっと目が覚めてか、1日休んでその次の日か、振り返り配信で何を話そうかな〜なんて考えながら眠りについたのではないかと、浅瀬の一ファンながら勝手に思っております。

多くを語ると「たかが他人がの分際で何を」という話にはなるのですが、
せめて最期の胸中が、幸せであったことを願うばかりです。

貴方の旅は、良いものでしたか。

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