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峰宗太郎の雑談会~尾身先生、ワクチン接種状況、情報の向き合い方~(9月2日こびナビTwitter spacesまとめ)

こちらの記事は、2021年9月2日時点での情報を基にされています。
情報が古くなっている可能性がありますので、ご注意ください。

2021年9月2日(木)
こびナビの医師が解説する世界の最新医療ニュース
本日のモデレーター:峰宗太郎


【雑談1】尾身さんについて

峰宗太郎
おはようございます。では始めます。
いま1,260人も聞いていただいておりますが、スピーカーが3人しかおりません......。

さて、尾身先生が Instagram アカウントを開設されたということで、お聞きの方もフォローされたのではないかと思います。「コロナ専門家有志の会」という note で記事を出している会のメンバーやスタッフの方が中の人として動いているようです。

▼Instagram omi.shigeru
https://www.instagram.com/omi.shigeru/

▼note公式アカウント:新型コロナ専門家有志の会が note を拠点に情報発信をはじめます
https://note.com/info/n/n67bac0e69a6d
出典:note 2020/04/05

▼コロナ専門家有志の会 | COVID-PAGE
https://note.stopcovid19.jp/
出典:note

アメリカの本日午前中、このアカウント開設を察知して見にいったらフォロワー100人ちょっとで、僕もフォローしたんですよ。

そして僕も宣伝のお手伝いがてらツイートしたんですが、そうしたら目の前で、2,000人、3000人、4000人とすごい勢いで増えて、いま見たら、こびナビ Instagram のフォロワー数を超えて22,000人を軽く突破しているという状況です。すごいですね。 

編集注:11月26日時点でフォロワー数76.5万人です。本当にすごいですね。

安川康介
すごいです。
僕は日本のニュースはあまり見ていませんが、尾身先生は分科会の関連で拝見しています。Instagram を使っているのは比較的若い層であり、このようにフォロワーが増えるのはすごいなあと、ちょっと意外でした。

峰宗太郎
すごいですよね。
尾身先生のアンチのような、よくわからず反発している人もいるようですが、やはり支持されてる方、頼りにされている方も多いと思います。ここまで本当に真摯に仕事をしていただいて、国のため・皆さんのために働いていただいていることがやはり大きいんだろうなということで、非常にすごいなと思ったのが1つです。

また尾身先生は会見で毎回すごくよいことを言われていますが、全く報道されないんですよね。本当に大事なこと言っているのに、メディアは何を考えているのか、その本当に大事なことを繰り返し報道することができず、いい加減なことばかりやるんですよね。本当にメディアは駄目ですよね。

ということで、メディアを通さずに情報を発信できるのは凄くよいことだなと僕は思っています。

あとは尾身先生の場合、政治のバイアスがないことも重要ですよね。
野党よりはマシかもしれませんが、与党や現政権も大概なところもあります。専門家のアドバイスをそのまま受けないとか......もちろん政治決断ですから全てを受けないこともあるんでしょうが、どうも透明性がないなどのいろんな問題があります。

尾身先生としては、専門家としての声を国民に直接届けてやり取りしたいという思いが強いのではないかと感じています。

どうでしょうか、そのあたり。

黑川友哉
「#ねえねえ尾身さん」というハッシュタグが最高ですよね。
考えた人は天才だなと思ったんですが、なかなか斬新です。
どうでしょうか、ねえねえ峰さん、みたいなのがあったら。

峰宗太郎
ねえねえ峰~!
だったらちょっとよいですけど👶

尾身先生を、尾身さん、と、そこらへんのおっちゃんのように軽く呼べるのはのはすごいですよね。

黑川友哉
そうですよね。めちゃくちゃすごい人で大変な仕事をされているのに、この気さくさ、フランクさ、親しみやすさといったら。そしてこの写真ですよね、Tシャツ1枚で山の中か、公園の中か、散歩してるような感じの写真を載せています。

中の人、プロが入っているのかなと思いますがすごいですね。

峰宗太郎
note もデザインのプロが入っていますし、戦略的ですよね。
開設わずか半日で26,642フォロワーですから。こびナビが半年かけて築き上げた Instagramフォロワー数が半日で抜かされるのはすごいことですよね。


【雑談2】注目情報・ワクチン接種状況など

もう1,700人もの方が聞いていただいております。さて、そろそろエンジンをかけていきたいと思います。

僕はいま The New York Times の COVID-19 Live update ページを見ています。
The New York Times は COVID-19 に関して頑張っておりここでも何回も紹介しているんですが、いろんなニュースがありますよね。

ここでちょっと面白いなと思ったのはブレイクスルー感染についてです。
ワクチンを2回接種した後に感染してしまう人がいますが、そういう場合には Long Covid(COVID-19の後遺症)になりにくいのではないかという研究が出始めたようです。

▼The Covid-19 Pandemic
(ページ上タブの「Live: Covid-19 Updates」から、記事は常時更新されます)
https://www.nytimes.com/news-event/coronavirus
出典:The New York Times

▼Breakthrough infections are less likely to lead to long Covid, a study suggests.
https://www.nytimes.com/2021/09/01/health/breakthrough-infections-long-covid.html?searchResultPosition=5
出典:The New York Times


また今日はいくつか注目の話題もあります。

●NEJM(The New England Journal of Medicine)でいくつかの治療薬の RCT(randomized controlled trial、ランダム化比較試験)の、そんなに大きくはないものが中心ですが結果が出始めて、ちょっと効きそうかなというお薬もだんだん見えています。めちゃめちゃ効くわけではないのですが。
※情報が古くなっている可能性があります。

●COVID-19 対策に関して最高の優等生であったニュージーランドがいま、デルタ変異ウイルスのコントロールに非常に苦しんでいるというニュースも出ています。ニュージーランドはゼロコロナ政策ということで、憲法裁判にもなるくらいの厳しいロックダウンを行うことでこの1年8ヵ月ほどを乗り切ってきました。もちろん検査もたくさんやってはいるんですが、最も重要な本質はロックダウンすなわち接触抑制策です。それをいつまでも続けられず、ニュージーランドの国民の皆さんがそろそろ限界で引きこもったままでゼロコロナを達成し続けるのは無理だろうということで、そろそろオープンしなきゃいけないんじゃないの?緩和して流行させちゃった方がいいんじゃないの?という話をし始めているということです。

この COVID-19 を往復で考えると、往路で大正解だった中国、台湾、ニュージーランド、オーストラリアなどの、強力なロックダウンを行って大量検査したり資源を使って私権制限をしまくって流行をなんとか抑えてゼロコロナに近いことをやってきた国は、(復路の)ワクチン接種の段階に入って非常に出遅れましたね。

いま中国は情報統制が初期よりも厳しくなっているようで、なかなか情報が出てこなくなりましたが、デルタがかなり流行っているようです。

台湾はデルタを抑え込みましたが、現地に住んでいる私の妹の家族に聞いたところでは、厳しすぎるということで皆さん結構不満がたまっているようですね。

どの国もそれなりのやり方で試行錯誤して苦労しているのは事実であり、そこについてどういう評価の軸を持つか、どの側面をみるかということがとても重要だということが改めて浮き彫りになっていると思います。

そんな中で、日本のワクチンの接種速度は非常に順調に上がっています。
見たことがあるリスナーの方も多いと思うんですが、Our World in data というイギリスのいくつかの研究機関と NPO がやっているサイトがあります。私たちの世界をデータで見ると、と訳したらよいでしょうか。

▼Our World in data
https://ourworldindata.org/

ここでは COVID-19 の情報をたくさん見られます。ワクチン接種率、接種速度、死亡者数なども全て見ることができます。それによると、いよいよ日本のワクチン接種率はアメリカに迫っています。

アメリカはワクチンの接種速度が極めて速かった時期もあるんですが、急激に落ち込みまして、いまは大変苦しんでいる状況です。ワクチンをなかなか進められず、ロールアウトという言葉が報道から消えてしまいました。

安川先生どうでしょうか、ワクチンの接種が進んでいる気配はあるでしょうか。

安川康介
峰先生のおっしゃる通り、接種率の伸びは完全に止まりましたよね。
ただ、接種が進んでいる州の12歳以上の接種率は結構高いんですよね。たとえば僕たちが住んでいるあの群だと12歳以上で80%以上接種を受けていいます。高いところは高く、低いところは低いままだという気がします。

感染が拡がっている南部にある州は接種率は低いです。例外的に、感染が広がっているフロリダ州は21番目だったか?そんなに低くはありません。やはり接種率は州によって大きな開きがありますね。

峰宗太郎
本当にその通りですね。
僕もこちらに来るまでは全く意識もせず、わかっていなかったんですが、アメリカはとにかく分断しまくっている国なんですよね。矛盾を抱えまくっており、全く united states ではない、ユナイトしていないんです。

スポーツ観戦で、最初に必ず国家斉唱があり、皆さん旗に向かって手を胸において忠誠を誓うようなイベントがそこら中であります。独立記念日には非常に盛り上がり、熱い気持ちになるという文化もあります。

その一方で日本は、君が代に反対したり日の丸掲揚だけで文句を言う人が湧いてくるなど、なんだかな思うんですが、いざという時には一民族ではないにせよ国民国家なんだということが非常に強く意識される面があります。

アメリカはとにかく分断しているんですよね。地域によって、日本の47都道府県とは感覚が全く違って、50個の州というより50個の国がある感じがします。

それ以上に、政治的、思想的、そして何よりもリテラシー、教育レベルがかなり多様で一筋縄にはいかない状況です。いろんなことのコントロールに極めて苦労している様子がここアメリカにいるとよくわかります。

そういうことを考えると、日本もいまワクチン接種がすごい勢いで進んでいますが、今後どこかで頭打ちになる可能性があるということです。

日本の場合、今年の1月くらいにはミスインフォメーションが懸念されていました。
ワクチン躊躇・忌避、ワクチン拒絶・ワクチンを絶対に打たない人、それから ”antivaxxer” と呼ばれるワクチンを否定するような情報を流したがるような方々からの情報によって、ワクチンを打つという選択をしない人や、あえて打たない人が増えるのではないかということを恐れたわけです。

しかし、いま見ている限りにおいては、ワクチン接種は順調に進んでいます。
ワクチンの効果や安全性、基本的なプロファイルが明らかになってきたことによって、一部マスメディアや SNS で誤情報を発信している人はくどいくらいにワクチンをディスりにかかってるんですが、そういう状況でもワクチン接種が進んでおり、渋谷にワクチン接種の抽選があれば人が大挙して並ぶというような状況で、そこはあまり恐れなくてよさそうです。

ただ問題は、無関心な方、当事者意識のない方にどのように接種を進めていくかということで、若い年代になってきた時にどうなるかという問題なのかなと感じています。

いまデルタによる第5波で大きく感染拡大している状況で、その副反応というか副作用といったらよいのか、ワクチンをしっかり接種したほうがよいんだなと認識してくださってる方も多いのかな、とすごく感じています。

ですから、ワクチンに関してはアメリカや他の国を引き合いに出す必要もなく、日本ではそんなに意見分断し過ぎていないこともあり、順調に進んでいくとよいなと最近は感じています。


【雑談3】情報とのつきあい方

このあたりについて、何か意見ございますか。

黑川友哉
おっしゃる通り、ワクチン忌避報道がまだあります。
特に週刊誌などを通したワクチンに対する危険性を強調するような情報発信はまだまだあって、そこに不安を感じていらっしゃる方がいつつも、ただ、ワクチンに対するためらいについては、かなり正しい情報が行き渡ってきているのかなと思っています。

最近は YouTube や Twitter などのプラットフォーマー自身が、そういった情報を積極的にしっかりとチェックしようとする姿勢も強くなっています。日本においてこういったことは珍しいんだろうなと思っていますが、そういった意味でも正しい情報が届くような体制が出来つつあるかなと思っています。

一方で、いままでの日本ではそういう傾向が見られなかったこともあり、YouTube が削除されることを言論統制だと勘違いして逆に不安を強くしているという方もいらっしゃるかもしれないと、ちょっと不安に感じ、最近はそこが嫌だなと思いながらみています。

峰宗太郎
嫌だなーというのは、言論統制がかかるということについてですか?

黑川友哉
私は(プラットフォーマーによる削除が)言論統制とは考えておらず、正しい情報をしっかり前面に出していこうという姿勢だと理解しています。それを見た人が言論統制が起きてると思われると嫌だなということです。

峰宗太郎
表現の自由、freedom of speech はもちろんのことですね。
民主主義の大原則ですし、いまそれがないと大変危ない状況にもなりかねません。

同時に、情報による加害もしっかり考えなければいけません。
特に健康、生命、財産、場合によっては災害、国防などに関わることについて、

・misinformation
ミスインフォメーション、悪い意図がなく拡散する偽りの情報
・disinformation
ディスインフォメーション、悪い意図で拡散される偽りの情報
・malinformation
マルインフォメーション、悪い意図で拡散される真の情報

によって簡単に健康状態や財産や生命を奪うことにもなりかねないわけで、(表現の自由と情報による加害の)バランスが非常に重要です。

表現の自由は無制限なのかというとそんなことはなく、例えば名誉毀損、侮辱は駄目です。これは法的にも、他人の権利とぶつかっていれば当然駄目です。

健康情報、医療情報には特にそういうところがありますので、しっかりするのが大事かなと私も感じるところです。

YouTube にしても、Twitter にしても動きが遅いですし、Instagram は全く動いてないようにしか見えませんし、note も酷いですが、行き過ぎている変な言説については、プラットフォーマーが各自のガイドラインなどに明示しているルールに則って制限してくれているとありがたく思います。

削除されてしまった時に、私が真実を言っているからだとか、本当は都合が悪いんだとか、俺の影響力を怖がっているとか、そういうことを言う明らかな陰謀論系の人たちもたくさんいますが、ただのデマッターですね。

その中でよく YouTube を監視されている安川先生、最近は落ち着いてきていますか?

安川康介
YouTube は結構ひどい動画がまだたくさんあると思います。
そういった動画は再生回数の伸びが早いんですよね。もともとそういう情報を求めている人々がたくさんいるということだと思います。

ワクチンは危険だという動画が投稿されて、みんな見て、やっぱりそうなんだという雰囲気になり、コメントを読むと大体同じことが書かれています。

「大手メディアは話さないような真実を話してくれているすごく誠実な方だ」「勇気を出して発信してくれてありがとうございます」といったような大絶賛コメントが並んでいます。

一方、僕の YouTube 動画へのコメントは「御用学者」「お前は裁判にかけられる」という有様です。

ワクチンに関しては、ごく普通の情報を発信する方がなぜか批判されるような雰囲気があり、少しでも寄り添うふりをして、たとえば「このワクチンは安全なのか私はわかりません」という言説の方がウケがよい感じなんですよね。

ただ、そうしていると、それを信じてワクチン接種を受けずに COVID-19 に感染して亡くなってしまったり、その人は大丈夫でも周りに感染させて亡くなってしまう人が出ることもあるので、プラットフォーマーがしっかりと規制することも公衆衛生、特に現在のような緊急事態宣言下では重要なのかなと思います。

アメリカの話に戻りますが、
アメリカはすごく分断しています。

日本で生活していると多分わからないと思うんですが、本当にいろんな宗教、いろんな人種の方がいて、ある程度(集団として)まとまっているとは思うんですよね。

僕は中学校もアメリカだったんですが、社会の授業の前にアメリカの国旗に忠誠を誓わされるんですよ。僕はあまり誓いたくなかったので口パクしてるような学生だったんですけれども。

宗教からよむ「アメリカ」という本で、「アメリカは共通の過去を持っていないために、共通の未来についての意思を欠くと昔の民族的アイデンティティーに逆行してしまう国である」ということが書いてありました。

▼書籍:宗教からよむ「アメリカ」
https://www.amazon.co.jp/dp/4062580705
出典:Amazon

その共通の未来についての意思、信念、理想みたいなものである程度まとまっている国だと思うんですよね。

トランプ政権になった時に、もともとあった分断がより顕在化して現在の状況があるのかなと思います。トランプ政権がなかったらワクチンの接種率はどうなっていたんだろうなと感じることがあります。

峰先生も Twitter で紹介していた、The New York Times が作成した「Dying in the Name of Vaccine Freedom」という7分30秒くらいの動画がありますので、興味がある方はぜひ見ていただきたいと思います。

▼Dying in the Name of Vaccine Freedom
https://www.nytimes.com/2021/08/21/opinion/arkansas-vaccine-hesitant.html
出典:The New York Times

この動画には反権力のような方々が出演しています。
ワクチン接種を受けない自由の名の下に、COVID-19に感染した確か50代くらいの方が出演9日後くらいに亡くなっていたり、感染していても私はこの自由を自分で選んだということを話している方もいます。

ワクチン接種を受けないという選択をすることは、アメリカでの各種問題が浮き彫りにされているようで、すごく悩ましい問題だと思いました。

峰宗太郎
本当にその通りですね。
日本においても分断はあります。与党と野党では、ワクチンや COVID-19 に対する対策が明らかに違います。

聞いていらっしゃる中には野党の支持者の方もいらっしゃると思いますし、支持したいお気持ちはよく分かりますが、(感染症対策に関しては)ブレインを見ているだけでも、いかがなものかと思います。

私は大阪府の吉村知事についてもずっとそのように思っていたんですが、最近(ブレインが代わってから)まともになってきました。

ブレインって大事なんですよ。
(トップに立って)判断する人にとって大事なことは、正確な情報と、どのように考えたらよいかというロジックと理論なんですよね。そして正確な情報とは、情報源の大切さもさることながらその情報をしっかりと評価しなければならず、こういったことをすべて含めてリテラシーが重要だと思います。

リテラシーという1つの言葉で丸めますが、非常にいろんな側面があり、いろんな次元のある言葉だと思います。

また、受け手のリテラシーを上げること以外に防衛策はないと思っています。
メディアがよい報道だけをしてくれるように変わるということはありえません。メディアの中にもまともな人はたくさんいますが、まともな人だけで体制を作るということは大変難しいわけです。

政府だって常に正しい情報を出すとは限りませんし、正しい決定をするとも限りません。
情報というのは、近現代においては常に一番の武器なんですよね。

ですから、何を知って、何をどう考えるかを皆さんがしっかりしていかないと、いろんなところに弊害が出て、国の弱体化も招きますし、自分自身の安全も守れないことに繋がるんだなというのを最近非常に強く思います。

特にアメリカの状況を見ていると、切り捨てるのはかわいそうなんですが、無知な人が多いんですよ。生物の進化論を信じていなかったり、極端な話、地球は平面であると真面目な顔をしてデモしていたりします。ワシントンでもいるんですよ、そういう人々が。

そういう国は、リテラシーの形成までいけていないんですよね。
そういうことを考えていると厳しい現実があり、リテラシーというのは一朝一夕で、気分でなんとかなるものではないですし、生まれつきの才能として皆さんに備わっていることもありません。

自分は情報を読み取れている、私は正しい判断をしている、わかっている、直感で、私の感は冴えている、などと言っている人はたいてい間違っています。

基本的な考え方や情報の取り方を学ぶのは厳しい道ですが、何度でもしっかりと学べる機会を多くつくることが重要だと思っています。

情報との向き合い方も大事です。
もちろん受け手だけの責任ではなく、発信者やプラットフォームなどでもコントロールすることが今後一層大事なのかなと思っています。

情報について最近つらつらと考えていて、この周辺もまとめたいなと思っています。

とにかく言いたいこと、いろんなところで言っていることは、情報を追いすぎるのはやめた方がよいですねという話です。先日、安川先生、黑川先生もおっしゃってましたが、僕もそう思います。

今日も朝起きて情報をチェックして、新しいミュウだかポケモンだか知りませんが、なんか変異ウイルスが出てきたぞということで、私のマシュマロを開けたら「ミューはどうなんですかー?」という質問が10個や20個どころではなく来ているんですね。

そういうのはやめた方がよいですね。
新しすぎる情報に飛びついて何かを得られるということは、まずないんです。最初は不確定ですし、何が正しいかという評価が定まるまでには時間がかかります。

新しい情報を追いすぎて、自分が振り回されて結構ダメージを受けるわけです。
そういうことをするのではなく、ある程度固まって、コンセンサスがとれた情報でも遅くはありません。

もし緊急の情報で必要なことがあるとすれば、それはすぐに行動を変える必要がある情報です。たとえば「裏山が崩れかかってるぞ、緊急避難宣言だ!」という時に、この情報をとらばければ死んでしまうわけです。

そうではない状況で、家から出る必要はないのに、自分とは関係のない地域の河川があふれそうだとずっと騒いでいても疲れちゃうわけですよ。

このように必要な情報はどこかっていうのを見極めて、本当に本質的に必要で、最も重要な生命や健康に関わる情報は何であるかを認識しておいて、基本に忠実に基本的なことをやり、余計な情報に触れすぎないということも非常に大事だなと思います。

私の職場に「COVID-19 で疲弊しないために」という大きいポスターが貼ってあるんですね。そこの1つの項目に「情報を集めることをやめましょう」が書いてありました。断言されていました。研究所でもそう言われるくらいに、stay healthy、健康でいるためには、情報に振り回されない、疲れ過ぎないことは非常に重要だと思います。

医療の情報に興味があって、朝も早い時間から聞いていただいている2000人余りの方に向かって。私は今日「情報を集めるな」と言っているわけですが、基本的な情報を抑えて、あまりエッジのきいた新しい情報ばかりを追うことはやり過ぎない方がよいと私は考えています。

今日このくらいにしたいと思いますが、何かどうしても付け加えたいことはありますか?

岡田玲緒奈
インスタライブは引退しようと思います......。

峰宗太郎
いやダメです。
ちゃんおみ(編集注:尾身先生×りんたろーさんの対談でそのように呼ばれました)に勝つまでは続けてください。

岡田玲緒奈
いきなりフォロワー数で負けていますが。

峰宗太郎
いやいや、追い抜いてください。

岡田玲緒奈
頑張ります。

峰宗太郎
では、おしまいにしたいと思います。

今日は本当に内容がない話でした。
しかし、情報に対してどのように考えるかはCOVID-19 だけではなく今後皆さんが生きていく中で大変重要なことですので、ぜひそれぞれで考えて、よりよく生きられるようにしていただければと思っています。

明日はれおにいが面白いお話をしてくれます。
では、日本のみなさんに良い一日をお過ごしください。
ありがとうございました。

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