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誰に対して?どのワクチンで?いつ?3回目接種を行うのか議論しました(11月16日こびナビTwitter spacesまとめ)

こちらの記事は、2021年11月16日時点での情報を基にされています。

2021年11月16日(火)
こびナビの医師が解説する世界の最新医療ニュース
本日のモデレーター:吉村健佑


吉村健佑
おはようございます。こびナビ、朝のニュース解説、Twitterスペース始めたいと思います。今日は11月16日ですね、11月も半分過ぎましたが、今日の話題は3回目接種の話をしていきたいと思います。

なるべくわかりやすくシンプルな内容にして、この辺の話をこれから知るよという方にもご一緒についてきてほしいかなと思います。峰先生おはようございます。

峰宗太郎
おはようございます👶

吉村健佑
アメリカはいかがですか、今の感染状況とか、全体の雰囲気は?

峰宗太郎
アメリカの感染状況は全体として下げ止まっていて、やっぱり流行期が続いているという感じですね。

吉村健佑
そうですか。

峰宗太郎
コロナのニュースも結構されているんですけど、やっぱり子どもへの接種と3回目の接種が話題で、3回目の接種はいわゆる対象となってる層の中の2回目までちゃんと受けた人たちにとっては相当注目がある、かつ好意的に受け止められているようで、順調に進んでいるという感じなんですよね。
このいわゆる3回目打つ対象者のもう25%とか打ってしまったというぐらいですね、バンバン進んでいます。

一方でアメリカ全体で見ると1、2回目の接種さえまだまだままならない全然打ってないという方が沢山いるという状況です。

3回目の接種はその対象の人たちはすごくノリノリなんですけれども、一方で1、2回目を打ってない人にとってはもうワクチンなんていらないみたいになっちゃってすごく二極分化しているというニュースになってますね。


予防接種ワクチン分科会について

吉村健佑
ありがとうございます。感染状況の話から、3回目接種についての皆さんの反応までご紹介いただきました。

日本の状況もお話すると感染は相当収まっていて、県の対策本部によると「もう一桁の状況なので、病床の逼迫など今は問題ないよ」ということで、落ち着いている状況がここ2週間ぐらい続いている感じですね。

一方で諸外国に目を向けると、ブレイクスルー感染と思われるような感染者の拡大ですとか、ワクチン未接種の方を中心とした感染のクラスター発生などが見られているということで、今後日本の第3回目の接種がどのようになるかという注目がある中、昨日厚生労働省で非常に重要な会議がなされて方向性が出ております。

これは厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会という厚労省の会議でして、資料が広く公開されています。

こちら予防接種ワクチン分科会11月15日開催の第26回分の資料です。

これの資料2、全部で80ページ近くある資料が公開されていて、完成度の高い資料だと思います。

昨日の朝のNHKニュースを見ていたら、その中で接種対象者について注目が非常に集まったコメントがされていたのですが、今回のこの分科会での議論はそこだけにとどまらずにかなりいろんな論点が提示されています。
視野を広く、医療政策の状況を見ていただければと思います。

3回目接種の議論が中心だったのですが、誰に対して接種を行うか、どのワクチンを使用するか、いつごろ行うのかという、この三つの論点が整理されています。


・誰に対して接種を行うか

まず資料の前半30ページから40ページかけまして、ファイザー社モデルナ社等の、感染予防効果や重症化予防効果が、時間とともにどの程度低下してくるか、変化するかということを複数の論文を紹介しながら丁寧に説明しています。

全体でだいたい2回目接種6か月では50%前後に感染予防効果が低下している報告などが紹介され、それらのいくつかの論文から3回目接種の対象者を次のようにするという事務局案が提案されています。

まずは、重症化予防の観点から2回接種完了者全てに対して、追加接種の機会を提供するというのが大きな方針となります。

ですので、完了者全てが対象となり、その方々に対しては、年齢制限がありまして、18歳以上の者を予防接種法の特例臨時接種に位置づけると事務局で提示しています。

ちなみに今1回目2回目は12歳以上の方が対象となり、3回目接種は18歳以上ということですが、ここのギャップのところについてはまだ十分なエビデンスがないんじゃないかということで、18歳以上を3回目の対象としましょうと提案されてます。

また2回目接種完了した全ての方を対象とするのですが、重症化リスクの高い方、重症化リスクの高い方と接触が多い方、職業上の理由によりウイルス曝露リスクの高い方については特に追加接種を推奨してはどうかという言い方をしています。

この重症化リスクの高い方云々というのはまさに1回目接種の順位をつけたときの優先順位の高い方に該当します。

高齢者、医療従事者、そういった方々と接触する機会が多い方、基礎疾患のある方が対象となって、その方々に推奨を行うという事務局からの提示がされています。

推奨とは、具体的に何をするかといいますと、現在3回目接種についてのお知らせのリーフレットの案を厚労省が出してきてるんですね。
そのリーフレットの中で追加接種のお知らせと、次の方を推奨いたしますと先ほどの内容の方々を提示して、これらの方々は接種を検討してくださいねといった案内がされる案となっています。

今のところはこういった年齢と、対象とする方かなり幅広い方が対象となって3回目接種が開始するということになっています。
ちなみにまた後でロジスティックについては整理いたしますが、時期は12月1日から開始ということで、今から半月後ですね。

それらの方に対するご案内が始まり接種が具体的に始まるよっていうのが一つ目のポイントでした。

ポイントの二つ目は何のワクチンを使用するかですね。


・どのワクチンを使用するか

使用するワクチンについては現在日本国内ではファイザー社モデルナ社アストラゼネカ社の3種類のワクチンが承認されていますが、その内ファイザー社から3回目接種の申請が出され、その承認が先週11月10日、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)から出されたということで、ファイザー社の使用から始めていきます。

1回目2回目モデルナの方と1回目2回目ファイザーの方がいらっしゃいますね。

私もファイザー社のワクチンを接種しましたけれど、3回目の接種はそれらの会社についてはどうなるんだというところが注目されました。

資料を見ていくと、1回目2回目何の会社のものを打ったかに関わらず、メッセンジャーRNAワクチンであれば適当でないか、つまり1回目2回目用いたワクチンがファイザーであってもモデルナあっても、別の会社でもメッセンジャーRNAワクチンであれば使用可能という案が提示されています。

ちなみに議事録の公開は少し先になりますので、今日は事務局案という形で紹介しますが、概ね了承されたと理解しておりまして、それを前提にお話しています。

現在ファイザー社のみが3回目接種を許可されている状況で、1回目2回目がモデルナの方であっても3回目はファイザーの可能性もあることが厚労省の方針として出されています。

ただし、モデルナの使用についても申請が出ているところです。

ちょうどファイザーの承認の出た11月10日に、申請が出されたということで、これが速やかに承認されれば、ファイザーファイザーファイザー、モデルナモデルナモデルナというふうな接種の選択肢も準備されるよということになります。

ちなみに諸外国を見ていくと、例えばドイツですと同じ会社のものを3回接種するのが望ましいんじゃないかと声明を出したりしています。
多くの国々は併用接種も認めている状況なので、日本でも併用接種は妨げないという方針が出たと考えていいかと思います。

ワクチン接種の量は1回目2回目と同量の0.3mLと書かれています。同量を使うということで使用するワクチンが提案されたところでした。


・いつ頃行うか

吉村健佑
事前のニュースでも注目されていましたが、概ね2回目接種から8か月というこれまでの見解から、少し踏み込んで6か月でも良いという説明をしています。

背景から見ていきますと、9月17日に厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会においては諸外国の状況を考慮し、2回目接種完了からおおむね8か月以上後に行うこととしつつ、時期については必要に応じ適宜見直すという含みを持った見解を示しました。

その後、先週11月11日に PMDA が薬機法に基づく有効性安全性を審査した結果、ファイザー社ワクチンの追加接種の薬事承認がされ、接種期間については2回目接種から少なくとも6か月置くという PMDA からの見解が出ました。

これらの見解を踏まえ、8か月以上としていたこれまでのラインから、原則は2回目接種完了からおおむね8か月以上後のまま、地域の感染状況を踏まえ、自治体の判断によって6か月以上の間隔を空ければ接種許可としてはどうかしています。

ですので原則8か月ということですが、自治体の判断によって6か月での接種も許可ということで、2か月前倒しされたのが今回の報道と検討の内容となります。

2回目接種から3回目が固まってき、今、国は臨時の予防接種を行う期間と定めています。
正確に言うと新型コロナウイルス感染症の臨時の予防接種の実施期間というものを予防接種法で定めていて、それを令和4年、つまり来年の9月30日まで延長して、3回目接種がきちんと行えるまで、情報の提供や供給を行うことで希望する全ての方に3回目接種ができるようにするのが政府の方針とされました。

これから多くの方の接種の番が回ってくるということになるわけですけれど、実質的には最初に接種が進んでいる医療従事者ですとか高齢者の方から接種券が配布され、接種が進むということだと思われます。

いかがでしょうか、諸外国の状況に比べて国内ではこういった案で議論されています。
コメントや思うところありましたらぜひいただければと思います。

峰宗太郎
よろしいですか👶

吉村健佑
峰先生どうぞ。

峰宗太郎
いやすごく日本スムーズだし、なんていうか事務局もパッと筋が通っているように聞こえる推奨をしてるなと思うんですけど、実際に外国を見てると、まずはこのブースター接種そのものが、本当に全員に3回目を推奨することにするほどの強いエビデンスがあるのか、何を持ってエビデンスから推奨に繋げる枠組みを作っていくかということをすごく議論しているんですね実は。

つまりその感染予防効果、発症予防効果っていうのは確かに時間とともに下がるであろうということがほぼ確実になってきているということと、デルタ変異ウイルスもあるということ、それから医療従事者などの曝露履歴が非常に高くなる可能性のある人では、やっぱり感染者もだんだん時間と共に増えてくるよねということから、ブースターショットをやることの、必要性とまでは言えないまでも、まず合理的な部分については多くの人がエビデンスで了解してると思うんですね。

ただし、重症化予防効果についてはあまり大きな低下がないのも事実で、65歳以上の方とか免疫不全の方とかだと結構下がるっていうことがわかるんですけど、若い人、特に65歳未満であまり下がってるっていうデータがそれほどないってのも事実なんですよね。

なので、もちろん限られた人に3回目接種をしていくことは、重症化を防ぐためにはとってもいいと思われるということで、そういう推奨の仕方に傾斜させようっていうのは結構ACIP(Advisory Committee on Immunization Practices/予防接種の実施に関する諮問委員会)なんかの議論なんかを見ててもレコメンデーション、ワーキンググループのインタープリテーションの辺りにも書いてあったりするんですよね。

ところが、そういう議論の過程というかちょっとした逡巡というか、どうやってそのエビデンスの強さを読むかみたいなことはとりあえず置いておいて、全員に推奨をしちゃおうぜっていうことを言ってるのは今のところイスラエルと日本かなということですね。

やはりワクチンの力をかなり強く信じているというところと、やはりワクチンで感染予防までしっかりやって、完璧な防御が強ければ強いほど、いいことはいいよね。っていう前提があるのかなっていうことをすごく感じますよね。

それは1回目2回目の接種がすごくうまくいってるっていうことと、やはりどちらかというと、日本人って結構やっぱり厚生労働省とかもワクチン推奨するのが好きなんじゃないかっていう雰囲気さえ感じるようなところがあるので、外国、特にアメリカで行われている慎重になっている議論との温度差を感じるなっていうのが唯一の言いたかったことなんですが、そこまでにたどり着くまでにこれだけ説明を要しました。

吉村健佑
背景のところからご説明いただきましてありがとうございました。

おっしゃる通りで、確かに日本の3回目接種のこの推奨の状況はスムーズだと思います。

背景として1回目2回目接種がこれだけ広がって関心も高い、ないしはワクチンに対する信頼が高いと思います。
日本は1回目2回目の時に少し遅れてスタートしましたから、諸外国は8月9月頃から3回目接種が始まっている状況の中、その様子を見ながら、科学的エビデンスの発信を見ながらやっていける、情報量が多いことだと思います。

現在8か月から6か月程度ということで、かなり幅広の方を対象とした接種計画になっていると思われます。

個人的には前向きにこの全体の状況を捉えていて、3回目接種が円滑に進み、有効性安全性が示されている範囲で進むのはいい事かと思っています。

いかがでしょう他のスピーカーの方々、日本の3回目接種について、まず何かコメントとか質問とかございますか。


4回目接種について

前田陽平先生
おはようございます。前田です。
もう本当峰先生のお話もすごく勉強になりましたし、吉村先生のお話も整理していただいてありがとうございました。

やはりその感染予防効果まで考えると3回目接種のメリットが大きいっていうのは、多分多くの方が認めるところかなと思います。
実際に打ち始めるのが12月からってことになってくると、今日聞かれてる中にも現場の接種に関わるような医療従事者の方もたくさんいらっしゃると思いますが、多分多くの方に質問されちゃうのが、これまた半年経ったら4回目を打たなきゃ駄目ですかってことなんですけれども、その辺について現時点のエビデンスでどう考えてどう説明するのか妥当だと考えられますでしょうか?

ちょっと僕すみません最近論文キャッチアップしていないので恐縮なのですが、3回目の接種だと2回目までと比べて一気にぐんと抗体が上がるっていう話がたしかあったと思うので、ずっと半年ごとに打たなくていいんじゃないかなっていう感じはするんですけども、その辺も踏まえて皆さんどのように説明されるとか、ちょっとシステムの話じゃなくて恐縮なんですけどもしわかる点があれば教えていただけると嬉しいんですけど、どうでしょう。

吉村健佑
ありがとうございます。昨日のワクチン分科会の資料の中にはその4回接種についての言及はないと理解していて、現時点で議論にするような十分なエビデンスはないかなと。

いかがでしょう、諸外国ですとか、他の知見なんかでこのあたり4回目以降についての何かコメントないしは議論、ACIPなどでも出ている点とかありますか?

何か情報ありますか。これはまだ厳しいですか?

峰宗太郎
ちょっと事情があって調べてたんですけど、4回目はイスラエルでさえもまだ言及していなくて、今後がどうなるかっていうのを追っかけてみて3回目以降の効果の減弱がどのぐらい来るかっていうことによるのかなっていう感じですよね。

吉村健佑
そうですね。ここはまだなんとも言えない。

木下喬弘
これはですね私自信を持って議論を拒否します🔥

吉村健佑
なるほど(笑)

前田陽平先生
何!?ドヤ顔で!?(笑)。

木下喬弘
どういう意味やねんって?(笑)。

いやこれマジでむずいっすよ相当。

前田陽平先生
やっぱり要するに、ここにこれだけのメンバーが揃ってても、今の段階で議論できるほどのデータはないという、そういう状況ということなんですかね。

木下喬弘
イメージとしては普通のワクチンみたいに子供のときに3回打って、大人になって抗体が切れてきたらブースターみたいなのが20-30年後の落としどころっぽい気もしなくはないんですけど、4回目いるのかどうかとかめちゃむずいっすね。

3回目はなんだかんだ言って必要だと思いますけどねみんな。

前田陽平先生
やっぱり結局3回打ってついた抗体がどれぐらいもつのかっていうことについての知見がちょっとまだほぼないからそこは難しいよねということですかね。

木下喬弘
そうですね、やっぱり周囲の流行状況にもよるしね。

前田陽平先生
そうですよね、この流行状況がどうなってるかっていうところも読めないし、わからない部分があまりにも大きいかなっていうところですね。

ただ3回打っておけばとりあえずしばらくは感染予防効果も含めて安心だよねってところで理解していっていいでしょうか?

吉村健佑
前田先生ありがとうございます、4回目接種について今のような状況で、何か話しても推測に過ぎないと思っています。

おそらくイスラエルをはじめとする先行する国々から知見が出てくると思いますけれど、まずは3回目接種のセッティングとその情報提供が重要と思いました。

他にコメント質問ある方いらっしゃいますか。

谷口俊文
イスラエルのブースターショットについてのランセットの論文を見ていて、やっぱりイスラエルで2回接種が終わった時点でかなり感染者数が少なくなって、それでまた7月ぐらいからバーッと一気に増え始めて、そこから3回目の接種が進みました。

その後3回目の接種をすすめたからまた波が収束したのか、それとも別の、感染対策とか別の要因の合わせ技で収束したのかっていうのがちょっとよくわからないなと思っています。

私は結構3回目の接種をしたから収束したんじゃないのかと考えていますが、何かそのあたりイスラエルの感染者数の動向とかと、ブースターショットの関係をどう考えたらいいか、何かご意見とか伺ってもいいですかね。

吉村健佑
谷口先生ありがとうございます。

少しだけイスラエルの状況を補足しますと、去年の12月頃に1回目、今年の1月頃に2回目をやっていて、約7か月を経て追加接種を8月ごろから開始しているということで、今から3か月前ぐらいから3回目接種をやってます。

種類に関して、イスラエルでは1回目2回目ファイザー打った人は3回目はファイザーがいいねと推奨している状況だそうです。

この感染の波との関係はちょっとわかりかねるのですが、何か皆さんコメントありますか。

木下喬弘
やっぱこれは物理的距離が一番の近い遠藤先生がよく知ってるんじゃないかなって🔥

遠藤彰
いやもう振られたら嫌だな〜って思って聞いてたんですけど(笑)。

ちょっと地理的な距離にもかかわらずイスラエルの現状をそこまでちゃんとフォローしていなかったのですが、ブースター接種がどれぐらい進んでるかどなたかご存知ですか。

木下喬弘
今安川先生が調べてます!

遠藤彰
ただ想像で物を言ってる感じになって全然あれなんですけど、ブースターも高齢者から始まって、いわゆる感染を広げやすい若年層に届くまでに少し時間がかかるのかなとは思っています。

死亡者だったり重症者が減ってきてるのはおそらくブースターの効果がかなり大きいんじゃないかなと思いますが、流行自体が治まってきてることは、もちろん一部ブースターショットの効果もあるんですけども、それプラス個人の行動変化、やっぱり1回緩めすぎてちょっとまずいなっていう部分もかなり入ってきて、その合わせ技ってことなんじゃないかなと想像はしています。

でもこの後で実はもう若年者もほとんどブースター接種まで終わってますって言われたらもう今の発言はなかったことにしてくださいって思ってます(笑)。

木下喬弘
イスラエルってほとんど感染対策する気がないっていう話を、なんかちょっと聞いたことがあって、でもそれわかんないですよね。

感染対策の程度って測定するのが難しいと思うのですが、日本でも第5波が明らかに感染対策のおかげで減ってるけど、それを言ったら可視化するのが難しくて何で減ったかわかんないみたいなことみんな言ってるわけじゃないですか。

なんですけど、イスラエルは2回接種が終わった後に感染数が拡大していっても、あんまり対策の強化をせずに3回目に踏み切ったというところで、この現象に一定程度ワクチンの接種が寄与してるんじゃないかという予測を立ててるんですけど、そろそろ安川先生がイスラエルの3回目接種の現状についてコメントしてくれると思ってます。

峰宗太郎
安川です👶

安川として言っておかなければいけないのは......最近事情があって調べたんですよ。
僕が調べたのは先週の時点でブースター総人口の45%くらい。だからもっと進んでるのかもしれないです。先週の数字じゃなくて、先週調べられた数字でそんなんだったんですね。

遠藤彰
それだけ打ってると結構流行に影響を与えそうなはずですよね。

サードブースターの効果、2回接種者と比べて80%とかそういう感じだったと思うので、発症予防の効果は実績があって、でもおそらく感染予防効果もかなりあるんじゃないかなというふうに思うので、単純に接種率が半分くらいだと思ってもそれだけでその増加が減少に転じても全然おかしくないっていう感じですよね。

谷口俊文
僕はこれ、一つ面白いなと思うところがありました。

ランセットをちゃんと読みこなしてるかどうかわかんないのですが、年齢順に打っていて、その年齢層の接種を開始してから、順繰りに感染者数が減っているみたいなグラフがあって、やっぱりそれなりの効果があるのかなと、結構ブースター接種に関しては本当にやったらいいんじゃないかなというふうに思っています。
こういったイスラエルとか先行している国は本当に参考になるなと思っています。

おそらく3回目接種でどれぐらい抗体が維持できるかっていうデータも、イスラエルから出てくるんじゃないかなというふうに思ってますし、こういうのは非常に参考になりますよね。


ロジスティックの話

吉村健佑
谷口先生からの問いかけにみんなで答えた形ですけれど、おっしゃる通りこの先行する国々の状況を見ながら日本での意思決定になっていくと思います。

ここでロジスティックの話を追加しておしまいにします。

ワクチン担当の堀内大臣は先週の時点でこういった声明を出しています。

まず希望する全ての方が受けられるようにワクチンは準備します、そして職域接種も実施します、とおっしゃっています。

これまで3回目の接種については接種券を配布した自治体が、個別接種をするか集団接種をするか決めていく話だったのですが、そこに加えて職域接種の実施ということで、また産業医の先生とか各会社の産業保健部門がちょっとお忙しくなるかなと思います。

いつ頃接種のピークが来るかなんですけれど、8か月後に接種可能な場合、ピークは来年の2月頃には1日60万回ペースでの接種が必要とか、来年の3月にはそれがさらに上がって、80万回ぐらいの接種が必要という予測を挙げておりました。

接種の希望者がどれぐらいかなどで、左右はされますけれど、来年の2月から3月頃に接種の順番が回ってくる方が多いと思います。

これが6か月も可となった場合、少し前倒しになる可能性もありまして、日本では年明け1月2月頃から周囲の方がどんどん打っていくというふうな環境になる可能性が高いと思います。

もう一つ最後に供給の目処なのですが、2022年の1月からファイザーについては日本国政府が1.2億回分、もうほぼ全ての国民をカバーするような回数のワクチンを確保したとのことです。

さらに5000万回分のモデルナ社のワクチンの確保も来年行うと。

また追加で書かれてたのですが、ノババックスから技術提供を受けた武田製造のワクチンについても1.5億回分の準備をするんだということで、日本国政府としては3回目接種だけ見ていけば十分量のワクチンの確保ができているとアナウンスメントされています。
ただし先ほど議論のあった4回目以降の使用をするなど、どうなるかというのはありますが、まずは3回目打つ分については問題なく打てます、という環境を作ったようです。

私自身は当然順番が回ってきたら打ちたいというふうに思いますし、皆さんが十分判断できるような情報も提供したいと思います。

皆さん、そろそろまとめますがコメントありますか。

峰宗太郎
3回目の確保、誠にめでたいというのは私の感想ではあるのですが、一方 WHO がしている話とか、CEPI(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations/感染症流行対策イノベーション連合)とかGAVI(Global Alliance for Vaccines and Immunization/ワクチンと予防接種のための世界同盟)とかどこに行っちゃったんだっていう話が世界的には出てきているんですよね。

つまり、先進国が3回目までの確保をかなりやっきになってやりだしているのは事実。
これももちろん先進国での流行を止めるという意味においては大変に重要なことなのですが、一方でいわゆる発展途上国に回すワクチンがかなり減っているということと、接種が進んでいない状況があるのは事実なんですね。

ここについて日本国内でも議論されない状況になっているのですが、やはりどこかで日本も国際貢献を考えて外にワクチンを出すっていうタイミングが来るんじゃないかなと僕は思ってはいるんですよね。これだけ確保してると、最後の方でどうしても絶対余ってくると思うんですね。

そのときにどういうふうに今度は国際貢献できるかっていうことも考えないと、日本も鎖国して生きて行くわけにもいかないので、そこも考える段階にあるのかなとは考えて聞いてます。

吉村健佑
これも非常に重要な視点で、政府の中で昨日の検討会の中の73ページに、新型コロナウイルスワクチンによる国際貢献についてスライドが1枚入っています。

まさに峰先生のコメントに対して答えようとしてるんじゃないかと思うんですが、内容を見ると直接協議を行った国が台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ブルネイ合わせて2000万回分近く無償で提供し、あと COVAX(COVID-19 Vaccines Global Access)ですね。

COVAXファシリティを通じてカンボジア、ラオスなどに合わせて1126万回と書いていて、合計3000万回分の供給を日本国政府として行いましたと、アピール的なとこもあるかもしれませんが、情報提供も参考資料の中に入っておりました。

国際的な枠組みの中でどうい動いていくかということも重要な視点だと思うので、引き続きこの辺は WHO の声明などもウォッチしていきたいと思います。


こびナビ世界進出

木下喬弘
お金で買ったワクチンを他の国に譲るのが国際貢献というのはどうなのかって気がするっていうのと、あとアフリカとかにワクチン供給をしても、何者かわからないから従わないといって返すっていわれたっていうニュースとか目にしててですね。

やっぱそのものだけじゃなくてワクチンの技術の背景にある知識とか情報提供も捻出しないといけないということで、やはり吉村先生がアフリカに行って頂いて、アフリカ版こびナビを設立していただいてですね、情報提供していただくってのが大事なんじゃないかなと思います

吉村健佑
ありがとうございます。こびナビインターナショナル説がまことしやかに(笑)、冗談ですが出ていますね。

峰宗太郎
もちろん今の楽しいお話の部分があるのも事実なんですけど、実はちょっと厚生労働省の技官ではない本庁のお役人の方とこの前ちょっと雑談をしました。

日本でワクチンがこれだけうまく進んだ理由は何だろうっていう話なのですが、そこにこびナビとコロワくんくんサポーターズの名前が出ておりまして、民間のそういう団体が情報提供したということがあったかなかったかが、日本とアメリカの差の少しには繋がってるんじゃないかって考察をちゃんとしてくれてるようなんですよね。

やっぱり情報提供活動は非常に需要で、これも法的セクターだけが一生懸命頑張ってるアメリカでもなかなか進まない、これは文化的背景の差なんかももちろんあるんですけれども、しかし、民間の中からこれだけ情報提供してきたっていうことは、ノウハウとしてやっぱり今回他国にも伝えていいんじゃないかなってことはかなり思うんですよね。

なのでもう学術論文って形だけじゃなくてなんかこういう活動をすると実際接種率に影響するかもねっていうことがいえるといいなと思いながら聞いてたので、あながちアフリカとかアジアの国々に、こういう活動もできるもんだよっていうのを伝えていくっていうのはね、Taka先生いいんじゃない、次のライフワークとしてやってみたら👶

木下喬弘
一応ボストン大学で来週講義するっちゃするんで、若干こびナビがアメリカ上陸します🔥

以上です。

吉村健佑
それは面白いですね。

谷口俊文
ボストン大学すごいですね、うらやましいなと思います。

これは千葉大の大学祭のときに話したネタなんですけれども、やっぱり JICA(Japan International Cooperation Agency/独立行政法人国際協力機構)の人と話したら、ワクチンの供給があっても誤情報がすごく出回っていて、打ちたがらない人がかなり多くて、その間にワクチンの消費期限が来てしまって、結構廃棄してるって話も聞いてるので、こびナビのモデルっていうのはすごく興味をも持ってる人が多いということは事実だなと思って聞いてました。

吉村健佑
なんかすごいですね、朝から元気の出る話ですよね。皆さんからそういう評価いただけるところが嬉しいですね。

木下喬弘
とりあえずカカオトークか何か登録して、ハングルから攻めますか。韓国の若年層の接種率めっちゃ低いらしいし。

吉村健佑
当初活動の中でこびナビの資料は外国語に翻訳した方がいいという話もありましたね。

谷口俊文
僕、韓国人の方からどうやったら若年層の接種率上がるかっていわれて、インフルエンサー使えって言ったきりになっちゃったんですけど、やっぱり悩んでるみたいですね。

吉村健佑
すごいですね今日は、国際的な話ですね。

安川康介
すみません、6時半になって子供の面倒を見ながら聞かなきゃいけないということで結構厳しくて、お風呂入れてご飯食べさせながらイスラエルのやつ調べてたんですけど、44%っていう数字がありました。

ブースター接種に関して言うと僕は峰先生と同意見ですね。

闇雲に進めるんじゃなくて、科学的な視点から情報提供をやっていうことがすごく重要だと思うんですよ。

イスラエルのデータを見ると、感染予防効果、発症予防効果が上がるっていうのが、短期的にはわかっている。

3回目接種に関しては免疫機能が低下した方とか高齢の方では、死亡を下げるという意味でやった方がいいってことあるんですけども、果たして現時点で本当に全員に幅広くやる必要があるのかっていうのは丁寧に議論していかなければいけないなと思います。

併用接種に関しては、1回目にファイザーだったりアストラゼネカを打って、2回目にファイザーを打ったりというのはある程度データがあるんですけれども、ブースターに関しては、その1,2回目と違うものを使った場合っていうのはそんなにデータがありません。

50人ずつにやったっていうのがあるんですけども、やはりそんなにデータがないということです。

副反応に関してもそこまでデータが蓄積しているわけではないので、そこら辺はしっかり情報共有して進めていかなければいけないなというふうに思います。

吉村健佑
安川先生ありがとうございます。コメントをいくつかポイントでまとめてお話いただきました。今日はスピーカーにアメリカ勢が多いんですけれど、日本はそろそろお仕事が始まると思いますので、まとめていきます。

3回目接種については、今安川先生のコメントがあった通りエビデンスをどうとるか、そしてどういった推奨を出していくかは見ていく必要がある。

また諸外国の状況も踏まえ、外国に対する情報発信もというふうに展開していきましたけれど、先行している国から学ぶことができるというのはチャンスだと思いました。

ちなみに昨日の会では5~11歳の小児に対する接種の安全性有効性の議論や、木下先生が取り組んでる HPV についてもかなり重要なディスカッションがされています。


祝・出版

吉村健佑
最後に私からアナウンスメントなんですけど、木下先生が11月26日に本を出されるんですね。

「みんなで知ろう! 新型コロナワクチンとHPVワクチンの大切な話」私、Amazonで自腹を切って3冊予約しました。中身を楽しみにしています。

木下喬弘
ありがとうございます。

いやもう本当にいよいよ出版近づいてきまして、終わりにっていうところでいろんな方々に謝辞を書いたんですけど、そこにもしかしたら HPVワクチンの積極的推奨は出版される頃には決まってるかもしれませんって書いたら本当に決まってましてですね、そのタイミングで書いたっていう、そういう意味で結構タイムリーな本になっております。

本当にこの数か月全精力を注いで書いて、科学的な話だけじゃなくて皆さんに面白いと思っていただけるようなエピソードがたくさん入った本になってると思いますので、ぜひ手に取っていただければと思います。

こびナビにも送らせていただきますので、千葉大学には何かすごく買っていただいて本当にありがとうございます。

吉村健佑
こびナビ吉村の医療政策ニュースTwitterスペースはこれでおしまいとしたいと思います。

では今日も私もお仕事頑張りたいと思います。皆さん1日をお過ごしください、お聴きいただきありがとうございました。

じゃあね、バイバイ👋




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