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感謝と称賛の効果の違いとは? ~読書レビュー『感謝と称賛』#10~

こんにちは。紀藤です。さて、先日より『感謝と称賛』(正木郁太郎 (著))書籍からの学びを共有させていただいております。本日も続けます。(たぶん、あと3回くらい続きそうです)

改めて、私の興味のど真ん中である学び多き著書と出会わせていただいたこと、また引用させていただき、著者の正木先生に感謝でございます。

さて、本日は第8章より「感謝と称賛の効果の違い」について考察をされていました。前回の記事でもお伝えした「PRAISE CARD」の調査をより深堀りした内容になっています。

結果をお伝えすると、「”称賛すること”は”感謝すること”以上にポジティブな影響を与えうる」というお話です。ということで、早速内容を見てまいりましょう!


「感謝と称賛の効果の違い」を調べる

さて、以前の記事で「PRASE CARD」を用いて、「称賛の介入」をしたB社の事例を紹介しました。(詳しくはこちら↓↓)

要は、「PRAISE CARD」という29種類の称賛・感謝・挨拶が表現されたカードを通じて、従業員同士で送り合う仕組みです。

PRAISE CARDなので、「称賛」が中心になっていますが、29種類のうち、21種類が「称賛」で、6種類は「感謝」、そして2種類は「挨拶」を表す内容になっています。

そこで、「”称賛”のカードを送った人/受け取った人」「”感謝”のカードを送った人/受け取った人」「”挨拶”のカードを送った人/受け取った人」が、それぞれ望ましい態度・行動(主体的行動・援助行動・越境行動など)とどのように相関しているのかを調べたのでした。

「称賛のカードを送った人」と「感謝のカードを送った人」で、「望ましい態度・行動との相関の違いを分析」すれば、「感謝と称賛の効果の違い」が想定できるはず・・・!ということですね。

研究の結果_わかったこと

さて、以下主にわかったことについて、ポイントをお伝えします。

(1)「感謝」の”受信”は、より多くの望ましい態度・行動と相関がある

「感謝のカードを受信」は、「称賛のカードを受信」(挨拶のカードも同じく)に比べて、より多くの望ましい態度・行動と相関があることがわかりました。
 具体的には、感謝される頻度が多いほど、「主体的行動・援助行動・越境行動」が高く、「視点取得、自己理解、他者理解」など対人関係を表す指標も高い傾向がありました。
 たしかに、「感謝される人」は、それらの行動をすることは、想像通り、とも言えそうですね。

(2)「称賛」の”送信”は、多くの望ましい態度・行動と相関がある

次に興味深いのは、送信についてです。受信では「感謝のカード」のほうがより多くの望ましい態度・行動と相関がありましたが、逆に送信では「称賛のカード」のほうが感謝の送信より、より多くのポジティブな影響がありました。
 具体的には、称賛カードの送信は、「援助行動・越境行動・チームワーク」と正の相関があり、「主体的行動・視点取得・他者理解・ワークエンゲージメント」が高い傾向があることがわかりました。


P186 

まとめ

そして、これらのデータを分析した結果の考察として、「称賛の意義」が述べられていました。以下の3つです。

1,利他性(援助行動)
2,主体性(越境行動、特に積極的な交流)
3,対人関係(チームワークの良好さ)

「感謝」も「称賛」もこのようなポジティブな効果があることがわかると、より実践の意義がわかるように感じた次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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