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【レポート】江島獅子振り・江島法印神楽(おながわみなと祭り2024)2024.07.28


江島獅子振り(海上獅子舞)

先日、7月28日は宮城県女川町の「おながわみなと祭り」が行われました。その中の催しの一つの「海上獅子舞」に参加する江島獅子振りとご縁をいただいてお手伝いをさせていただきました。

参加のきっかけについてなどはこちらの記事にて書いてあります。

予想を超える展開へ

全部で3回くらい稽古に参加させてもらい、獅子の段取りと中の役割、交代の仕方などをある程度身体に染みてきた本番1週間前の最後の稽古。
急遽「かっつぎ舞」の合いの手の先導をやってと言われ、少しパニクってしまっていました。
(かっつぎ舞:獅子が舞う前に舞手や関係者が時計回りに輪踊りをして場を清めるとされる舞い)

入るタイミングや、一箇所別の合いの手を入れて変拍子になるところ、そこからの戻り方など、囃子の繰り返し、そして詠歌の流れに合わせるということが何となくでしか身体に入っていない状態で。

もともとは、ステップ覚えて保存会の方の先導についていって合わせながらみんなで合いの手入れてもらえばいいから〜と、割と軽い感じのノリ。その上僕は舞の方のステップがなかなか上手く踏めず本番までには基本はしっかり踏めるように頑張ろう!くらいに思っていたら、まさかの先導。

これは絶対迷惑をかけてしまうと思い、結構強めに「できません!」と、言ってみたものの、保存会の方も引かずそのままの流れでやることに。

それから本番当日までYouTubeを見て、ある程度のパターンとタイミングを見つけて、こうかな?と家で練習したりイメトレしたりしましたが、不安が残るまま本番へ。

本番前最後の稽古

海上獅子舞本番、そして誕生日

7月28日、本番当日。例のかっつぎ舞のことがとても気がかりで移動中もひたすらYouTubeの音を聞いてイメトレ。信号待ちは発声練習(笑)

集合場所に着くと保存会の皆さんは大幟や大漁旗を上げる為の竹を切りに出かけているので、しばし漁船を出してくれる方と待機。待っていると続々とメンバーが集まり、竹を積んだ大型トラックも入ってきて作業開始。

大幟を見て初めて知りましたが、江島の神社は栄存神社と久須志神社。
獅子振りを手伝うことになってから江島について色々と調べた時に石巻の牧山にもある栄存神社。栄存法印(法印=修験者)が冤罪で江島に流罪になって、その後罪を着せた笹町家、石巻の湊地区と色々とあるのですが。
江島にも栄存神社があるんですね。

(栄存法印や栄存神社、湊地区のアレコレについては、また別の記事にもう少し勉強してから書いてみようと思います)

他の団体さんもどんどん大漁旗など飾りを終え、いつの間にか囃子の練習などを始めて賑やかになってきました。
出港直前に、保存会の別の方が
「かっつぎの始めは俺が先導して途中で抜ける時に代わってもらう感じで行こう」と天の一声があり、助かったぁぁあぁ!と、一気に気分が楽になりました(笑)

海上獅子舞の時間になり9隻の船が順番に出港して湾内を周り岸壁にいるおっ客さんに船上で獅子舞を披露。それを2周。船上での囃子の小太鼓パートは僕と別の助っ人の山田さんで回していくことに。やっぱり太鼓は身体が馴染んでいるのでテンション上がってきました。

上陸して、太鼓などの道具を船から降ろし、茣蓙を敷いて合図と共に各団体が一斉に陸上での獅子舞演舞を開始します。本当凄い熱量のある空間。

お客さんから「ユッキー!」と呼ぶ声がしたのでキョロキョロ探すとと、雄勝味噌作の獅子舞や荒浜磯獅子踊りの再生活動を一緒にやっている山下進さんが奥さんと見物へ来てくれていました。

写真:山下進さんより

かっつぎ舞も一生懸命やり、なんとか乗り切り、獅子振りへ。
僕は「一番幕」の役割で、他の人と交代交代で幕を揺らして演出。

写真:山下進さんより

陸上での披露も終え、道具を船へ積み込みまた元の港へ戻り、荷物と大漁旗の撤収をして無事に終了。

借りていたメンバーTシャツを畳んで返そうとすると、持っていて良いよと言われる。記念?と思ったら、「それ、来年も予約ってことだから!」と。そう言ってもらえて嬉しい。来年までかっつぎ舞、ちゃんと練習しておこう。お囃子も覚えたいな。

お正月の春祈祷も誘ってもらったのですが、1月3日で雄勝の味噌作、大須とも日程が被ってしまっているので春祈祷は行けないのが残念。こういう時こそ身体が2つほしいです。

江島保存会公式の記録動画

記録動画(四倉視点)

余談:偶然のご縁

本当に余談なのですが、仙台からあるご縁で助っ人にきていた山田さん。話をするとどうやら音楽をやっているらしく色々と盛り上がり、自分はアンビエント系をよくやっているよと話をすると。

「アンビエントだと宮城でCoupieっていうユニットあるんですが知っていますか?」

と、聞かれてびっくり。それ、僕です。
話を聞くと、Apple Musicで良いなと思って聞いてくれていたとのことで、本当偶然にも一緒に女川で獅子舞の手伝いをするとはお互いびっくりのご縁でした。Coupieはなかなか制作や活動は、レアな自然現象並な発生率ですがどうか末永くよろしくお願いします。
相方のcobiさん、僕のそれぞれのソロ活動もよろしくお願いしまっす!

↓山田さんが好きな曲
Coupie - タンポポ(feat. fjordne)

江島法印神楽(演目:笹結)

海上獅子舞も終わり、撤収作業をしてから間もなく江島法印神楽の演舞。
さっきまで一緒に獅子舞をやっていた人たちが今度は神楽と大忙し。
演目は「笹結び」で、雄勝の法印神楽でもお馴染みの演目なので、楽しみ。

演目が始まると、囃子もどことなく雄勝や女川(北上町の方の)とも似ているけれどまた違う独特なもの。

獅子振りの稽古の時に少し話を聞くと、江島法印神楽の始まりは大正時代に登米の上町法印神楽の人に習って神楽を覚えて、その後の昭和の再生期に桃生の寺崎法印神楽から習って、混じったのが江島の神楽という話を教えてくれました。

とても興味深いです。是非また見に行こうと思いました。

江島法印神楽保存会は絶賛会員募集中だそうです(獅子振りも)

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