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ダイナミックなジャズといえばエラとベイシー楽団のこの一枚!

Larry Collinsが亡くなってしまった。
Larry Collinsは50年代TV番組Town Hall PartyでJoe Maphisと一緒にギターを弾きまくっていた超絶テクニックを誇る、カントリー・ロカビリー界隈で現存する最もかっこいいギタリストであった。

彼の姉と一緒にやっていたCollins Kidsというデュオ名義で活躍していたので、ロカビリー好きにはその名前で知られているかもしれないけれど、Kidsでなくなった後も、一緒に活躍していた。ダブルネックギターを駆使して、カントリーリックをどんどん繰り出す速弾きは物凄いものがあった。

彼の追悼記事を書こうかとも思ったが、Larry Collinsは偉大すぎて、彼の死について何を書けば良いかもわからないので、今朝聴いているカウント・ベイシーとエラ・フィッツジェラルドのアルバムについて書こうかと思う。

カウント・ベイシー楽団には、今まで数多くの専属歌手が在籍しており、彼等、彼女等のボーカルもそれぞれカウントベイシー楽団に相応しい素晴らしいものであったのだが、エラ・フィッツジェラルドが客演しているこのアルバムは数多あるカウント・ベイシー楽団の歌物のアルバムの中でもピカイチの作品であると思う。

ベイシー楽団はもちろんインストロメンタルのジャズをやらせても世界一のビッグ・バンドだと思うけれど、歌伴をやらせると、その凄さがひしひしと伝わってくる。

あの、完璧なダイナミックス、タイトなアンサンブル、フレディ・グリーン率いるのリズム隊のスイング感が歌を引き立たせる。特にエラ・フィッツジェラルドのような名手は、歌だけでカウント・ベイシー楽団と対等に勝負できるパワーがあるので、そのコントラストが私たちを楽しませてくれる。

カウント・ベイシーといえば、エラ以外でもシナトラ等との共演盤も有名で、あれもあれで名盤なのだけれど、歌のパワーを感じさせてくれるこのアルバムはカウント・ベイシーを語るにおいては必聴盤であるとすら思う。

また、このアルバムの録音メンバーも黄金時代のベイシー楽団だということが嬉しい。
ベイシー楽団の歴代メンバーには超名人が何人もいるので甲乙つけがたいが、この時代のメンバーがある意味最もダイナミックでエンターテイメント性もあり、スタープレーヤーも揃っていて贅沢であると思っている。(まあこれには人の好みもあるとは思うけれど)

収録曲もスタンダードナンバー揃いなのも聴きやすくて良い。

カウント・ベイシー楽団、何から聴けば良いやら、迷っている方はこういう一枚から入門しても良いと思います。
難しいことを考えずに楽しめる一枚です。

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