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しくじらない病棟実習

お世話になっております。医ノ中ノ蛙(弟)です。今回は実習で意識していることを自分の体験を踏まえて執筆させていただきます。学年平均をとりたい人向けです。


注:大学や診療科によって実習内容、ルールが大きく異なることがありますのでその点を了承していただけると幸いです。

このnoteが皆様のお役に立てれば光栄です。

予習は授業のレジュメを使え

多くの方は次の診療科に向けてある程度予習すると思います。

そこで何を用いて予習をするか悩む方も少なくないと思います。

実習始まりたての当時の私は国試予備校のテキストのみで軽く予習していました。ここで一つ落とし穴がありました。

教員は国試の知識はもちろんのことその先を聞いてきます。

自分の経験として関節リウマチについて、病態の概要は答えられても診断基準が答えられないなどがありました。

これらに対応するために医学書、参考書を読み込むのも一つの方法ですがなかなか時間が取れません。

そこで大学の講義で配布されたレジュメを用いて予習を行うことを推奨します。

レジュメは教員が伝えたい事、臨床現場で用いている知識が記載されています。よって教員が聞いてくる知識、実習で用いる知識はほぼ全てレジュメにあると言っても過言ではないです。

実際に「俺が教えたこと覚えている?」「前扱ったレジュメ読んできた?」と実際聞かれることがあります。そう聞かれたら、はい読みました!と堂々と答えられると好印象です。

Don’t:予習しないで実習を迎える
診療科によってでしょうが初日からいきなり「先生、問診とってみようか?」、「この検査結果だとどこが異常?」とがつがつ聞いてくる先生もいます。

予習していないとあたふたする可能性があります。

そういう可能性をできる限り下げるために少なくとも土日に予習することをおすすめします。

memo
当然ですが、情報収集も大事です。前にラウンドしてた同級生や先輩から出来る限りの情報を得るとなお予習しやすいと思います。

患者さんとの信頼は手で掴め

実習では入院患者さんの担当をする機会があります。

カンファで患者さんの現状報告やカルテ記載をするので本人からの情報は欠かせません。

どの様にすれば患者さんと友好な関係を取ることができるのか悩むと思います。

私は患者さんに触れることを意識しています。

触診、聴診などの身体所見を積極的にとるのです。

お腹が痛ければ、どこがどの様に痛むのか聞きながら打診や触診をしています。

話だけ聞くのではなく触れることを加えると患者さんも自分のことをきちんと診てくれているのだなと理解してくれます。

手の力は偉大です。

このことに関しては私の体験談よりも説得力のある動画がありますのでURLを添付します。

Don’t:患者さんを診ない。事前情報を取得せずに患者さんの所へ行く。
教員の指示で患者を診なくて良いとなれば問題ありません。

「あの患者、合わないんだよなぁ」と言って行かないのは良くないです。

患者さんから教員に直接学生が来てないことが漏れますし、患者さんからの情報がないとプレゼンしようがありません。

「カルテが全て教えてくれました。」なんてことは無いです。

困っていること、変化など患者さんから直接聞く、触れることをお勧めします。

また患者さんを診に行く前に医師記録や看護記録、オーダー、検査結果などの情報を事前にカルテから取得しとくべきです。

知っているのと知らないのとでは患者さんへの聞く内容が異なります。

また、患者さん本人から検査結果を尋ねられることがあります。その時に「まだ見てません」と答えると(この人、担当なのに見てくれてないんだ。。。)と不信感が生まれる危険性があります。

正確に答えられなくても貧血良くなりましたよなどと当たり障りのない答えを言えば問題ありません。

困った時は「自分では説明は難しいので上の先生に説明していただけるように聞いてみますね」と言えば問題ないです。見てないと答えるのだけは止めておきましょう。

プレゼンで背伸びするな

カンファでのプレゼンや症例発表は実習に参加する上で避けられないものです。

私もこれに関しては苦手で何度も教員に詰められました。タイトルの通り背伸びしない、知ったかぶりをしないことが重要です。

Don’t:読影レポート、カルテを鵜吞みにしない。
読影レポートやカルテを書いている医者、医療従事者はその筋のプロです。

時に、その人には見えても学生には見えないことがあります。

見えない事は仕方がありません。

問題はあたかも自分もそれが見えるかの様に発言、記載することです。以下私の失敗談です。

教員「君、カルテに○○に○○を認めると記載してあるけどどこにあるの?」

私「いやぁ~カルテにそう書いてあったのでそう記載しました。」

教員「あのね、医者はデータを観て評価とか考察するのが仕事なんだよ?どこの誰かが書いたのをそのまま記載するなんてアホでもできるよ?」

見たデータをを鵜吞みにせず、解釈して考える大切さを痛感した瞬間でした。(当たり前やろ)

そもそも分からないことがあれば教員に聞くのが一番ですし、聞く機会がないならその辺りの記載や言及は避けるべきです。

正直に書く、発表するのが大事です。

カルテ記載は答案用紙だと思え

実習にでるとカルテを記載する機会があります。

教員のカルテを参照すると書き方が教員ごとに異なり戸惑う方も少なく無いと思います。(大学によって程度が異なるみたいです。)

ここではSOAP順に説明していきたいと思います。

S
主観的情報。平たく言えば、患者さんの訴えです。

「昨日と比べて痛みは軽い」などといった感じで書きます。

ここの記載の充実はいかに自分が患者さんに聞けたかが重要になりますので、聞きたい事を整理する意味でも事前の情報収集は大事です。

O
客観的情報。データです。カルテを閲覧しましょう。

医師記録、検査、画像データはもちろん、看護記録も見ることをお勧めします。

看護師さんは日中だけでなく夜間・早朝などの出来事を記載してくれます。

私も患者さんにお話しをお伺いする際に参考させていただきたいております。

リハビリをされているならリハビリレポートを見ることも大事です。リハビリが順調な時はそのことに触れると喜んでくれることがあります。

入院〇日目や術後〇日目をOの最初に書くと見やすいと思います。(自分はプロブレムリストに記載して注意されました。)

バイタルサインは必ず何時に測定したかも含めて記載することをお勧めします。

A
評価です。Oを基づいてどう考えたか記載します。考察みたいなものですね。

ここで大事なのはデータを比較して評価することです。

状態の良し悪し、正常というのは時に患者さん毎に異なることがあります。

ひとえに○○が腫大or縮小という記載も前回のデータと比較しないと評価しようがありません。

一見、腫大に見えても元から大きかったなんて多々あります。

データは点ではなく線でとらえることが重要です。

P
計画です。

○/○腹部単純CT施行予定や○○1mg→3mgに増量などと書きます。

ここは無理に自分で考えて記載しなくても問題ないと思います。自分で考えたのを記載する場合は○○を検討と書くと良いです。

オーダーや医師記録、処方などを参考にすると良いでしょう。

変わりがなければ治療継続などさらっと書いて問題無いと思います。

#(プロブレムリスト)
記載の通り症状や検査異常など問題点を書きます。

診断名だけではないです。

例えば腹痛があり、排便回数が0回が続くなら#腹痛#便秘と記載します。回復したなら#腹痛→〇/〇から軽快などと記載します。


長々と書きましたが要は適切な表現で要点を書くことが重要です。

薬剤は商品名でなく一般名で書く、略語は書かず正式名称で書くなど正しい用語で書くことが重要なんです。

学生のカルテはメモではなく教員に見せる答案用紙です。



以上が私が実習中意識していることです。

疑問、指摘などがあればコメントしていただけると幸いです。

読んで下さった方が楽しい実習生活を送れることをお祈り申し上げます。

おまけ:ポリクリ中のおすすめ本(適宜追加)

シンプルにわかる循環器内科研修ハンドブック
臨床消化器内科マニュアル
胸部外科レジデントマニュアル
消化器外科レジデントマニュアル
呼吸器病レジデントマニュアル

何かオススメありましたら教えていただけると幸いです。

twitter:@country_frog

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