鬱だけど会社に行かなきゃいけないケンくん(26)のためだけの恭平ラジオ 文字起こし(5:00:00〜6:00:00)

鬱だけど会社に行かなきゃいけないケンくん(26)のためだけの恭平ラジオ 文字起こし

<5:00:01~5:59:59>

(恭平)俺の身体っていうのは、何か・・・何か、何かおりて何かによって、こう生まれてるものだから、俺が手を動かさなかったら指が泣くんだから。「恭くんが自分のことで落ち込んだりして自信がないってこもってるけど指がさびしいようって言ってるよう」ってお腹が言ってきたりするんだから。
(テノヒラ)ん~、なるほど・・・。
(恭平)おーそうかっつって、でも俺も恐いようとかって。
(テノヒラ)中の声がすごく、んー、どう言えばいいのか・・・。
(恭平)でもそれが鬱になるとすっごい恐い人が来るわけよ。全部撤収してみんな脅えていなくなってくの。俺の指とかお腹とか。それで襲ってくるの。俺を多分なんか、殺そうとしてる奴が。
(テノヒラ)何が襲ってくるんですか?
(恭平)分かんない。それはだから多分俺の出生の何かと繋がってるんだと思う。だからお母さんはその時に、堕胎しそうだったっては言わなかったけど、まぁ何かそのお母さんの中で何か覚悟を決めた瞬間があったっぽいんよ。だけど、まぁまぁわかんないけど、俺はその時お母さんに「そのままやるとお母さんが自殺するから俺が先に死ぬ」って言った記憶があるのよ。だから俺がいちばんはじめにトライした行為が自殺なんだよね。17日間予定日より遅れて生まれてるから。出る気がまったくないんだ。
(テノヒラ)うーーーん。
(恭平)そして、普通の人だったらそれだったら何かほら、金物で出るじゃんね。
(テノヒラ)ん~、はい。
(恭平)金物もなんも使ってないんよ。で、なんかその、何ていうのかな。無理矢理も出されてないの。最後の最後に母ちゃんが「やっぱりあなたは死んじゃダメ!」って言ったんよ、俺に。で、ごめんって言った感じがした、母ちゃんが。「『私が堕胎したら、私が自殺する』って恭平君が相談乗ってくれてたから、恭平君は最終的に私と密約で、あなたが死産して、まぁ、運良ければ私も死産する」、だから同時に心中しようとしてたような感覚だったと思う。
(テノヒラ)うーん。
(恭平)だけど最後母ちゃん、暴れちゃったんだって。階段の上よりも走り回ったらしくて。話が違うじゃん。だから、俺おっちょこちょいだから滑り落ちたっていう。いや、俺のね、妄想だよ、妄想だけど、俺のさっきのテノヒラの、いわゆる椅子とかが俺に声かけてるのと同じような妄想。
(テノヒラ)うん、うん、うん。
(恭平)だけど一応俺、全部お父さんに確認したんだ。「二人がケンカしてた言葉を全部記憶してるから確かめて」って言って。したらびっくりはしてたけど。なんで知ってるのって。
(テノヒラ)そういった幼少期のこと、が、因果して?
(恭平)んーそうそう、それによって俺、意識が、多分今んとこ行くの世界一速かったんじゃないかなって思うぐらい、意識が。その、胎児の時の一日って、魚が両生類にかわってるから、つまり、何百万年っていうスピードなのね。
(テノヒラ)そうですよね。うんうんうん。
(恭平)だから、その何百万年も速く意識が芽生えたっていう可能性があると思ってるのよ、俺。しかもそれが俺、いっさいトラウマになってないの。むしろ心配だった。だから、母親がはじめての相談相手じゃなくて、はじめて相談乗ったの、母親から。だから生まれて初めてやった行為が、このいのっちの電話なの。もう、俺ほんっとうにそのためだけに生きてるから。もう、一個もなくそうじゃない時代っとかがない。そうじゃなくて食えなかったんで金稼いでました、みたいな時代がないってこと。ちょっとわかんないすけどユニクロとかから金もらって何かちょっと一瞬、芸能界で、とか、そういう時代が1ミリもないの、俺。
(テノヒラ)んー。
(恭平)生まれた、その細胞の時から、しかも性別の前だと思うから。男性でも女性でもないの、俺。性別が決まる前の存在だから、多分。その時の俺はね。
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)って、感じかな。んー、なんか聞けば聞くほどもう、テノヒラに膝枕したい。膝枕してくれそうななんか勢いで。
(テノヒラ)や、あの、坂口恭平さんのその摩訶不思議さっていうか、魅力というかというのはやっぱり、人に対する愛情というかその、感謝される喜びをそこまで感じれる感受性というか、なんでしょう、そこ・・・ですよね、やっぱり。
(恭平)そうなん?・・・ちょ、ちょっと待って、ケンちゃん、ちょっと現場のヤマモトくん!ちょっと呼んでみましょうか。
(テノヒラ)はい。
(恭平)ヤマモトくん!

<現場中継>

(ヤマモト)オホオホッ!フッ!(咳払い)あ、すみません!現場のヤマモトです。あっテノヒラさん、はじめまして!
(テノヒラ)・・・あっ、は、はじめまして。
(ヤマモト)あ、ヤマモトです!あのですね、いやぁ、もう、テノヒラさんの声が、や、ちょ、ヤバいですね。恭平さんちょっとすごい、すごい方を呼んでくれて、ありがとうございます。あのですね、ちょっとこちらでもすごい状態になってまして、今んとこまだケンさん、えっとまだ話さずにすんでます。
(テノヒラ)あ、よかったです・・・!
(ヤマモト)仕事自体は、かなりうまく行ってます。で、会議は午後とのことで。
(テノヒラ)はい。
(ヤマモト)えっとまだ話さずに、12時から、昼休みが入るとのことで、えっと昼休みからケンさん合流されます!
(テノヒラ)あっ・・・、わかりました。昼、昼休み。
(ヤマモト)現場からは以上です。
(テノヒラ)はい、はい。わかりました。ありがとうございます。

<現場中継終わり>

(恭平)おっ!
(テノヒラ)・・・ハハハ・・・!
(恭平)テノヒラさん、お前、お前役者だなぁ。お前~。できたじゃん、全部。
(テノヒラ)うっふふふ、はい。
(恭平)できる子じゃないか~。
(テノヒラ)ん~・・・そう・・・、でも、んーそうですね・・・
(恭平)ちょっと、じゃ。
(テノヒラ)お昼?はい?
(恭平)もう、一回、どう?兵庫に行ったら、一回だけは、もうお茶飲みデートだけはさせてください。旦那さんには怒られない程度にしますから。もう。
(テノヒラ)あ、や、ははは、や。
(恭平)ダメですか?
(テノヒラ)や、もう坂口恭平さんは坂口恭平さん、って存在だと思ってますので・・・。
(恭平)ドゥッフフ!あのさぁ、そっかそっか、犬を散歩させるのと同じですって言ってくれてる、ってことでも?
(テノヒラ)は、う~。うぅーん。うーん。そう・・・、一緒~?
(恭平)ふふふ、うーん。うぅーんっていう声が良すぎてもう。なんなんだろ、それ。もうとにかく才能があふれてるのかもしんないな、テノヒラ。
(テノヒラ)あー、声?ですか?
(恭平)いや、声がすごいと思う、俺は。そして、声が、響ける場所としての喫茶店なんだと思うよ。
(テノヒラ)んーー。
(恭平)だから、なんかやっぱりちょっと相談に来る人にちょっと声、っていや、声ってしゃべるわけではないじゃん?多分。「お元気ですか?」ってみたいな感じの一声で、すっごい楽になってると思うよ、来てる人は。
(テノヒラ)そうです、けっこうみなさん相談される方が多くて・・・、
(恭平)うんうんうん、それはわかる。
(テノヒラ)はー・・・、聞いてることが多いので・・・。
(恭平)ふーん。
(テノヒラ)今日はほんとに、今まででいちばんたくさん話してるような感じで・・・。
(恭平)しゃべってるぐらい?
(テノヒラ)話してるぐらい。
(恭平)えー面白い。でもわかるわかる。だからその、ずぅーっと声出してなくても、さっきの津田ちゃんの時も、なんかテノヒラが横にいるのはイメージあるもんね。やっぱすごい、すごい能力を持ってると思う。
(テノヒラ)んーーー。
(恭平)だからこう、俺が思ってるのはね。
(テノヒラ)はい。
(恭平)俺、なんていうのかな。つまり、俺、これ、会社をやろうと思ってるのよ。
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)全員が社員なの。リスナーじゃないの。と、いうイメージはあるけど。
(テノヒラ)んー。
(恭平)噌ちゃんとテノヒラでも仕事が発生しそうやろ?テノヒラにもうすでに仕事が発生しそうやろ?って俺は思っちゃうの。もう予感がしてるという。
(テノヒラ)んー。
(恭平)で、それを、俺がうまくつないであげればいい。だって俺は中抜きいらないじゃん。
(テノヒラ)んー。
(恭平)だから中抜きいらないために俺わざわざさぁ、自慢するみたいにわざと年収言ってんの。もう誰も俺に払おうって思わんでいいじゃん。安心してできるじゃん。
(テノヒラ)うーんー・・・。
(恭平)だから、俺はなんかその間はいらないわけだから、どうにかしてそれを、回してあげたら、困ってたら、ちょっと困ってるのを助けたらさ、どーんどん伸びるんだからその人たち。いくらでも払うよと思っちゃうよ俺。
(テノヒラ)んーおーんー・・・。
(恭平)っていうイメージ。ただまぁテノヒラは多分、その生活に困ってるわけじゃなくて、多分仕事のペースがわかんないっていうのと、自分が、仕事場をやってるって意識が強すぎて、ほんとは椅子くんとかが頑張ってんのに、その椅子くんたちの頑張りまでを自分のその中にあんまり入れてくれてなかった、っていう感じあるの。
(テノヒラ)うーん、なんかそうです、私も自分のの方にけっこう意識がいきすぎているのかな、という風に思いますね、自分に。
(恭平)うーん。もうちょっとその、自分のつくった空間とかに委ねてよくて、なんなら、時々、ほらもうちょっと・・・。えぇ、テノヒラっていくつぐらいなの?
(テノヒラ)あ、えっと、そうです、32・・・です。
(恭平)うん。だから、25、6ぐらいの、
(テノヒラ)はい。
(恭平)なんかちょっとその子は、ちょっとね、ダミ声っていうか、なんかちょっとねサバサバしてるんだけど。「あ“あ“ー、テノヒラさん、私やりますよぉ」みたいな。
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)「なんっか、一人ちょっとめんどくさいお客来てぇ、もぅしょうがないからまぁ相談のりましたけどぉ」みたいな。
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)「テノヒラさんにはちょっともうムリっすね。でもまぁどう考えてもテノヒラさん目当てなんすよね~。なんかちょっとそれがなんかちょっとイヤな、でもいいっすよ、もう絶対私居ますからぁ」みたいな。そういうちょっとサバッサバッとした子?古着屋で働いてるような女の子。
(テノヒラ)あー。
(恭平)それを一人バイトに入れるといいかな、っていうイメージ。それ旦那さんにも説得できるもん。
(テノヒラ)うーーん。あーー。な、な、んー。なんか・・・。
(恭平)全部自分が居なきゃいけないって思いこみすぎてるから。ちょっと居なくてもいいよ。
(テノヒラ)一度、「手伝います、無料でいいんで」って来た女の人がいたんですけどー。
(恭平)うーん、無料じゃダメよ、払ってあげないと。
(テノヒラ)払う、ことがやっぱり大事ですかね?
(恭平)そう。
(テノヒラ)うーん。ちゃんとしてると。
(恭平)だってその子たちが、わかんないけど俺がMuseumでね、Museumって自分の美術館で、時給1500円を働く子に払ってるんだよね。
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)いちおう頑張って。1500円って、熊本だったらほんと600、700円ぐらいだから。
(テノヒラ)うん、うん、うん、はい。
(恭平)むっっちゃ喜ばれる。もうね、なんか「働きたいと思うんです!」って言われた。これもう、ブラック、ホワイトとかじゃなくて神でしょこれ、「神企業です」って言われてるから。神芸、神芸とかの世界だから。「神回、神芸、神企業、恭平」みたいなの。
(テノヒラ)うん、うん、うんー。
(恭平)だからむっちゃ、なんかみんなむっちゃくちゃ前向きだし、なんか「恭平さん、何をすればいいですか?」っつったら、「えっとMuseumにいて、お客さんにニコニコしてくれたら、もうそれで百点」っつって。「お金のやりとりは全部俺がオンラインでやるから、何にもしなくていいっしょ、お釣りとかなんか気にしなくていいから」って。とにかく、ニコニコしててくれって。
(テノヒラ)うーん、恭平さんは・・・、
(恭平)でも、疲れたらいつでも休めって。無理してやらないでって言ってるから。
(テノヒラ)うーん。自己にこう、向かってしまう時ってないですか?
(恭平)・・・俺が?
(テノヒラ)はい。
(恭平)いやそれが鬱だよ。
(テノヒラ)あーなるほど。
(恭平)自己っていうか、自己じゃないから。ずーーっと死ねって声が聞こえるんよ。
(テノヒラ)うーーん。
(恭平)ヤバいんよ、もう、その時抱きしめててほしいよ、俺、テノヒラに。
(テノヒラ)ふーーうーーんーー、・・・なるほど。
(恭平)でも、それはそれで、大事なんよ。それを、それに負けないように俺、毎日、実は絵描いてんのよ。アップできないんだけど。「今日のパステル画」って描けなかった、描けないんだけど、実は普段よりは、原稿も書いてるし絵も描いてる。で、それは、俺のほんとに信頼できる人にだけ送ってるの。
(テノヒラ)んー、書くことが自分を抱きしめる行為?
(恭平)抱きしめる行為ではなくて、その声をとりあえず打ち消す盾にはなるって感じ。
(テノヒラ)打ち消す盾にはなるって感じ?
(恭平)うん、ただ剣がパーン、パンパンパンパーンって鳴ってるのはもう聞こえ続けるし、ずーっと押されてるって感じ。
(テノヒラ)ふーんー。
(恭平)だから盾を止めたらまた剣が刺さってくるから。
(テノヒラ)うううーん。
(恭平)止めたらヤバいよ。マジでそれだけなの、あん時は。あん時はまずテノヒラに電話していい?
(テノヒラ)あ、あ、もちろんです。
(恭平)んじゃ、あとで、電話番号送っといて?ショートメールで。
(テノヒラ)はー、ハハ。はい・・・。
(恭平)したらもう鬱の時はテノヒラ、って俺書いとくから。そこにもう登録するから。テノヒラ、鬱の時、鬱の時ヘルプよ、って。
(テノヒラ)ハハハ。
(恭平)もう鬱の時だけはイエローもう、助けてくれってマジで。
(テノヒラ)私も助けていただいた身ですので、はい笑。
(恭平)ほんとヤバいんよ、あの時。マジ誰にも助けられない。ほんっとに。どこにいんのかなって思うくらい。まぁ、実はそれが俺が7年間ずーっと不倫してたんだけど、その相手なんよ。その子が、ほんっとに俺に、ほんっと、フーも入り込めないの。そん時は。だーれも入れなくて、もうアップダウンよ。もうほんとに死にそうで。
(テノヒラ)うーーん。
(恭平)で、でもその子だけはなぜか、助けることができてたんよね。ま、だからフーちゃんにも紹介はした子がいるんだけど。
(テノヒラ)うーん・・・なるほど。恭平さんは・・・、
(恭平)あ、やっぱりそれはフーちゃんにとってはすごい苦しかったから、完全にその、いわゆる一夫二妻制度みたいな状態でやるのはマズい、ちょっときびしいって言って、まぁ今はいちおうそういう関係じゃない。て、ことになってるんだけど。
(テノヒラ)恭平さんが鬱の時に自己に入った時に、人の声って届くのかな?とか。
(恭平)うん。なんにも届かないんよ。もう完全に乗っ取られてるから俺が。だから、
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)その、どうやったら届くのかが、俺にはわからなかったんだけど、だけど、去年から、その人格が完全に乗っ取られてる状態じゃないってことに気づいて、水彩画がはじまってったって感じ。
(テノヒラ)乗っ取られてる状態じゃないことがわかった・・・から、水彩画がはじまった?
(恭平)そう、乗っ取られてて、盾だと思って、鬱の時の絵を描いてたら、その鬱の時の絵の枚数が増えていくことでトンネルが通過したみたいで、その鬱の中が、世界がちょっとずつ見えるようになったんよ。
(テノヒラ)うーん。
(恭平)で、今水彩画って俺元気なのにそれを描いてるってことはどういうことかっていうと、元気なのに、あの鬱の困ってた世界を今見てるんだけど。
(テノヒラ)ふうーんーーんーー。
(恭平)だから、やあ、今、結局パステルで何億円も生み出したけど。
(テノヒラ)んー、はい。
(恭平)そんなのマジでどうでもいいって思ってて。今はもうほんとに俺は水彩画で自分を今助けるって言うか、俺パステル画で何やったかって多分、みんなを助けなきゃってすっごい思ったんよ。
(テノヒラ)うーんなるほど。
(恭平)で、もちろんその、自分が描いてて楽しくなかったわけじゃないよ。
(テノヒラ)はい。
(恭平)だけど、どこかしら、ほんとに自分が描きたいのがあるのに、っていう意識はあった。
(テノヒラ)んーあーうーん。
(恭平)それでもあそこまでできたんだ、って思ったぐらい。
(テノヒラ)んー、たしかに。
(恭平)だから、水彩画って、まあ、なんかこう、もっとちっちゃーい絵になってきてるんだけど。
(テノヒラ)はい。
(恭平)なんか、あれが俺の見えてる世界なんよ。だって昔さ、胎児の時に全部現実の風景まで全部俺描き起こせてるんだけど。おかしいじゃん?胎内からさ、外の世界なんか見えないはずだから。
(テノヒラ)はい。
(恭平)だけど見えてたわけよね俺。
(テノヒラ)うーーーーん。
(恭平)だからそれがどういうことかっていうのがなんか、俺が今、その感じてることなのかな。だから水彩画ってのは、あれ俺にしか見えてない世界なはずなのよ。
(テノヒラ)んーーーーー。
(恭平)あれ、いっさいそういうの入れてないのね。
(テノヒラ)何を入れてないんですか?
(恭平)つまりiPhone見ながら風景描いてたけど。
(テノヒラ)うんうんうん。
(恭平)今、水彩画は、目をつぶって出てきた絵、ものしか描いてない。だから自分の中にある世界っていうか自分のものと向き合ってて。
(テノヒラ)んーー。
(恭平)つまり向き合ってるんじゃなくて、風景を見るように見れるようになってきたのかも。つまり誰しもさ、風景と向き合うなんか言わないじゃん。
(テノヒラ)うーーん。
(恭平)目に入ってくるだけじゃん。雲の動きとか、海とか。向き合わないで、見に行きなさいってなるじゃん。
(テノヒラ)んーーー。恭平さん、
(恭平)なになに?
(テノヒラ)にとって、風景画を描くことっていうのは、誰かを元気づけたいがために描いてた絵であったのか、その、自分の内面を見つめるための、風景画であった?
(恭平)まったく内面は見つめてない。
(テノヒラ)あっ、そうなんですね?
(恭平)そう。風景のは、あれは、俺の心に引っかかった風景なの、すべて。
(テノヒラ)うーんなるほど。
(恭平)つまり、自分に向いてたものから離れれたところなんじゃないかな。だから、実は自分にとってはすごく新鮮な風景なの、全部。でもみんな懐かしいっていうの。昔見たものとなんでこんなに似てんのかな、っていうか。
(テノヒラ)うーん。
(恭平)だからみんなが、多分子どもの時って自分と向き合うことなんかないからそんなに。風景を普通に見てたから。だからそういう目線を実現できたものは何枚かあるのかも。
(テノヒラ)んーんーんー。
(恭平)ってか、それが何枚とか光栄とかっていうんじゃなくて、そういう態度でっていうか持続していくこと自体ってそれが俺の作品だったと思うけど。
(テノヒラ)恭平さんにとっては新鮮、だった?
(恭平)うん新鮮な風景ってか、外の光と影っていうのを、研究するための練習だったんだって感じ。だけど、本丸は、自分の頭の中にある、すごく自分にとってはさびしくて暗くて冷たいって思ってたその世界、みんなからなんての、大事にされる前にさ、自分は死ねって言われてた記憶があるわけだから。
(テノヒラ)んー。
(恭平)しかもそん時に俺は傷ついてないってちっちゃい頃言ってた。自分に、自分に対してだよ。お母さんが心配だったから、お母さんが心配してたから私は助ければいいって思ってた。だけど、なんてのかな、今は、あっ、そうじゃないって言ってあげる自分とかもいるわけ。「それはそれでさびしかったんじゃない?」って。「そんな、あなたがいちばんはじめにゼロ歳で、胎児の状態で、ね、マイナスゼロ歳、マイナス2、1歳ぐらいの時にさ、そんな人助けせんでいいよ」っていう。だからそういう役を、自分の中で生まれてきたんだって思う。そういうことを、なんかケアしてあげるって人っていうかね。それが、その自分の世界を見てごらんっていう。今はなんかその、もちろんパステル画は、イヤイヤやってたわけじゃなくて、ほんとに自分のためにやろうとしてたんだけど、その、でも、やってやってどんどん思うのは、やっぱり内側の、ほんとにさびしがってる自分にどうやったら手を差し伸べられるのかっての方がテーマになってってた。
(テノヒラ)うーん。
(恭平)なぜならば、鬱が抜けないから、どんなパステル描いても。だけど、水彩画描いたとたんに、そういうものから何か解き放たれてるんだよね、今俺が。すっごく安心してんの。だから、俺人生で初めてとんでもない安心の世界にいるんよ今。
(テノヒラ)うーん。
(恭平)だからこんなことずーっとできるんだけど。
(テノヒラ)うーーん。
(恭平)それでなぜか今、不思議なことに、ま、今回の水彩画は、俺が小学校ん時に俺のことをはじめて好きになってくれた人がいるのよね。
(テノヒラ)はい、うんうん。
(恭平)オチイシノリコちゃんっていう。
(テノヒラ)はい。
(恭平)その子にも毎日絵を送ってるの。
(テノヒラ)ふーうーん。んー。
(恭平)その子って、多分俺が何者とか関係ないのに多分それの俺の人間のかたまりの魂みたいのを見てくれて好きになってくれたわけじゃんね。
(テノヒラ)うんうんうんうん。
(恭平)で、いまだにずーっと好きでいてくれてるんだって。4人も子どもいてシングルマザーなんだけど。
(テノヒラ)なー、うーうーん。
(恭平)で、個展まで観に来てくれて。福岡のはずれにいるのに。
(テノヒラ)ふうーん。
(恭平)もうひとつは、うちの母ちゃんに毎日送ってんの。俺人生で初めてよ、自分の作品を毎日お母さんに見せてんの。まるで4歳の時みたいに。
(テノヒラ)はぁ、そうなんですね。
(恭平)しかも母ちゃんは、「水彩画すごーい、素敵ー。全部ほしい」って言ってくれてんの。マジで、だから多分俺、そういうところを今、完全な癒しに向かってるのかも。自分の、ほんっっとになんか・・・、一歩間違うとさ、俺の場合って、命をもう捨てちゃってるから。どうなったっていいからやってるって言ってもいいわけじゃん。いのっちの電話とかもさ。電話番号さらけ出してさ、「別にどうなったっていいんすよ、俺」って時々言う俺もいるじゃん。
(テノヒラ)はい、はい。
(恭平)だけど、今はそういう感じじゃなくなってるんだよね。大丈夫って。もうお前は安心できたから、次はあなたが助けてあげる番だよっていう、まあ、ずっとやってることは助けてたんだけど、その中でも、自分の中の変化があるっていうことよ。それが母との、今この、実はみんな母との関係ってのは、みんなあるからね。そこに、今俺はちゃんと向き合ってるのかなって感じはする。自分と向き合ってるわけじゃなくて、お母さんとの、多分生誕の時の、二人のすごい無言の会話があるじゃんね。
(テノヒラ)うんうんうん、うん。
(恭平)あの会話を、なんか二人でひも解きながら、なんか二人で楽になってってるって感じ。
(テノヒラ)うーーーん。んんーーーーんん。
(恭平)それはトラウマとかでもなんでもないから、毒親でもなんでもないし。
(テノヒラ)んー、あー、なるほど。
(恭平)そうそうそう。でも、もちろん、だけど、俺は、ほらお母さんが心配だったからお母さんが言ってたこと全部聞いてあげてたから。お母さんが百点取れって言ったらもう、普通にスキャンするようにして全部ページを覚えれたから。じゃ、このページを覚えればいいんですねっつって、ページを覚えて百点満点取ってた、みたいな感じよ。だから一歩間違ったらほら、ねえ、教育ママと、それに従う、勉強しかしなかった少年になってもおかしくなかったじゃん。
(テノヒラ)うんうんうんうん。
(恭平)でもそうはならなかった。
(テノヒラ)うーん。
(恭平)なんでそうならなかったのかっていうことは、俺はそれをトラウマにも感じなかったし、そうマザコンっていうことでもなかったし。
(テノヒラ)え?んー、でも叶えてあげたいっていう気持ちはあった?
(恭平)そう、「助けたい」、だったんよね。母ちゃんがそうやって言うなら助けたいっていうか。
(テノヒラ)んーーー。
(恭平)だけど、途中で俺は反抗するんよね。反抗っていうか、本当にやるべきことに、時間を注ぎはじめるの。それが高校の受験の時、受験勉強一個もしてないから、俺。もうそん時から芸術は、ちょっと自分にとっては大事かもって思いはじめてたから。
(テノヒラ)17、18って時?
(恭平)うん、その時から自分で研究をはじめた。
(テノヒラ)んーんーんー。
(恭平)そういう感じかな。
(テノヒラ)あーあーあー。
(恭平)だけど、それで、母親は、新政府作った、なんか言ってもすごい苦しんでたけど。そして、俺の作品はひとつも見ないっていう選択をしていくんよね。
(テノヒラ)あ、そうなんですか?
(恭平)そうなの。その人が、今毎日俺の絵見てるっていう、ヤバいっしょ。ダハハハ、フフフフ!
(テノヒラ)あー、そうだったんですね~。
(恭平)もう、はっきり言って俺、母ちゃん以外の人には俺自分の心を届けることがもうできるようになったとは思ってたのよ。
(テノヒラ)あー。
(恭平)ただ母親だけが、あまりにも、その・・・、俺、だって小学校のとき怒られてたのが「諦めなすぎ」とか、もう意味わかんないでしょ。
(テノヒラ)んーんんんー・・・。
(恭平)「なんであなたは諦めないの?」って言われてたから。
(テノヒラ)ハーッ笑、ううーん。
(恭平)えーちょっと待って、ちょっと待って、それ「ネバー・ギブアップ」ってそれ、先生がなんか、いいように言ってたんだけど、みたいな。
(テノヒラ)ふ、ふふふ。そうですよね。んー。
(恭平)そう、不思議なのよ、いろいろ。まあまあ、でも、今その謎がいろいろ自分の中で解き明かされていってるっていう感じ。
(テノヒラ)はあ、あーでもなんか、私も、んー。
(恭平)俺多分もう、鬱になるとかではもうないと思うんよ。もう、もう、多分終わったと思った、すべて。
(テノヒラ)んーーー。・・・、じゃあ、電話番号は送らなくても大丈夫ですか(小声)・・・・・・?
(恭平)んー、だからそこはちょっとなんかね。疲れてるときのー、テノヒラに居てほしいよね。
(テノヒラ)アハハハ・・・ううんん、ああー、そうですね。当たり前というのか、坂口恭平さんも、葛藤があり、なんかこう、今も生きて・・・。
(恭平)そうだよ!俺なんか。
(テノヒラ)ですよね~。
(恭平)泣きながら母ちゃんに何か生誕の秘密がないのかって2009年に泣いて親父と母ちゃんの前で言ったよ。
(テノヒラ)んーーー。
(恭平)なんで俺はこんなに人生の悩みもまったくないし何事も全部できるんだって。しかもなんであなたたちは何も教えなかったじゃないかって。
(テノヒラ)んーーーー。
(恭平)俺、信号機っつったら使ったことなかったん、ほんと4歳の時から。
(テノヒラ)は?なにですか?
(恭平)信号機を使ったことなかったの。
(テノヒラ)信号機ですか?
(恭平)渡りたい時には2車線だろうが3車線だろうが4歳で渡れてたんよ。
(テノヒラ)あっ、ええーっ!?
(恭平)俺の親父が言うにはね。「この男はヤバい」ってずーっと言ってたから。「この男は、恐怖心ってものがないから。」
(テノヒラ)あーーーー。
(恭平)だけどないわけじゃないっていうか、それが躁鬱なんよね。だから、ほんとに恐ろしいときは弟がいないとバスに乗れないっていう時もあったから。
(テノヒラ)んー。
(恭平)だからそういう、いろんなその、心の振幅を経験させられてたんだろうなって感じ。そうじゃないとさ、いろんな人の心とかに入れないじゃん。俺は心の中に入って、別にその人をコントロールするわけじゃないし、心の中に入って、なんか、宝物を見つけるのが好きなんよね。
(テノヒラ)ふーんーんー。
(恭平)で、むっちゃ磨くのも上手だし、掃除も上手だから、その人たちの心の中の掃除をずーっとするって感じ。で雑巾かけたらむっちゃピカピカになるから。したらみんな安心するよ?
(テノヒラ)ふーんーんー。
(恭平)ま、そこまでやってあげたらさ、だいたいはおっぱい触っていい?って言ったら、「じゃ、3秒いいですよ」とかいって。
(テノヒラ)あっははは。
(恭平)だいたいそんな感じよ?それが俺の口説きでもあったし、でも、口説いてるようで実は多分俺は、すごく、ほら、安心したかったとかもあんじゃない。だからフーちゃんは怒らなかったんよ。そういって女の子ができても。「たぶん彼には、彼の、なんていうの、埋められない苦しいものがあるはずだからって。それを、この女性が満たしてくれたのだったら、それはそれで私も受け入れなきゃいけない」って言ってくれたから。「それは私では埋まらないでしょ?」って。たぶんどこかしら母親のようなちょっと肉感的なものが必要だったんよ。母親はそういうぽっちゃり系だったから。
(テノヒラ)・・・ははっ。
(恭平)なんてね。いろいろなこととか全部でもそれは、ほんとアオちゃんも込みで、みんなで話し合ってきたから、うちらは。
(テノヒラ)うーん・・・。
(恭平)うーん、でもそうやってでも生きていくしかないじゃん?
(テノヒラ)んー、なんか、ひとりでは多すぎるっていう言葉がー、なんかあるかな・・・。
(恭平)んーなに、どういうこと?ひとりでは?
(テノヒラ)ひとりでは多すぎる、なんか、まあ、なんでしょ、奥さんにしろ、旦那さんにしろ、ひとりにすべてをこう・・・、
(恭平)そうそうそうそうそう。それはほんとそう。
(テノヒラ)そうおぶされすぎるor負わされすぎる(? →※1)と、多すぎて・・・。
→※1(5:27:07付近)
(恭平)んー。じゃ、違う人でやっていかないと、社会ってそういうことだからね。自分の愛情にもやっぱ社会が必要なんよ。
(テノヒラ)んー、ああ、そうですね。
(恭平)それはもういつまでたってもそのね、近親相姦ばっかりし続けるわけにはいかないから。だけど、じゃ、そこでほら、セックスさえしなければ大丈夫なの?って言ったらフーちゃんが、「セックスしなければ、どんな女性と何泊でもしていいよ」って言われてるから。
(テノヒラ)あ、そうなんですね。
(恭平)「なるほどー、で、チュッチュッはいいの?」って言ったら、それ以上は聞くなって、いろいろ。そこは、あと考えろって。「もう、なんで恭平一個一個聞くの?」みたいな。
(テノヒラ)体の関係は大きなものがあるんでしょうか?
(恭平)たぶんそれは向こうが変わるからやろね。
(テノヒラ)あ、相手が?
(恭平)相手が変わるってこと。
(テノヒラ)うーんーー。
(恭平)そこを、まあフーちゃんは苦手だって言ってる。とはいってもさ、フーちゃんは、俺は、俺はその、7年間は、「東京行ってエッチしたいんでしょ」「東京行ってきます」って感じでいってたからね。まぁ、言わないでよ、みんな、これは。フハハ、言わないでよって言いながら公表したー!笑!もうだからオンラインっていいつつも、恭平ラインだから。これは。オンラインじゃないから、みんな。オンラインだと思ってるけど、これ恭平ラインだから。キョーライン。ね。キョーラインではオッケーだけど、オンラインでは言わないようにね。
(テノヒラ)なんか、カフェでいろいろ相談受けることが多いんですけど、
(恭平)うん。
(テノヒラ)なんかそういうの、こう全部自分の中に入りこんじゃう感じがあって、恭平さんはそういうのは、もう、人は人っていうので、こう、割り切ってる、感じですか?
(恭平)いや、全部自分の問題だと思ってる。だから疲れないんだと思う。俺自分の問題として考えるの好きだもん。
(テノヒラ)ああー、なるほど。
(恭平)うん、その人がかわいそう、とかその人をなんとか、とかいう問題じゃないから。自分だったらどうするっていうのでむっちゃ必死になっちゃうから。逆に言うと離れてるからそんだけきつつかれ(→気疲れor傷つかれ? →※2)るんだよ。もっと入っていかないと。 →※2(5:28:59付近)
(テノヒラ)もっと入っていく・・・⁉
(恭平)そう、もっと入っていくの。私だったらこうしよう、私だったらこうするかな?って。
(テノヒラ)はー、なるほどー。
(恭平)私だったらってところに向かっていかなきゃダメなのよ。
(テノヒラ)なんかよくカウンセリングとかに行くと、こう、壁をイメージして、その人との間に壁を作りなさい、って。
(恭平)うん、壁を作りなさいって言うじゃん。全然ムリムリ。ってもう、俺の頭ん中ではもう今もう、完全にもう、テノヒラとベッドインした状態で入っちゃってるもん、俺。
(テノヒラ)・・・ハーッ・・・!
(恭平)ほんっとにもう、これは話しながら、そういうイメージ、イメージだよ、イメージ。イメージの方がさ、やっぱ豊かっていうか。
(テノヒラ)んー、でも思ったのが…あ、はい。
(恭平)よー、見えるんだよ、テノヒラと、朝起きてさ、肌が。俺、「じゃ、ちょっと絵描こう」ってったら、テノヒラ、「は、じゃ、私は、お店行ってくるね」、とかって。
(テノヒラ)ははは…、ほんと?
(恭平)「じゃ、今日はもう16時で終わってよ!16時で!16時で終わって~!」とかいって。「あ、わかったわかった、恭平が言うなら16時で終わるよ・・・」「じゃあ待っとく、16時で終わるまでむっちゃ描いとく!」とか。「15時まで描いとく絵ー!」とかって。「じゃ15時までそのまま売ってくるー」とかって。「460万獲得したー!」とかいって。「もうテノヒラ喜ばせたーい」、みたいな。ハッハハ、フフフフフ・・・!したらフーちゃんさ、文句言わなくなるよ、だんだん。フッフフ。「もうわかった、恭平!」ってなるもん。
(テノヒラ)んん、はー、なんとも言いがたいですね。
(恭平)フッフフフ・・・!
(テノヒラ)ふーー、・・・えー、ふふふふ・・・。
(恭平)でもま、そうそうそう。でも、なんというか、こう、そうそう、そんなんただのいい人じゃないからね、俺はね。素直な人なだけだと思うよ。全部素直な人なの。
(テノヒラ)ただのいい人じゃない?
(恭平)うん、いい人ではないと思う。だってその人にとっては苦しいこといっぱいあるもん。フーちゃんにとっては。
(テノヒラ)あー、あー。
(恭平)でもむっちゃ勉強になってるけどね、いま俺、フーちゃんとのやりとりで。
(テノヒラ)んーあ、あ、あれだ。
(恭平)ほんっとに、ほんっとに、才能がある人って、何人も見てきてるけど、ほんっと家族でつぶれてるのよ。
(テノヒラ)あ、家族で、つぶれてる。
(恭平)うん。家族でつぶれてる。どんどんうまくいって、どんどんお金も獲得するんだけど、やっぱり妻との関係、子どもとの関係で、つまずく人が多すぎるから。
(テノヒラ)ううーーーーん。
(恭平)俺やっぱ、その原因ずーっと見てたっていうか、あ、俺とは違うなって、でもやっぱちっちゃい頃から思ってたんよね。だから・・・、
(テノヒラ)んー、小さい時から?
(恭平)なに?うん、小さい時から、うん。
(テノヒラ)ふーうーん…。小さい時に、それにどうやって気づくんですか?
(恭平)うーーん。なんか、なんだろうね。それは子どもとの関係とかって見ちゃうんじゃない?その親、友達の親とか。
(テノヒラ)んー、あー。
(恭平)そうそうそうそう。でも、うちは、むっちゃ仲良かったから、うちの家族って。だけど、俺だけいっつも笑われてたんよ。俺が選んだ服はいっつも、変だって言ってみんなが笑ってたから。俺、服屋に行けんくなったんよ、それで。
(テノヒラ)ふーーうううーん。
(恭平)だから、おしゃれするって、すごく俺にとってはもう、恐ろしいものだった。だって俺が選んだ服は全部笑われるんだから、家で。こわくない?
(テノヒラ)んー。そうですね。
(恭平)だから弟のお下がりしかもらわなくなった。そしたら、誰もなんも言わなくなって、それが今につながっていくんだけど。「服屋に行かなきゃいいんだ!」ってことに気づくんよ。で、おしゃれな人と会って、おしゃれな人からお下がりをもらうっていうスタイルに変わっていくの。だから、誰がいちばんおしゃれなのかっていうのを見極める必要があったっていう。
(テノヒラ)あー・・・。
(恭平)初期は弟だったの。弟はほんとにおしゃれな人だったから。でも弟と離れたらどうやっていくかっていうね。でも弟はギリギリまで一緒にいてくれたから。俺が大卒のハズレまで。
(テノヒラ)ん、ん、んーんーんーーー。
(恭平)だから25ぐらいまでは洋服屋で洋服買ったことはない。
(テノヒラ)あっ、そうなんですね。
(恭平)そうそう、こんなね、今やもう、おしゃれの…、ウッフフ!化身みたいな、おしゃれ大好き人間なんだけど。
(テノヒラ)はい、うん、うんうんうん。
(恭平)そしたら次は、その、お下がりをもらうんじゃなくて、デザイナーを見つければいいんだってことに気づくんよ。で、デザイナーと会ったら、デザイナーが、その、自分たちで作ってる服を、仲良くなったらくれるようになったみたいな。で、むっちゃ愛して着るから喜んでくれてそれでまたその人はくれるようになったりとか。
(テノヒラ)んーんーんー。
(恭平)それでだからもう、ほんっとこの人絶対おしゃれだっていう人は、むっちゃ友達いるよ。
(テノヒラ)でも、恥ずかしかったその経験があるからそうなったっていう?
(恭平)そうそう、俺にはできないっていうか、やっぱり、多少いじめられてたぐらいだったもん。だって、チョイスしたら全部笑われてたんだから。
(テノヒラ)んーんーんーんっふふふ、はぁ。
(恭平)つらいじゃん、彼女からもらったものですら笑われたりしてきたら。だから、なんか、でもなんか、社会のその、なんかこう、姿を見せられてたって感じがするけど。
(テノヒラ)笑われることは、つらかったんですね。
(恭平)や、つらいっていうか、でも日常になってた。でもそれが母親が首謀だったから。首謀者が母親だったんよ。
(テノヒラ)んーー。ハハハッ。
(恭平)だから本来なら恨みを持つはずだけど、でもでも、そうじゃないんよね。だから母親側に何か問題があるはずだっていう問題に行っちゃうのよね。で、おもしろいのが俺、自分に問題があるってまったく思ってないんだと思うんだよ、多分。
(テノヒラ)そうです、ね…っヘヘ・・・。
(恭平)うん。なんでかっていうと、彼女は、かわいいよとか、おしゃれだよっとかって言ってくれてたから。
(テノヒラ)はぁー。
(恭平)でも、家ではなんか知らないけど笑われるから家ではちょっと難しいんだけどみたいな。だから社会ではって感じ。家は社会って感じ。でも、彼女はいっつも応援してくれてたから。どんな時も、ほんと。それは前の彼女。俺は前の彼女13歳から23歳まで付き合ってたから。今も、実家に行ったりするけど。
(テノヒラ)はぁー、えーーー。
(恭平)そう。その子からは、その子はほんとに応援してくれてたから。だからその子が何時に、夜3時に、4時でも、ポケベルで「眠れない」っていったら、行ってたん、自転車で30分だったから、寝かせに。
(テノヒラ)その方があれですか、ちょっと、メンタルが…。
(恭平)そうそうそうそう。
(テノヒラ)ああー。
(恭平)その子は、だから俺が高校2年生ぐらいの時かな、だからその、まぁね、そのー、オーバードーズもしてるし。
(テノヒラ)んーんー。
(恭平)さすがに、俺、人生初めてだぞ、電話を落としたの…ッフフフ…。あの、ドラマで見たことが、電話を落とすっていう…笑、「えっ!?」とか言って。で、そのまま行って、3日ぐらい通ったかな、寝てたもん、ずーっと。
(テノヒラ)3日間、一緒に、寝てた。
(恭平)うん。でもそれでも、なんか苦しい、とかじゃなかったんだけどね。
(テノヒラ)んーー。
(恭平)なんか、そん時は躁状態に入っちゃうから。
(テノヒラ)坂口さんがですか?
(恭平)そうそうそう。だから、躁状態に、とんでもない時に躁状態に入ると、すごく冷静な人ってだけで終わるんだよね。
(テノヒラ)んーんー。引っ張られないですか?鬱の方と一緒に横になって。
(恭平)いや、俺は引っ張られたことはないんだよな人生で。
(テノヒラ)あ、そうなんですね。
(恭平)そう、だから引っ張られるから、テノヒラはほんとは、相談乗らないほうがいいよね。
(テノヒラ)そう、ですね、ちょっとそこがちょっと難しい…。
(恭平)いや、決めればいいんだよ、相談乗るのが苦手だから相談には乗れませんけどって。
(テノヒラ)んーんーーんー。
(恭平)だけど、いいとこは、こういうとこがいいとこだと思いますよってのは、全然できますよっていう風に言ったらよくない?
(テノヒラ)はあ、いいところを伝える。
(恭平)そうそう、いいとこをテノヒラは伝えるの上手だから、その、もらいすぎるんよ。もらうんじゃなくて、与えるっていうイメージ。だから話を聞いて、「あ、ヤマダさんのこういうとこが素敵ですね」っていうところは言えるじゃん。
(テノヒラ)んーんー。
(恭平)そっちに行ってやった方がいいと思うな。
(テノヒラ)え、あ、え?もっと入って…、
(恭平)もらわないこと。
(テノヒラ)もらわないためには、もっと入っていく方がいいかも?
(恭平)だって入らないとわからないから。入って宝を探せって言ってんの、俺。
(テノヒラ)あーっ、ははは!難しいですね!あはははは!
(恭平)だから、俺はどっちもできるんだけど、テノヒラは、俺の中の宝探しの件では上手いよ。だって声がいいから、すぐ心を開いちゃう、相手が。マジで。
(テノヒラ)はー。
(恭平)ほんとに、そうやってやってるんだと思う。
(テノヒラ)相手が心を開く…。
(恭平)開くんよ、入れるから。
(テノヒラ)ふーんーん。
(恭平)で、テノヒラは心を開いてないことを、向こうは誤解するからおかしくなるんよ。で、向こうはテノヒラはもう心を開いてくれてると思っちゃうからドワァーッて流しちゃうわけ。
(テノヒラ)たしかにそうですねー。
(恭平)だからそうじゃないわけだよ。テノヒラって絶対心を開かないから。だってそこは自分の大事な世界だから。そこは守った状態で、でもそこから望遠鏡でいろんなもの見えますって感じで宝を見ればいいわけよ。
(テノヒラ)はー。
(恭平)でも私は自分の時間がなくなったら私は死にますよって言ったら、もう誰も触らないから、みんな。
(テノヒラ)んー。それは伝えておく必要がある?
(恭平)いや、そんなん伝えなくていいよ、そういう風な精神で自分で思えば、いれればいいんだから。それは全部声に乗っていくから。
(テノヒラ)ああ、声に乗っていくなら、その…。
(恭平)伝達は声色で変え、調整すればいいだけだよ。
(テノヒラ)はー。そういう精神でいたら、その精神が声になる?
(恭平)もちろん、もちろん、もちろん。精神ていうか、そういう声でいればいいってこと。
(テノヒラ)そういう声でいればいい?
(恭平)そういう風に自分で、声を出すことを覚えるってこと。
(テノヒラ)んーんーんー。えへっ、ふふふ。高度です、ね!…いえ、高度…。
(恭平)そうそう、高度。
(テノヒラ)えへへへ!はぁ…、
(恭平)そうそうそう、それはそう高度。もっと、ベッドインしたら高感度、フフッフッフフ!
(テノヒラ)あぁー、でも…その・・・!ハハハハ!
(恭平)あー、いいよ、今、なんか、ちょっと、テノヒラがちょっと。テノヒラ、パタンパタンしてるから、開いたり、俺に対して開いたり閉じたり、おもしろいんだよ。
(テノヒラ)は~。うーんーん。
(恭平)それがほら、かわいいじゃん、
(テノヒラ)はぁ、ははは!
(恭平)こう、こわいんだけど近づきたいみたいな、あの、猫ちゃんみたいのがさ。パタンパタン、パタンパタンしてるのよ。
(テノヒラ)たしかに、なんか恭平さんに対しては、ちょっとこわいっていう感覚がありますね、私が。
(恭平)そうそうそう、こわいけど、んーなんか近づきたいんよ。
(テノヒラ)そうです、そうですね~。そうなんですよね。
(恭平)逆に言うと近づきたいからこわいって感じるから。その、距離感が近いから、逆に恐怖心を感じるわけだよ。
(テノヒラ)恭平さんからの距離感が。
(恭平)いえ、だからテノヒラが近づきに来ちゃってるからこわいんだよ。近づいてなかったらこわくないけどさ。
(テノヒラ)あ、あ、あっ、そうですね、今、そうですね。
(恭平)だから近づいちゃうとこわいじゃん、恐怖心で。
(テノヒラ)そうですね。んー。あたしがそう…。
(恭平)だからそれだったら簡単だと思うけどね、全然いいとこ見つけるの上手いんだから。まあ、普通の世間話なのになぜか、あの人は私をほめてくれるんだよねっていうところで、やるっていう。
(テノヒラ)んー、ああ。なん、か…。
(恭平)だからどんな問題になっても、問題は問題だけど、その中でもあなたのここはいいですよね、っていうのをずっと言い続ければいいだけだよ。
(テノヒラ)ふーうーんー。
(恭平)どんな問題に転がってもいいんよ、ほんとに。そんなところで生きてるあなたはすごいですねって。
(テノヒラ)あー、なるほど。
(恭平)うん、そっちの方を言ってあげた方がいい。その励ましはプロだよ。
(テノヒラ)そんなところでも生きてるあなたは、すごい…。
(恭平)うん。そしたらね、今まで30分かかってたのが、5分ぐらいの会話でできるようになるんよ。そうすると、次のお客さんに進めるんよ。今はもう、一人のお客さんにとまりすぎてるから、そうすっと、30分と5分だから6倍違うじゃん。だから稼ぎが6倍ぐらい変わるんじゃないか、と思っちゃうよ俺は。
(テノヒラ)あーははは。たしかにそうですね。んーー。
(恭平)そうなんよ。そしたら次の日他の人にサービスができなくなると、やっぱ喫茶店っていうのは機能ができないから。
(テノヒラ)うんうんうんうんうんうん。なるほどー。
(恭平)そうそうそう。そっちも同時に考えるの、俺、だから。やっぱね、ただのほんとに心優しかったり、心開いたり、人のことむっちゃ考えるだけでは、やっぱりダメだから、それを考えながらもう一人の自分はポーンって上に飛ばして、じゃあここの経済システムをどうしよっか、ってのをむっっちゃ冷静に考えてる人、みたいなのがいるんだよね。
(テノヒラ)んんー、そう。
(恭平)俺は、分裂をその、喜んでやっちゃってるから。「また生まれました、新しい子がー」って言って。
(テノヒラ)事務の人もそうですか?
(恭平)そうそう、ジムもそうでしょ。
(テノヒラ)はー、たしかにんーなかなか、そうですね…。
(恭平)まぁまぁま、なかなかできないけど、まあよかったら送って。こんなに俺がさあ、好いてるんだから。全然もう心配ないでしょ、だから。もう、困ったら恭平さんに相談でいいんじゃないの、ダメ?
(テノヒラ)ひゃ、そう、あの、自分ではやっぱり自分のことがわからなかったことを、こうやって…、
(恭平)そうそう、いや、それは当然だよ。
(テノヒラ)言っていただけたのがすごい、あのー、良かったです。
(恭平)まだ、疲れないの?テノヒラ。疲れたら、切りますって言った方がいいよ?
(テノヒラ)あはっ、ちょっと疲れました…。
(恭平)まだ居れます、っていうならまだ居た方がいいけど。じゃ、ちょっと待って、ちょっと待って、ケンちゃんがちょっと。

=ショートメール=
<ケンちゃん「ラジオ聞いてる、なんとか大丈夫です。ありがとうございます!」>
(恭平)だって。ごめん、ケンちゃんのこと忘れちゃった、俺テノヒラに夢中で。
(テノヒラ)あはははは!
(恭平)テノヒラに夢中になって、なりすぎてごめん!
(テノヒラ)・・・ケンちゃん…!
(恭平)なりすぎてごめん!
(テノヒラ)はい。
(恭平)ちょっと、よいしょ、ヤバいっしょ。

=ショートメール=
<ケン「なんとか大丈夫です、ラジオ聞いてます!」>
<恭平「テノヒラに夢中になりすぎてごめん!」>

(恭平)お前が、お前がキューピッドだからな!ドゥフッ、ハッハッハッハッハ笑…!
(テノヒラ)…!はー。
(恭平)キューピッドだから、今度ごちそうする!
(テノヒラ)はははは・・・。
(恭平)ほら、これでまた、ほら、もう経済が発生してるじゃん。ね。意味わかんないよね。俺はケンを助けてるつもりだったけど、ケンによって、テノヒラと俺、会っちゃったことが、ほら、そっちの方がもう、美しすぎるじゃん。もう一日さ、仕事行けたなって思ってさ、まぁそのなんつうの、俺からしたらさ、まぁま、そんなんどうでもいいよ、みたいになるじゃん。ほんとは今、ケンのために18時までラジオするってなるとさ、ケンがほんとは俺をさ、30万で貸し切りしなきゃいけないっていう経済になるじゃんね。
(テノヒラ)うんうん。
(恭平)だけど、今もうテノヒラと俺が会って、俺がテノヒラに夢中になって、しかもなんかもう、テノヒラも旦那さんいるし俺も妻いるし、なんかもう俺らなりの新しい関係を見つけなきゃいけないみたいなことを俺が考えてること自体が幸せじゃん今。何を俺こんなこと考えてんだろうと思いながらさ。そうすっとケンちゃんにも10万円ぐらい払わなきゃいけない、と思っちゃうのよね。
(テノヒラ)は、うん、私もケンさんに払いたいぐらいです、そんな・・・恭平さんが。
(恭平)ブハハ・・・!じょ、冗談!笑!テノヒラも意外とほら、ねー、旦那さんにちょっと伝えたらなんか、旦那さんからもお小遣いちょっともらえそうだけどね、ちょっと。
(テノヒラ)はい。
(恭平)プラスアルファでけっこうお金払えそうよね、俺ら二人でね。
(テノヒラ)そうってこんなにこう・・・、
(恭平)ねー、なんか私たちを結びつけて・・・ウッ、フフフフ!
(テノヒラ)いじばせん(→1万円? ※3)ぐらいは・・・。 →※3(5:42:57付近)
(恭平)この勘違いが面白いね・・・、ッフフフフ!いやあ、うれしいうれしい。
(テノヒラ)はい。
(恭平)いやいや素晴らしい回じゃないよ、このラジオ、毎日やりたいよ俺。もう、毎日24時間やるっていう夢があったんだけど、これ、夢実現しちゃってるよ、俺。俺、これしながらずーっと仕事できるんだ。だってもう仕事今、やっちゃってるし、実は。
(テノヒラ)あ・・・、きょ、きょ、きょ、恭平さん、ちょ、ちょっと、あの・・・、
(恭平)トイレ行ってくる?
(テノヒラ)いや、あのー、ちょっと疲れに…きました・・・。
(恭平)あー疲れてきた?
(テノヒラ)そうです・・・はい。でも・・・。
(恭平)頑張った、頑張った。じゃあみんな、拍手お願いします!テノヒラよく頑張ったよ。
(テノヒラ)ははは、いえ・・・。もう光栄な時間でした。ありがとうございます。
(恭平)うん、いいよ。あとでじゃあ、ショートメールだけ送っといて。
(テノヒラ)わかりました・・・ありがとうございます。。
(恭平)はーい、じゃあ。ありがとね。
(テノヒラ)みなさんもありがとうございました。
(恭平)はーい。
(テノヒラ)はい。

=テノヒラOFF=

(恭平)・・・ブッフフフハッハハハハ!ああ、おかしいね、ちょっと。ちょっと一回、家帰ろっか。ハアッ!(咳払い)もう、おかしいんだからみなさん。さてさて。仕事場がね、上が、家なんで、楽ちんっていいますか。
<歩く音>
(恭平)ちょっと待ってね。お腹が、お腹がへったよね。
<チャリンチャリン・・・鍵、ドアの音>
(恭平)俺、なんか今日忘れてたっけ。今日あれか。駄菓子屋に行って、むろやに行って、買ってあげなきゃ。あ、それを、見よう。
<チャリンチャリン・・・鍵、ドア、歩く音>
(恭平)ちょっと、トイレ、トイレ行こ。トイレ。まずはトイレ行って。
<バタン!・・・ドアの音>
(恭平)で、今日は、もう、何歳だっけな、4歳ぐらいの俺の親友のコウタロウっていうんだけど、コウタロウに、スーパーボールの駄菓子屋とかに売ってある、あのスーパーボールのセットみたいなのを、俺の家の前が駄菓子屋のそのなんての、卸しだから、全部あって、それをだから買ってあげるって言っちゃったらしくて、もう買ってあげなきゃいけないからなー。ふー・・・いやいや・・・。
<少し沈黙>
(恭平)うーん、面白い。もう・・・笑っちゃいますけど。ちょっと、まぁみなさんの、えーとなんだったっけな、ブッフ!ちょっとリクエストが溜まってきちゃってるんだけど。リクエストはー、えーと・・・この、ノモナキ?ちょっと、トイレしながらでいい?ごめん、ちょっともう。ナ、ナモナキ、ナモナキ!ちょっと、まぁ、今、おしっこしながらだけど。座ってしてますから、こぼさないんで大丈夫でーす。・・・来る?ナモナキ。来ない?押しちゃってよ、マイク、ON。

=ナモナキON=

(ナモナキ)あ、大丈夫です、終わってからで・・・っふふっ・・・。
(恭平)あ、いや、いいよいいよ、しながらで。
(ナモナキ)いや、なんか。
(恭平)どうしたの?
(ナモナキ)いや・・・、いろいろお話聞いてたら、なんだか・・・。
(恭平)なんかちょっと、テノヒラの店でバイトしてくれそうな子じゃん。
(ナモナキ)えええっヘ!?笑。・・・テノヒラさんの・・・?
(恭平)そうそ、ナモナキみたいな声なんだよな。ちょっとその、ちょっと低めの感じで、ある程度ガードもできる系のやつ。
(ナモナキ)ガ、ガード・・・うーん。
(恭平)うーん、ナモナキは、ちょっとガードできるでしょ、なんとなく入ってこようとしてる人でも。
(ナモナキ)あー多分、テノヒラさんよりはできる気がしますね。
(恭平)そうそうそう、テノヒラはちょっと、もうなんかもう・・・ね?あのタイプはちょっともう、なんてーか、ちょっともう、押し倒したらなんか、イヤイヤ言いながらおかしくなっていくパターンだから、気をつけてほしいよね、ほんとにね。
(ナモナキ)んーなんか、妖精さんみたいな。
(恭平)なになにヨウセイさん?あー、妖精ね。もう、俺、テノヒラの絵―描ける、まさに俺もね、天使みたいに羽根生えてた、
(ナモナキ)うううん。たしかに。
(恭平、ナモナキ)ハハハハ・・・笑!
(恭平)んーで、ナモナキはどうしたの?
(ナモナキ)や、まぁ、大した悩みじゃないけど・・・すいません、なんかこんな機会で・・・、
(恭平)ちょっと待ってちょっと、なになになに?
(ナモナキ)いや、なんか。
(恭平)どうしたの?
(ナモナキ)えー、春ぐらいから、ですね、なんか、依頼されてた仕事があって・・・、で、それをやろうと思ってたんですけど、ちょっとこちらの、なんか言い方とか、進め方が、なんか、気持ちが削がれたって言って、で、仕事がなくなって。で、そん時にあのー、いろいろ今日も、お話伺ってて、なんかあのー、さっき、ポーンって飛ぶみたいな、話あったじゃないですか。
(恭平)うんうん。
(ナモナキ)なんかそういう、私もお金じゃないところでいろいろ、やりたいこともあるし、あとなんか、頼まれたことで、お金、あの、値付けをしなきゃいけない時に、そのなんか、さっきの、ちょっと前の方が、あのー、「練習が足りない」みたいな話があって。
(恭平)うんうん。
(ナモナキ)あー私もかなぁって聞いてたら、恭平さんは「あー、それはもう資質だから。」みたいな。
(恭平)ンッフフフフフフフ!
(ナモナキ)あはは!おっしゃってて、ああー、資質なのかぁって思いながら。
(恭平)まあ、それぞれの役割ってことだよね。
(ナモナキ)そうですね。
(恭平)んー、や、別にほら、それがすごくて、恭平さんがすごいみたいな感じだけじゃあ、終わったらさ、つまんなくて。やっぱりそれは、ナモナキにはナモナキのほら、やっぱりバイトでちょっとテノヒラを守ってくれる、そのー、やっぱ役割なんだよね。
(ナモナキ)まあ・・・ね、近かったら行きたいですけどね。
(恭平)そうそう、それができるってことだと思うよ。
(ナモナキ)うーん。まあ。
<後ろで誰か人の気配、「暑い!」という声>
(恭平)まあまあ、でもその仕事、やりたくなかったからやんなくていいんだよ。・・・フーちゃんは?
(ナモナキ)ね。うん。
(恭平)あ、フーちゃんが、来ました。
(ナモナキ)あ。

<フーちゃんに向かって>
(恭平)いやあ、今日ね、言ったっけ?ほら、ケンくんっていう、ゲンに、名前が似てるから、それで会社に行けない・・・そ、なんでそんな汗かいてるんだ?お前。
(フー)え?いま外行ってきたとこ?
(恭平)ほんと、そっか。それで、ケンくんが、今会社に行けるかどうかを、それで会社にまず行ったのよ。
(フー)うん。
(恭平)それでなんか、今お昼まで粘れて。で、18時まで、もうケンくんが、退社するのを見守るためにラジオやることになっちゃって、18時まで。
(フー)ケンくんはそれを聞いてられない?
(恭平)そうそうそう、いま今聞いてんの、今聞いてんの。「ケンくん頑張れ」って言ってあげて?
(フー)・・・ガンバレ。(小さな平たいかわいい声)
(恭平)フッフフフフ!声がかわいいから百点!でフーちゃん、俺もうお腹がへってるんよ~。おにぎりなんか、握って持ってきてよん。
(フー)はーい。
(恭平)で、今日コウタロウにあの、スーパーボール買ってあげないといかんの。んー。
(フー)・・・(聞き取れない小声)…
(恭平)何?来てない、来てない。

<ナモナキに向かって>
(恭平)あーごめんごめん、ナモナキどうした?
(ナモナキ)えー。そうですね、んん、もう、何、何を相談したいのかわかんなくなってきたんですけど。
(恭平)そっかそっか。でも、でも、なんかもうわかんないけど、そのナモナキはちょっと、俺からするとほら、もう、ね。ここちょっと動かんといかんよなぁって時に、ナモナキに言ったら、「ああ、そうですね、私行きますよ、ヒマなんで」って言ってくれそうなやつだから。いいんじゃないの、それで。その役目でいいんじゃない?
(ナモナキ)その役目で・・・、んー。
(恭平)うん。
(ナモナキ)あーそれで、なんか、恭平さんみたいな、感じで、飛び抜けた、感じで、なんか、「そんな、お金なんか関係ないから」みたいな。
(恭平)ああ、言っていってやりたいって?
(ナモナキ)動きたいけど、やっぱ、自分は一般の、ちょっと、そんな、ね。守りたいし、みたいなところがあるし。
(恭平)あーそっかそっか。いやー、そこはちゃんと、むしろ、ちょっと事細かく考えた方がいいんじゃない?金は関係がないとか言いながら、家賃はいくらのとこだと行けんのかとか。
(ナモナキ)あーそれはね、いつも考えてる。
(恭平)それをちゃんと、それはイメージすれば全然いいだけだから。
(ナモナキ)うんー、そうですね。
(恭平)うん。俺はだって、路上でその、寝っ転がりながらさ、絵ー描いてたらその日にさ、なんか600万稼ぎました、みたいに言っちゃうから、そっちまでいっちゃうからさ。
(ナモナキ)んー、ふふ。
(恭平)だから、そう、それはでも、やっぱりこう、なんてのかな、ここは、さすがに俺、亀仙人だから。いきなりみんな、かめはめ波出せないからやっぱり。
(ナモナキ)うん。
(恭平)・・・フフフフフ!・・・だから、どこの方向の修行したいかって思うだけでもいいじゃん。
(ナモナキ)そうですね。だからそれで言うと私・・・。
(恭平)んー、ナモナキってなんか、ちゃんとやる子だけどな。何の仕事してる?デザインの仕事してんだっけ?DTP的な?パソコン、Webデザインみたいな?
(ナモナキ)やーそういうのはできないんですけど、頼まれて絵描いたり、写真、とか。
(恭平)あーあーあー。そっかそっか。だからそれでいいんだよ。それで、えーと、頼まれて絵描いたりするのを、やりまくってる?
(ナモナキ)そう。
(恭平)あのー、まぁわかんないけど、俺の弟子でさ、一番上の弟子だったヨネってやつがいるんだけど、そいつがその、今回「坂口恭平生活地図」も全部描いてくれて。
(ナモナキ)うーん。
(恭平)で、あいつは、今すーんごい売れっ子なんだって、気づいたら。
(ナモナキ)うーん。
(恭平)で、なんか、あいつは悩んでた。はじめ、自分の作品みたいの出さなきゃいけないかもしれないっつってたけど。
(ナモナキ)うん。
(恭平)なんかお前、そういうのじゃなくない?みたいな。なんか、人の手伝いしてあげりゃあいいじゃんとか言ってたら、そっち側でうまくいっちゃったんだよ。
(ナモナキ)うんー。
(恭平)企業や行政から描いてって言ってんの、彼は描いてあげて、もちろんそれはその、その、自分なりのものを出さなきゃいけないけど、だからといって自分出さなきゃいけないわけでもないんじゃない、みたいな。だからナモナキは勘違いしてんのは、自分出さなきゃいけないと思いこんでるっていうところかもしれないよ。
(ナモナキ)あーでもー、それはそうですね。けっこう頼まれてやる方が向いてるって感じてるけど、それがすごく、自分がやりたいからってやってる人に憧れたりもするんです。
(恭平)そうそう。でも、時々俺が、ナモナキをほめればいいってだけなんよ。「お前のそういうところがいい」っていうやつが一人いればバッチリなんだけど、そういう人がいないから訳わかんないから、自分でなんかその、どっか、スペシャルな部分がないとダメだ、みたいな感じになりすぎるんよ。
(ナモナキ)ううーん、そう…。
(恭平)だけどナモナキは多分、そういう人じゃないから。
(ナモナキ)ん。
(恭平)だから、こういうことよ。俺だから、もう、5万人以上、人の声聞いてっから。もうさ、頭おかしいぐらいもう、全部見えちゃう、多分。
(ナモナキ)うわぁ、すごい、ことですよね。
(恭平)そう、だから、ナモナキは、頼むから、自我を、失うことの訓練をしろ。
(ナモナキ)うーん…。
(恭平)自我を失うって、ま、自我をなくすっていう練習なんだけど、それは、「言われたとおりにやる」という練習なんよね。だけど、俺の、この前、見てたか知らないけど、金沢の、金沢行った時に、俺がN-HOUSEっていう建築家の吉村くんと会った時にね?その吉村さんの建築、俺最高だ、って思ってるんだけど、21世紀美術館を設計した子なんよ。その施主からね、俺何て言われたと思う?「吉村くんはいいんだよ、私の言うとおりに全部やってくれたから」って。「これ言えないけどね」って。
(ナモナキ)ふ、はは。
(恭平)でもさ、俺は、それを吉村くんの中で一番いい建築だと思ってそこに近づいてるわけ。
(ナモナキ)ああ。
(恭平)つまりはよ、で、細かいとこに、見えないところにコンクリートのところに指を、俺当てたんよ。ここに絶対にグリッドがある、と思って。
(ナモナキ)うんー。
(恭平)したら、ほんとにグリッドがあった。誰からも見えないとこで。
(ナモナキ)えええー?
(恭平)で俺そこに、ヨッシーに言ったんよ。「ごめん、俺指で触っちゃったよ、グリッドあったよ」っつったら、「恭平くんありがとう…」って。「しかも施主は…、自分の言うとおりに全部やってくれてると思いこんでるよ」つったら、うれしいって言って。
(ナモナキ)えええー。
(恭平)「俺は、これはほんっとうに最高の建築だと思うよ」。「恭平くんみたいな人がいてくれてありがとう」。これが俺らの会話よ。
(ナモナキ)えええー…。なんか、いいですね。
(恭平)そういうことよ。だからそういうオツな会話をしないとダメなの。オツな会話が足りない、ナモナキは。
(ナモナキ)ああー。オツな会話。んー気が利かないかもしれない。
(恭平)いや、ちがうちがうちがう、違うの。そういうしゃれたやつと会えばいいだけなの。
(ナモナキ)ん、んー、まあでも、まわりの人はすごい、しゃれてるなぁって思いますけどね。うん。
(恭平)うん。だから自分のそういう子とかに伝えればいい。
(ナモナキ)うん、そう。
(恭平)だから自分の、だからなんでそういう会話をしないのかって、簡単だぜ?
(ナモナキ)ん?
(恭平)頼まれ仕事だと思ってるものを自分が見せないからだよ。
(ナモナキ)頼まれ仕事を?
(恭平)自分の中で、しゃれてるなあと思う人には、自分が一人で絵ー描いた、絵の方を見せちゃうんよ。
(ナモナキ)うーん。
(恭平)で、俺が思うには、自分が一番しゃれてると思う人に、自分が、そのなんつうの、なんならもう言われっぱなしの、それこそ建築家って全部言われっぱなしだから。
(ナモナキ)うーん。
(恭平)だから言われっぱなしだと思う、その、作品を自分の作品って思えるところまでちゃんと変形させて、ちゃんと見せないと。
(ナモナキ)ん。
(恭平)「私はいつか絵を描きたいんですよ、今はお金のためにこんなデザインやってんですよ」っていう自分の思考回路をぶっこわさないかぎり、ダメなんだよ。
(ナモナキ)…うーん。
(恭平)どんな時でも大事じゃん、だってどんな時だって。
(ナモナキ)まあ…、でも両方…、
(恭平)いや両方とかじゃなくて、それが一つだってことに気づいた方がいいんよ。
(ナモナキ)んー?
(恭平)だって俺、俺一、一秒もないよ、多分。これは、金のためで、これは金じゃないのでっていうのが一秒もない。
(ナモナキ)ね、そういう風に。
(恭平)だってこの電話はなんなの?ってなるじゃん。
(ナモナキ)フッ笑、そうですね。
(恭平)このスペースなんなの?って。
(ナモナキ)うーん。ほんとに。
(恭平)仕事のため?なんなの、ケンを守るためだよ!ブフフフフ…!
(ナモナキ)え、ケンさん、そうですよ。
(恭平)…(笑)…そう。だから、それだけじゃん。
(ナモナキ)だから、まあ、私も絵描いてるけど、そのーずっと、お話聞いてたら、まあ、Twitterとかで見てるとなんかスケール小さいわなぁ~って思いながらまぁ、自分の?なんか大切にしたい生活の範囲っていうか、を、続けたいと思って、日々、やってる…。
(恭平)なるほど。でもお前、別になんも問題ないやろ、それ。相談する必要ないよ。話したかっただけじゃないか、俺と。
(ナモナキ)あー、話したかっただけかもしれないですね。そのまあ、まだその、ね、自分の中でも考えると…、
(恭平)ちょっと待って。ケンちゃんからメール来た、ケンちゃんから。
(ナモナキ)あ、はい。
(恭平)ちょっと待って。えーと、

=ショートメール=
<恭平「テノヒラに夢中になりすぎてごめん!お前がキューピッドだから今度ごちそうします」っつったら、
ケン「いえ、とんでもないです!僕がごちそうしないといけないです!」>

(ナモナキ)おっほ!
(恭平)ハハハハ!優しい、みんな。優しい、もうみんなが優しすぎて…、もう、テノヒラまでお金を払おうとしてるんだからさ、したら

=ショートメール=
<恭平「ちょっと今度、3人でオフ会しよう」って。
ケン「えっ、ほんとですか?それを希望に生きられます!」
恭平「じゃあ、18時までいけるな!」>

(恭平)ああ、いいね。
(ナモナキ)18時まで、すごい。
(恭平)いけるかもね、あいつ。
(ナモナキ)…うん。
(恭平)…いいねぇ。テノヒラも一緒に3人で飲もう。ってかお前もじゃあ入りたいんじゃない?それ。
(ナモナキ)…やぁ……、ね。
(恭平)だってお前、テノヒラの仕事場、紹介したいしな。
(ナモナキ)ああ、もしね、そっちの方に行くことがあったら、お邪魔してみたいです。
(恭平)ああ。じゃあちょっと、ナモナキも、連れてくわ、フフフッハッハッハッハッハッハ!
(ナモナキ)っふ、ほんとうかな~?ふふっ。
(恭平)フハハ、ヤバいよ!それぞれさ、名前がみんないいよね、俺テノヒラとナモナキ、カタカナでやってんだけど。いいよお前ら。…でも、まぁちょっと別の話していい?
(ナモナキ)うん。
(恭平)ナモナキは、ちょっと男っぽすぎるぞ。雰囲気は。むっちゃ女性の魅力でかたまってんのに。
(ナモナキ)んーーん。そうですかね?別に…。
(恭平)うん、女性がすっごい、ほんと。
(ナモナキ)うん?
(恭平)いやーだから、さっぱり系じゃなくていいんじゃないって感じ。なんてか。もうちょっと。もぅちょっと。トロンと。トローンと。ウッフフフフ・・・!
(ナモナキ)はは、わからない・・・。
(恭平)わかんない、わかんないけど。なんかもうちょっと、そこらへんの、なんかネジゆるめると良さそうな感じもしますね。
(ナモナキ)やっぱり、ね、これってー・・・あ。
(恭平)ときどきワンピースとか着てみたら。
(ナモナキ)ワンピースは着ないですねーあんまり。ねー。
(恭平)ねー。ちょっとワンピース、ちょっとワンピース着てよ。なんかさ、紺のさぁ、すごいブルーの、すっごいきれい。青色好き?
(ナモナキ)うんー・・・。
(恭平)青の好きなマスティ色(? →※4)のさぁ、ストーンと落ちるような、なんかきれいなワンピース。 →※4(5:58:48付近)
(ナモナキ)きれいなワンピース。いいですねー。
(恭平)うん。
(ナモナキ)青。
(恭平)どう?そういうの、そういうの買ってみようよ。
(ナモナキ)ねー、そういうの、自分で作れたらいいんですよね、いちばん。
(恭平)えぇー面白いじゃん。じゃーちょっと、青のワンピースを、じゃあ布、布を作って・・・。
(ナモナキ)やー、やんない、っふふふふふふ・・・笑。
(恭平)やんないの。
(ナモナキ)やー、ね。
(恭平)えぇー、え、ちょっとだから、ちょっと、上の方の皮膚も出るような感じのワンピース着てみてよ。
(ナモナキ)あ、それはすごい素晴らしく作ってる人がいたら、その人から買えるように頑張りたいですね。私は、もう。
(恭平)ええー、いいじゃん。なんかでも、お前も、いいやつだからな。人を尊重することが得意な人だよ。
(ナモナキ)そう・・・ですかね?
(恭平)と思うよ。すごいなんか上手っていうか。人を尊重する、まぁ礼儀を非常に重んじる人。
(ナモナキ)んーそれだったら。いいです、ね。うん。
(恭平)うん。なんだよこれ、人材のかたまりなの?うちの人材派遣会社。
(ナモナキ)あっは、は!人材派遣会社?

<以上、5:59:59まで~>

聞き取り困難な箇所
※1 (5:27:07付近)テノヒラ「おぶされすぎるor負わされすぎる(→?)と、多すぎて・・・。」
※2 (5:28:59付近)恭平「きつつかれ(→気疲れor傷つかれ?)るんだよ。もっと入っていかないと。」
※3(5:42:57付近)テノヒラ「いじばせん(→1万円?)ぐらいは・・・。」
※4(5:58:48付近)恭平「青の好きなマスティ色( →?) のさぁ、ストーンと落ちるような、なんかきれいなワンピース。」

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