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新幹線のぞみ自由席のクルエラ

博多出張で手配された新幹線のぞみの指定席を盛大に乗りすごし、1時間遅れで後発の自由席になんとか滑り込んだトンマなわたしに与えられていたのは、ディズニー「101匹わんちゃん」の魅惑的なヴィラン🦹‍♀️、クルエラ様のような素敵なレディの隣の席だった。
(そこしか空いてなかった)

白と黒のマーブルの毛皮(フェイクファー)、キラキラのスパンコールが練り込まれた人魚姫の鱗を思わせるタイトなニットのスカート、すべての表面にスタッズがビッシリと敷きつめられた先端のとがったストラップのピンヒール。
彼女独自の美意識によって構成されたファッションに心を撃たれる。
平均化した何の変哲もないファストファッションで身を固め無難に存在するより、私はこれが着たい、私は社会に自分をこう見せたい、をはっきりとファッションで現している熱さ。こういう攻めた扮装は、武装でもあるがパワーがいるのだ。

ホットコーヒーを持ち込んだため、片手が塞がりリュックを荷だなにあげることもできず、一旦全ての荷物を抱えたままとりあえずコーヒーを飲み干すことに集中した。
下手にテーブルの上にコーヒーを置いて、荷だなに気を取られてる間にコーヒーがこぼれたら?
新幹線にコーヒー持ち込みは危険だとわかりながら何度も同じ過ちを繰り返す。
同行人がいたら「持ってて」といえるが、今日はひとり。まさかクルエラ様に「持っててもらえますか?」なんて言えないよなぁと想像してニヤニヤする。

クルエラ様は窓から入る光を使って手鏡で念入りにメイクをチェック。ボリューミィなフェイクファーのふわふわが隣に座るわたしの肘掛けをさらに越境して迫ってくる。

そうこうしてる間に新大阪に到着。
そして彼女は降りていった。
クルエラ様でも自由席に乗るんだなあ。
一瞬でも隣の席に座れて光栄💺

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