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あの匿名掲示板と、いまさらながらのオンプレ(プライベートクラウド)とパブリッククラウド(IaaS、PaaS)の違い

まず、これをなぜ書こうかと思ったかです。
あの匿名掲示板の規制乱発を見て、なんとなく思ったのが、あそこはまだオンプレのはずで、多分、リソースがまた逼迫してきた。
そこで規制で流入の制限をかけたいと感じたから。
もう、PVを稼いでくれない書き込みはいらない。
失敗していますけどね。
ますます、書き込みのレベルが下がって、まとめサイトも消えている。
まとめサイトからの収入が中心になっていたので書き込みのレベルが低いとどうにもならなくて。
あそこの広告出稿価値ですが、PVは日数の少なかった今年の2月だと月間100万PVを切って、80万ぐらい。
これだと1日3万PVぐらいでUUだと1万を切っているんじゃないかな。
いまのあそこの広告を見ている限りだと1PVで10円を出しているところはとてもない。
なんとなくの予想ですが、月間1,000万円の売上がない可能性も。
あそこは海外法人で運用している体裁で為替リスクもあります。
月間の売上で億円の単位はいかないと思いますよ。
海外サーバってことで日本国内法が及ばないのですが、これもグローバルなプラットフォームの規制がどうなるかはわからなくて、日本国内から訴訟や捜査ができるようになったら、もう運営維持は不可能でしょ。
話を戻すと、あの匿名掲示板はサーバのCPU自体の増設をする余裕もストレージを増設する余裕もない。
あそこはある時期から開示請求の対応で全データ保管になったから、ストレージの維持コストはかなりかかっています。
バックアップまで取得するとストレージの維持のコストって安くありません。
運用コストで言えば、サーバ管理以外にパーマネントなエンジニアがひとり専任しないと難しいですね。
なにせ、ストレージってのはわりと故障します。それを入れ替えたりってのは大変。
サーバはXeonっぽいですけど、Xeonの世代は2世代ぐらいで、そのままじゃないかな。
本当はマルチコア・マルチスレッドのCPUに移行してサーバを減らした方がいいですけどね。
いまのXeonは60コアもありますし、これ3台くらいで、いまの匿名掲示板は運用できるでしょ。
あそこはcgiもいまや軽量な類ですから、そんなにサーバを分散する意味はない。
画像・動画データを扱わないのですが、それでもCDNは使っているようで、そこまで払っている運営はかなりきつい。
ではなぜ、匿名掲示板はパブリッククラウドにしないか?
従量課金のパブリッククラウドの料金を払い続けるだけの安定したアクセスがない。
固定費でないってのは費用の計算がとても難しい。
かと言って、前述した開示対応のためにアクセスが減ったからってサーバをシュリンクはできない。
それでリプレースもできないでオンプレを続けている。

ここからが本題。
オンプレと言っても、いまは仮想化やVDIのパブリッククラウドがほとんどで単一CPUのサーバを並列化するのはかなり減りました。
単一のCPUのサーバに単一の機能を持たせることはほぼない。
金融のような高水準の耐障害性が求められるところではありますけど、それくらい。
ここが重要なのですが、いまだってオンプレのサーバはダウンすることはあります。
ただ、ダウンした時に復帰させるタイミングとかユーザー側がコントロールできます。
そのサーバの保守ベンダーを特急で呼んだりとコントロールができます。
これがパブリッククラウドのダウンだとユーザーがコントロールできません。
パブリッククラウドは365日24時間の稼働は保証していません。
ここがオンプレの使いやすさになります。
オンプレは運用コストがかかるのですが、たしかにオンプレは専任のエンジニアがパブリッククラウドを使うより必要でコストがかかります。
ただ、いまの仮想化やVDIのサーバだとそこまで人数を張り付ける必要もありません。
わたしが知っている東証スタンダード上場企業だと、一人でやっていました。
データセンターにサーバ自体は預けていたので、24時間の死活監視はデータセンターでやっていました。
それとパブリッククラウドでも完全な管理エンジニア・レスにはならず、やはりインスタンス作成とか構成管理をやる専任のエンジニアは必要です。
いまのオンプレで自社のサーバルームで管理しているところはほぼないでしょ。
メガバンクや証券取引所になると自社というか情報子会社が管理していますが。
また、仮想化やVDIの話になりますが、オンプレだとインスタンスを自分の好みでいくらでも作れます。
もちろん、それをやるには余裕のあるリソース構成に最初にする必要がありますが、そこさえちゃんとやれば、パブリッククラウドより使いやすいです。
自社のプライベートクラウドでできないAI、IoT、ビッグデータはパブリッククラウドでやればいいです。

これも重要ですが、いまのクライアントPCって開発を含めても使うサーバをパブリック、プライベートどっちのサーバを使うというのを特に意識しないで使えます。
厳密にいえば名前解決、IPアドレスの解決が違いますが、そこだけ。
例えば、Webの業務アプリだと、URLの体系が違うぐらいでそこまで。
アプリの使い勝手自体は違わない。
開発で見るサーバも同じ。
言われるほどオンプレは悪くない。

さて、パブリッククラウドのよさです。
これは耐障害性よりリソースのスケラービリティ。
特にWebサービスだとユーザーの増減があるので、これが重要です。
たとえば、オンラインゲームだとユーザーの増減が激しいので重要です。
日本だとFintechのWebサービスも結構、クラウドを使っていて暗号資産だとほぼクラウドでやっています。
未来永劫続くサービスと考えていないのもあるでしょう。
ただし、FacebookやTwitterのメガプラットフォーマーはクラウドを使っていません。
オンプレです。
ここは匿名掲示板で問題になったデータ保全の問題があるかと。

では普通の法人ユーザーだとオンプレ、パブリッククラウドのどっちがいいか?
わかりやすく言うと、おおむね東証でプライム、スタンダードクラスの企業規模ならオンプレのプライベートクラウドが有利なことが多いです。
定常業務ならオンプレにした方がいいです。
この規模の企業だと設計開始で想定したスケールが変わることは最初さえきちんとやれば変わることはありません。
費用を固定費するメリットもあります。
ただし、SaaS利用の場合は別です。
グロースの新興企業ならパブリッククラウドかな。
まだ、組織が固定化していないのでパブリッククラウドの方がスケールの面で使いやすいかと。

最後にあそこがだめになった最大の理由。
いま、下品なYoutubeのネットウォッチが集めるネットの声ってTwitterでしょ。
Twitterはタグがあるのが強い。
タグは読むほうもわかりやすい。
若い方はもう古臭いUIの匿名掲示板を使わない。
Twitterも民主主義には遠いですけど、匿名は担保されています。
いまのあの匿名掲示板の匿名の担保ってどうにも怪しい。
ひろゆき時代はかなり担保されていましたが、いまの運営はわからないですね。
アクセスログの保全が悪いのではなく、それを流用していないとは言い切れないです。
事件が起こるのもTwitter、TikTok。
事件さえ起こらないほど過疎の匿名掲示板。
匿名掲示板は日本国内法が及ばないのが逆にあだになって、書き込みの質が担保されなくてだめです。
あとひろゆき氏に対して起こされた訴訟の賠償の債権の権利はまだ消えていないでしょ。
日本国内法でやろうとすると、その債権の行先の問題もあって。
彼らが言うにはひろゆきといまの匿名掲示板は関係ないということですが、まぁ、司法はそう思わないでしょ。
権利を実質的に引き継いでいます。
2023年の1年ぐらいで運営を継続できる収入があるか見えてくるのではないかと。
儲からないで続けるほど価値はあそこにはない。
オンプレで費用を最小限にして、なんとか続けられている。

あとはタコつぼ化して、住人が固定されている。
新しい人がちょっと書き込みをすると古い住人が追い出しをする。
Twitterは新しい人をWelcomeなんですよね。
人が変わっていくTwitterの方がおもしろいに決まっている。

最後に書けばコロナ前まではまだTwitterに匿名掲示板は離されていなかった。
ひろゆき氏がマスコミに出はじめたのもそのタイミングですかね。
その辺で古参ユーザーの下品に言えば客を集められるユーザーが飛んじゃいましたね。
なんか、アングラでもないと。
メインストリームカルチャーには興味がないんだけどねって。

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