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横浜西口のビブレとドン・キホーテの間の路地。通称・ビブ横。今日も人生をあきらめた少女がいる。 午前2時にその少女はビブ横の植え込みの前でうずくまっていた。 俺は持ってきたおにぎりを2個とペットボトルのお茶をその子の前に置いて、自分のたばこにジッポで火を点けた。少女は気づいたようだった。 「おじさん、これはなに?」 「どうせ、腹が減っているだろ。食わないなら構わない」 それを言うと、少女はおにぎりを包んでいたサランラップを乱暴にはぎ、がぶりと大きな口でおにぎりをほおばっ
土曜日の夜のUR団地がある商店街のスナック。駅からのバスの終点駅にある。この先は山でもう人は住んでいない。 客はこの団地に住んでいる男女数人。 地元スナックにラブアフェアなどないはずだったのだが… また、ママが僕のボトルを他の客に出して安い悪い酒でも補充したのだろうか?やけにいけない酔い方をしていた。意識は飛ばないが、いつもより、いい体が熱くなって気持ちよくなった。いつもはシーバス・リーガルの12年で、これは酔い方が上品だった。 ママと商店街の八百屋のおやじがカラオ
今週からリアル・オフィスへの出社だった。 いまの会社はコロナのパンデミックの最中に入社して、入社初日からフルリモートの勤務だった。同僚との仕事はインターネット越しでしかしたことがない。と言っても、前職はフルリモートではなかったから、はじめてのリアル・オフィス勤務でもなかった。それでも三年ぶりだ。 久しぶりに朝、早く起きて、寝間着からオフィスで見栄えがいいビジネスカジュアルに着替えた。数年ぶりにジャケットへ袖を通した。玄関のドアを開けて、外で出る時は緊張した。女性が久々にセ