見出し画像

映画『典子は、今』を見たいけど、見られない理由

なぜか昔っから映画『典子は、今』を見られないんです。どーしても見たくないっつーか。


この映画、実在のサリドマイド病患者・辻典子さんを描いたもので、当時、すごく話題になりました。


監督は松山善三で、木下惠介門下の秘蔵っ子です。

高峰秀子のダンナさんで、彼女の様々な名随筆に顔をあらわす、貧しいけれど誠実で美しい青年です。

だから見てみたい気持ちはあるのですが、どーも見られません。


なぜかと考えてみると、主人公の辻典子さんが昭和37年生まれだからだと思い至りました。


わたしは昭和40年生まれです。


つまり、わたしも、サリドマイド児になった可能性があるわけです。


つまり、辻典子さんに起こったことは、わたしのことだったかもしれないし、わたしの友だちのことだったかもしれないし、わたしの恋人のことだったのかもしれないわけです。そのことに腹がたってしょーがねーんだと思います。


サリドマイドってのはほんとにヒドい話で、本来はドイツの会社が開発した催眠鎮静薬です。


これが妊婦のつわり症状改善を目的に使用され、先天異常「サリドマイド胎芽症」を発症したり死亡する赤ちゃんがあらわれたため、発売が中止されました。


辻典子さんは、両腕がない状態で出生したそうです。また、右目の視力もほとんどない状態だそうです。


が、辻典子さん、ガッツあります。


1980年に熊本市役所に入庁し、日本のサリドマイド被害者として初めての公務員になったそうです。


その後結婚され「白井のり子」さんとなり、2人のお子さんを産み、育て、その後、文筆活動等をされているそうです。

白井のり子さんの事務所のホームページがあり、それを拝読すると、2014年に講演活動を終了されたそうです。

講演活動の終了を主題にした読売新聞「「のり子は、いま」終演」の記事の中に、こんな一節がありました。


講演で全国各地を回るうちに、映画出演時に感じた、珍しいものを見るような偏見のまなざしや、差別的な言葉は少なくなってきた。


よかったな、と。


わたしたちの若い頃より、現在の方が差別が少なくなってよかったな、と思ったら、少しハッピーになりました。


なんか、昔の同級生が精一杯がんばってるのを知ったようで、うれしかったです。典子さん、ガッツあんなぁ。いまもガッツある。すごい。