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PTA改革、どこから手を付ける?

昨日、他校のPTA会長&副会長さんから、改革について相談させてくださいとのことで、お話を伺ってきました。
この手の話、地元でやることになるので気軽にカフェとか居酒屋とかでは話せないので、音漏れ対策万全のカラオケボックスが最高です。はい。

もともと比較的もりもりのPTAだったところで、今年になっていよいよくじ引きで当たってしまった方から苦情が噴出し、運営に支障をきたす状態になってしまったとのこと。私も別ルートで、ちょっとややこしいことになっていることは聞いていた学校なので、逆に本部のみなさんが改革に前向きなことを伺って安心したところでもあります。
(基本、そんなに悪意でやってる人はいないので、みんな良かれと思ってやってるんですよ…。役員に利権なんてゼロですからね)

でまあ、役員OBや地域の方、役員の中からも改革に疑問の声があるらしく、会長さんから改革を提案したら、あまり良い反応ばかりではなかったそうです。……たぶんほとんどのPTAが初手はこうなりますよね。
「え? PTAなくしちゃうの?」という過剰反応もちらほら。

では、理解を得ながら改革を進めるにはどうすればいいのか?

現状をきちんと役員内で共有する

トラブルが起きているときに、一人でなんとかしようと抱え込む会長さんが多いのですが、少なくとも役員が一枚岩になるためには問題点は全部共有すべきです。
こんなクレームが保護者から来た、地域の人にこんなこと言われた、学校がこんな困ったことがあるって言ってる…全部、役員内には共有しましょう。
「こういうトラブルがあるから、変えたい」という理由付けがないまま「変えたい」だけが独り歩きすると「会長が勝手なこと言い出した」になること請け合いです。
まずは変えなければならない理由を、ちゃんと役員全員が把握して、同じ方を向くことです。言い換えれば「味方を作る」こと。味方がどれだけいるかで、この後の動きやすさが全然違います。

学校と密に連携をとる

学校の協力なくしては改革はできません。
まずは動き出す前に、改革しなくてはならない理由を含めて、じっくりと管理職の先生方と話をしてください。

ただ、この時も「もうお手伝いはできません」みたいな言い方をすると、学校側も拒否反応を起こしてしまうので、保護者の実情を話しつつ、教職員の忙しさに理解を示しつつ、どうやってお互いの負担感を減らして行くのかを前向きに話す雰囲気を作りましょう。
先生側の負担も減りますよ…という風に話を持っていくと、同意してくれる校長先生が多いと思います。

会長が責任を持つ覚悟を決める

よく改革失敗の体験談で、「しっかり改革したのに、翌年には元に戻っていた」みたいな話があります。
新しいシステムが動き出し、問題なく続いていくためにはやはり一年では難しいのが現実です。
一年目で準備して、二年目で一年間の行事が問題なく過ごせることを確認するまでは続ける覚悟をしてください。本来的には、二年目の終わりに各部署でマニュアル化が完成するまで面倒を見られると、おそらくそのあとは安定稼働すると思います(改革反対派の人が次期会長になってしまった場合は、この限りではありませんが…)
一年で去ると「ひっかきまわしただけの迷惑な人」になる可能性が高いです。

また、何かあったときに「説明して謝る役割」の人が絶対に必要です。
これは不本意かもしれませんが、やはり最高責任者たる会長が引き受けるしかありません。
相手も会長が謝らないと納得しない場面もあります(特に町会関係)。

会則を修正し、総会で可決する

会則に「保護者は入学と同時にPTA会員とする」みたいな記載がある場合には、取り急ぎこれを修正します。
その他にも改革を進めると、最終的には、ほぼ会則はゼロから作り直しになりますが、まずは違法性を排除するためにもここだけは大至急修正しましょう。

入退会自由の宣言と退会&入会辞退システムの確立

いよいよ、実際の改革に手を付けていきます。

まずは、全保護者に向けて「PTAは任意団体であり、入退会は自由であること」を告知します。これは法律的に必要なことなので、基本的にこれに反対する人はスルーして大丈夫です。
議論を挟む余地がありません。

この際、
・PTAに入会しなくても子どもの不利益はないこと
・子どもを対象にしたイベント(校庭開放やお祭り等)への参加制限はないこと
・ただし、PTA会員(保護者)向け(家庭教育学級や懇親会等)の行事には参加できないこと
を合わせて説明しておきましょう。

当然ながら、これをやると会員は減ります。なので、ここから先、会員と会費が減ったうえでどうしていくかを考えていかなくてはなりません。
ただ、これは全PTAが絶対に避けては通れない改革の一丁目一番地です。

最終的には「入会届」での管理に移行する必要がありますが、初年度からいきなりそこまでやるのは、よほどの少人数校でないと不可能です。
移行準備期間として説明し、「それまでの間は退会届での運用とさせていただきます」という形で理解を求めるのが良いでしょう。
(ほとんどの方が理解してくれます)

退会した人の会費徴収を止める

学納金と一緒に引き落としをしていた場合は、学校側に引き落としを止めてもらいます。
さかのぼって返金をする必要は基本的にはありませんが、そのあたりは各学校PTAの判断になります。

学校と業務委託契約書を交わす

PTA会費の徴収を学校に依頼している場合には、正式な業務委託契約書を交わしておきます。

また学校のサポートをするために、子どもの名簿を受け取っている場合にはそれについても業務委託契約書が必要です。
(学校側が旗当番を保護者に依頼するために、名簿をPTAに渡して旗当番表を作ってもらっている…という形であれば、業務委託契約が必要です)

まとめ

ひとまずここまで整備すれば、最低限いわゆる「違法PTA」からは脱することができるはず。
肌感としては、退会届の整備で退会してくる人はおそらく数パーセントで、いきなりPTAの運営に支障をきたすほどではありません。

ただ、ここから先も減っていくことは間違いないので、減っても運営できる体制、またPTA会員でいたい!と思ってもらえる体制を整えていくことは絶対に必要になっていきます。

まあ、ここから先の運営についてが問題なのですが、それはまた次回…。


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