見出し画像

PTAと教育委員会

良くPTAのトラブルを「教育委員会に相談します!」という方がいます。で、もちろん教育委員会事務局も相談として対応はしますが、基本的にはそれで何かが変わるかと言えば、そうではないんです。

PTAは社会教育法にて定められている「社会教育関係団体」という任意団体になります。で、この法律の第11条11項で「文部科学大臣及び教育委員会は社会教育関係団体の求めに応じ、これに対し、専門的技術的指導又は助言を与えることができる」とされています。

なので「PTAが求めれば」指導や助言…いわゆる、サポートはできます。

…が。

この次にある第12条で「国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、またはその事業に干渉を与えてはならない」ともされています。

つまり教育委員会に苦情を入れたとしても、PTAを解散しなさい!とか、規約をこう変えなさい!みたいな感じで、どうこうする立場にはないんですよね。

できることは、こういう苦情が来ているので気を付けてくださいね。とか、こういう対応したらどうですか?くらいのものです。
(それをプレッシャーと感じて対応するPTAもあれば、「はいはい」と聞き流すPTAもあり、その対応は別に教育委員会がとがめられることではないです)

改革しているところも、旧態依然のところも、どうこうできるかどうかは単位PTA次第です。教育委員会が命令することはできませんので、そこのところは反PTAの方も、親PTAの方も覚えておいていただくほうが良いかなと思います。

改革は、やっぱり内部(会長+本部役員)のメンバーが動かないと無理です。外部からアプローチするにしても、内部のメンバーを何らかの手段で動かさなければ変わらないので。

ただ、一般論として「PTAが任意加入の団体であること、また退会方法の周知」に関しては、人権侵害にあたるものですので、ほとんどの(ちゃんと機能している)教育委員会では、これに異を唱えることはありませんし、これに従うように求めていくはずです。

ちなみに、一部のPTAのくじ引きによる強制的な労働の状況や、過剰な負担があることについては、実は詳しく把握していない教育委員会が多いのではないかと思います。
なので、相談の電話をしたら「教育委員会は、まったくわかってない!」という事象は良く起こります。

これは怠慢とかではなく、管理する対象ではないからですね。
PTA会長会とはある程度やり取りがあるとは思いますが、現場のPTA会員の方がどんな状況に置かれているかまではまず把握していません。会長さんもそのあたりは話さない方が多いでしょうし…。

…つまりあれです。
改革をしたければ、自分がPTAの要職につくのが一番手っ取り早いです。
ぶっちゃけ会長になってしまえば、役員の一部が反対しても押し切れますしね(そうやって改革してきた会長さんが、たくさん本をだしていますのでよろしければお読みください)。

とはいえ、各地の教育委員会は、ぜひ改革をしようとするPTAの手助けをしてほしいと思います。指導や助言は教育委員会のお仕事ですからね。
法務的な助言や、トラブル時のサポート、場合によってはPTAが請け負っている学校業務の引き上げや、委託事業などでの金銭的な補助も含めて。
(任意加入にすると、単純に会費が減るためPTAはこれまで通りの金銭的負担には耐えらえません。また会員が減るということは、これまで可能だったお手伝いに関しても人員不足が発生します)

あと、校長先生の協力も必須です。
学校側と折り合いをつけながらでなければ、PTAの仕事を減らすことはできないですから。

たとえ「PTA」という名前をなくしたとしても、保護者の取りまとめや、こまごまとしたお手伝いなどは無くならない以上、「ボランティアセンター」やら「父母の会」やらと名前を変えても同様の団体は残らざるを得ません
…であれば、PTAという肩書を持っていたほうが動きやすい場面は多いのではないかと思っています。(まあ、これはうちのPTAが上位団体に非加入で、地域からの圧力もほとんどなく、学校とも良い関係を築けているからこそなのかもしれませんが)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?