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「富士高砂酒造」物語~伝統技術が繋ぐ想い~

コンセプト

富士高砂酒造は『米・水・人に想いをのせて』というコンセプトを掲げている。
「酒造りは毎年が1年生」という言葉があるように、天候・環境・造り手、何ひとつ同じ条件で始まる酒造りはない。しかし、その年のお米の特徴を即座に掴み、試験を重ねていくことで変わらない味わいを作り続けるのが富士高砂酒造杜氏の技である。

特別に樽の中を見せていただきました

歴史

1830年から酒蔵を構える富士高砂酒造。
日本酒造りには、蔵内に棲みつく天然の乳酸菌を利用しじっくり仕込む、「もと立造り」という技法があり、一般的に「山卸」と呼ばれる、乳酸菌を取り込みやすいようにすり潰す作業を行う。富士高砂はこれを廃止した「山廃仕込み」を特徴とする酒造だ。
この作業により厚みのある旨みとキレが生まれるが、加えて富士山の伏流水を使用することで、口当たりが優しく、ほのかな甘みを感じさせる酒質が実現するのだ。

杜氏、副杜氏しか入れない「もと立造り」が行われる蔵の外側から見た様子

また、「山廃仕込み」を行う日本の酒造メーカーは全体の約3%だそう。手間のかかる作業だが、米の旨味を最大限に引き出すための最善策として伝えられてきた伝統技術である。

作り手の想い

富士高砂酒造が目指すのは飲んで頂いた方が、笑顔になれるようなお酒。
そして、お酒は料理があって輝くもの、味も香りも突出しない様に醸しているそうだ。

富士高砂が使用するのは霊峰富士の伏流水。100年の歳月をかけ、5層もの自然の濾過を施された発酵力の弱い超軟水となる。
酒造りは水がクリアであるほど難しいと言われている。シンプルであるからこそ粗が目立つからだ。そのため、原料処理(洗米、吸水)は特に力を入れ、丁寧な酒づくりに励んでいる。

酒造りの工程

人気商品

高砂 山廃純米大吟醸 「愛山」
溶けやすく味の出易い米と言われている「愛山」。これに無理に逆らうことなく、米の持つ素養をそのまま生かすよう、あえて「山廃造り」で仕込んでいる。
まったりとした甘みを感じさせながらも、酸味と苦味がほどよいスパイスとなり、雑妙なハーモニーを奏でる。
日本酒初心者にも飲みやすいお酒となっている。

高砂 山廃純米大吟醸 「愛山」

季節商品

山廃純米吟醸 あらばしり無濾過生原酒

搾りの工程にて、もろみ自身の重さを利用するあらばしりはこの時期しか飲めない季節限定商品。ほのかに広がるフルーティーな香りと、力強い旨み。無濾過ならではの芳醇なコクと酸味がアクセントとなり、より豊かな味わいのある高砂自慢の飲みごたえのある一杯だ。

高砂 山廃純米吟醸 あらばしり無濾過生原酒


実績・賞・メディア掲載等

「高砂 山廃純米辛口」
IWC2019純米酒の部「金賞」「静岡・純米トロフィー」受賞
IWC2022純米酒の部「金賞」「静岡・純米トロフィー」受賞
「高砂 山廃純米吟醸」
2019インターナショナルSAKEチャレンジ「金賞」受賞
2020インターナショナルワインチャレンジ「金賞」受賞
「高砂 特別純米辛口」
2019インターナショナルサケチャレンジ「ブロンズ」受賞
Kura Master日本酒コンクール2023 純米酒の部 「金賞」受賞     などなど

取材者の感想

初めて酒蔵を見学させていただきましたが、多くの工程を経てお店に並ぶ1本ができているのだと感慨深い気持ちになりました。
また、お話を聞いている中で「酒造りは毎年が1年生」という言葉が印象的でした。毎年条件が違えば、酒造りに慣れは来ない、一見マイナスにも思えますが、毎年変わらぬ熱量でお酒に向き合うことのできる最高のモチベーションであると言えます。だからこそ今日まで伝統が受け継がれ、こだわりぬかれた商品が完成しているのだと感じました。
酒造りにおいての全ての工程は流れ作業ではなく、人の手によって進められています。そんな富士高砂酒造の商品を是非多くの人に知って、飲んでいただきたい。そんな気持ちでいっぱいになりました。

また、江戸時代から受け継がれてきた酒蔵の歴史と伝統を知っていただくために、酒蔵見学も行っております。
蔵の中を見学されたあとは、無料で試飲もできますので、ぜひ立ち寄ってみてください!

取材の様子

店舗情報  ※売店

住所::〒418-0055
静岡県富士宮市宝町9-25
TEL: 0544-27-2008
営業時間:平日:9:00~17:00
     土日祝:10:00~17:30
     休日:1月1日、1月2日
駐車場:自家用車5台、大型バス2台、マイクロバス2台
SNS
Instagram : https://www.instagram.com/fujitakasago1830/
X : https://x.com/fujitakasago
HP:富士高砂酒造株式会社



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