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【勉強帳】2023年3月改定「農林水産省生物多様性戦略」ってなに? -サクッと編-

【注】この「地域と農の勉強帳」シリーズでは、個人的な筆者の勉強資料を共有することを第一の目的としています。そのため、この記事は資料から得られる情報をもとに、”独自解釈”で内容をまとめられています。正確な情報は、必ず各リンク先をご確認ください。

 ▼「農林水産省生物多様性戦略」公式サイト

 ▼今回の主な参考元資料
農林水産省生物多様性戦略説明資料(農水省/2023年5月)


「農林水産省生物多様性戦略」とは

「農林水産省生物多様性戦略」は、生物多様性の保全を重視した農林水産業を、強く進めていくために2007年に策定された戦略だよ。

「農林水産省生物多様性戦略」は今年2023年3月に改定されたんだけど、その資料に「2030年ビジョン」という言葉が登場しているの。ちょっと見てみようか。


環境×経済が、循環&向上する社会へ


「2030年ビジョン」には、「農山漁村が育む自然の恵みを生かし、環境と経済がともに循環・向上する社会」を目指したいって書いてあったよ。世界の「経済」は、自然の恵みなしでは成り立たないものね。大切な考え方だね。

▼2030年ビジョンの基本方針は6つ
(1)農山漁村の、生物多様性と生態系サービスの保全
(2)農林水産業による地球環境への影響の低減と、保全への貢献
(3)サプライチェーン全体での取組
(4)生物多様性への理解と、行動変容の促進
(5)政策手法のグリーン化
(6)実施体制の強化

農水省「農林水産省生物多様性戦略について」


 「ネイチャーポジティブ」に取り組もう


また新しい言葉が出てきたね。日本語では「自然再興」だって。ちょっとむずかしいね。

つまり、人間はこれまで自然にたくさんダメージ与えてきてしまったから、「自然のダメージを力を合わせて回復させよう!」っていうのがネイチャーポジティブの考え方なんだ。

これは世界的な動きでね、
アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ・日本の7か国が集まった「G7サミット(2021年6月@イギリス)」で、「2030年までに生物多様性の損失を止めて、 生物多様性を回復させるため、緊急行動をとってくぞ!」「2030年自然協約」)と決めて、この4つの「柱」に取り組むことになったの。

1)移行=自然資源の持続可能で合法的な利用への移行を主導する
2)投資=自然に投資して、ネイチャーポジティブな経済を促進する
3)保全=野心的な世界目標等を通じたものを含め、自然を保護、保全、回復させる
4)説明責任=自然に対する説明責任及びコミットメントの実施を優先する

環境省「ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて」

人間が自然に与えたダメージは、
これからは世界中の「経済」にも大打撃を与えることがわかっているんだって。自然もダメ、経済もダメだったら、生きていけないよね。だから社会経済活動をしている世界中の人たちを総動員して、「ネイチャーポジティブ」を実現していこうとしているんだ。もちろん、君もその一員だよ。



ネイチャーポジティブに連携しよう

世界中が期待する、10個のアクションが掲げられていたので紹介するよ!
君はどれができる?

▼国民

 <具体的アクション>
 普段利用してる商品・サービスと生物多様性との関係を知る
  ↓
 <創る未来>
よりサステナブルな選択ができるようになる

▼教育機関

<具体的アクション>
 ・「生物多様性や生態系サービス」×「日々の暮らし」との関係性を教育
 ・生物多様性損失の背景等を教育

▼メディア

 <具体的アクション>
 科学的知見を踏まえた「生物多様性保全の取組」の重要性を広く発信する

▼NGO・NPO

<具体的アクション>
活動や支援を通じた取組主体の後押しをする
  ↓
 <創る未来>
 自然の恵みを実感して、保全の知識を提供していく

▼農林漁業者

 <具体的アクション>
 ・法律を遵守する
 ・各種計画を尊重
する
  ↓
 <創る未来>
より環境負荷が低く生産性維持できる技術を活用する

▼民間企業・協同組合

 <具体的アクション>
本戦略を経営方針に組み込んだ情報を開示する
 ↓
 <目指す未来>
 生産現場の環境負荷軽減に貢献する

▼金融機関

<具体的アクション>
生物多様性を含む環境に配慮した経営を、
 持続的に行なう企業を評価
する
  ↓
 <創る未来>
環境に配慮した経営を持続的に行う企業への投資を拡大する

▼研究機関

<具体的アクション>
技術的な助言や指導取組のエビデンスデータの整備や
評価手法の開発を促進する

▼地方自治体

<具体的アクション>
 近隣自治体を含む関係機関及び関連部局間を連携させる
 ↓
 <創る未来>
 地域の生物多様性を保全して、持続可能な利用を図る

▼政府

<具体的アクション>
農林水産省と関係省庁が地方組織を含む多様な主体と連携する
  ↓
 <目指す未来>
 取組主体の活動や情報発信等を後押しする

みんなはどれに当てはまったかな?
「国民」だと、大量生産・大量消費商品よりも、なるべくサスティナブルな選択をしていくことが地球の生物多様性を守ることにつながるんだね。



私のネイチャーポジティブ・アクション

私は「国民」「民間企業・協同組合」に当てはまったよ。
おすすめを3つ、みんなにシェアしてお別れだよ。

1.地元の農産物に触れる

地元の生産者さんの農産物を購入してみるのがおすすめだよ!その土地の食文化を守ることに繋がるし、生産者さんも私も、排気ガスを少なくできるんだ。
そしてなにより、新鮮だからこその瑞々しさに驚くよ!
直売所やマルシェ、生産者さんと交流できるイベントに行ってみるのもおすすめだよ。「自分の身体をつくってるのは食べ物なんだ」って心から実感できる体験は、今後の健康を考えるのにとってもいい機会だと思うんだ。

2.サスティナブル商品を買う

環境汚染を減らせる、エコなヘアケアブランド「エティーク」があるよ。
固形のシャンプーやトリートメント、ボディソープがあって、髪にゴシゴシなでつけて使うよ。ちょっと高いけど、一般的な容器の3本分がひとつの石鹸に詰め込まれてるものもあるよ。容器のコストカットもできて、届く時は無駄な包装もチラシも入らないからとても気持ちがいいよ。よかったら見てみてね。

3.ペーパーレスに取り組む

仕事で使う紙をなるべく減らして、オンライン化しているよ。


ではまた!
お相手は、小さなトリコを大切にするコトリコの江藤梢でした。


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