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「トライ&エラーでいいんだよ!」チャレンジできる心構えを作る | 株式会社東京木材相互市場 西村信洋 × COTEN

法人COTEN CREWになってくださった企業の方々への対談連載。今回は株式会社東京木材相互市場代表取締役の西村信洋さんです。

業界を問わずこれからの世の中で大切なマインドについて、学生時代に哲学を学んだ6代目らしい価値観のお話を聞いてみました。
対談のお相手は同じく法人COTEN CREWでもあるreborn株式会社のハブチンこと羽渕彰博さん。

法人COTEN CREWのコミュニティは、敬語を使わず「タメ語」で話すのが通例。その空気感をお伝えするため、記事内も「タメ語」のままお送りします。

西村信洋(にしむら のぶひろ)
東京都出身 妻と12歳の娘、6歳の息子の家族を大切にする、旅行好きの51歳。
1995年学習院大学文学部哲学科卒業後、同年横浜銀行入行。2003年東京木材相互市場入社。15年取締役に就任。18年代表取締役社長に就任。また21年に関東木材センター協会会長に就任。

歴史を守りながら時代の変化に敏感についていく

羽渕彰博  (以下、ハブチン):西くんの会社のホームページを見たんだけど、木材の市売りって関係者じゃないとあまり知らないよね。聞いてみたいな。

西村信洋  (以下、西くん):毎週市場で木材の競りをやっているよ。市売りはメイン事業のひとつで問屋さんと材木屋さんの仲立ちをしているんだ。材木屋さんが競り落としたものの代金をうちが取りまとめて問屋さんに請求するっていう古風なビジネスモデルを踏襲してる。

ハブチン:おもしろいね、材木も競りがあるんだ。歴史のあるビジネスモデルが受け継がれる業界で、木材とデジタルのマッチングはどう?

西くん:そういう流れが起きつつはあるよ。でもまだ課題がいろいろあって。流通の面で言うと3、4メートルの長さの木材は一般の宅配便では扱っていなかったり、木目が好みじゃなかったと言って返品しづらかったりする。まず実際に木に触れたり香りを嗅いだりがネット上ではできないしね。

ハブチン:なるほど。

西くん:世の中が何に価値を感じるかが変わってきていると思っていて。材木業界のデジタル化も時代と価値観の変化でどう発展するかな、これからかなって楽しみではあるよ。

ハブチン:コロナ禍での木材の流通に変化はあった?ウッドショックの影響とか。

西くん:需要が増えたね。コロナ禍で外国材があまり入ってこなくなったから国産材の需要が伸びたり、入ってきたとしてもめっちゃ高くなったりしたんだ。アメリカからの輸入材にも変化があってね。テレワーク需要で郊外に家を建てる人が増えて、日本に木材が入らなくなったり価格が高騰したりして。

ハブチン:材木業界も外的要因で大きく左右されていくんだね。

西くん:日本には木はたくさんあるんだけど、コストを考えると外国材の取り扱いが多くて。例えば北欧の方だと林道が簡単に作れて広々とした平原で木をスパスパ切ってポンと積んで鉄道で簡単に運べたりするんだ。でも日本ではそうはいかない、傾斜地が多いしね。切り出した木をヘリコプターで運ぶとなると高額な輸送コストがかかる。

会社はツールでいい。社員がチャレンジできる心構えを作る

西くん:時代が移りゆく中で、価値観の変動も起きて当然だな、むしろ起きないとおかしいなって思っていて。

ハブチン:どういうこと?

西くん:企業の寿命は大体30年と言われているんだけど、その中で20歳の人が70歳まで一社で働くことは難しい。新卒で就職した会社で定年まで勤め上げようってこともまず思わなくなっているんじゃないかな。じゃあ、会社としてはどうしたらいいかなって考えた時、とても大事なことに気づいたんだ。

ハブチン:それは何?

西くん:社内のみんながチャレンジできる心構えになっていくこと。これからの時代は社内でしか通用しないスキルだけでは活躍の場が限られてしまうと思うんだよね。まずチャレンジできる心構えにみんながなっていくことが大事だと思ってる。業界を問わず世の中で大切なマインドなんじゃないかな。

ハブチン:まずはチャレンジできる心構えが大事なんだね。

西くん:そうだね。だから、「やってみたらいいよ、トライ&エラーでいいんだよ!」って僕がみんなの背中を押していく。既存事業も新規事業も関係なく、一人ひとりがチャレンジできる組織風土を作っていきたいと思っているよ。
チャレンジする文化を作ること自体が僕にとってのチャレンジ。経営を引き継いで4年なんだけど、この1、2年でようやく少しずつ社内で浸透してきて手応えを実感しているよ。

ハブチン:西くん自身のチャレンジでもあるんだね。

西くん:自分で考えて自由に働くってことが大事で、会社はツールだと思ってくれていいなって。だから社外でチャレンジしたい人がいれば独立してもいい。外に出て事業が成功して一緒にビジネスをすることだってあるかもしれないしね。もし失敗した時はうちに戻ってくればいいんだ。経営者としてがんばった経験や失敗から学んだことにも意味があって、活かされていくと思うから。

ハブチン:めちゃくちゃいい話だね。

西くん:前に向かってどんどんがんばって欲しい。そして自分たちの幸せが何かも自ら定義して、その幸せに向かって進んでもらいたいなと思ってる。これから変化が起きていくのかなと思うと楽しみだよ。

ハブチン:いいね。幸せに向かって進むって!

COTEN CREWは社内教育の一環だと考えたら安い

西くん:ご縁があって一緒に仕事をしているみんなに幸せになってほしいんだ。金銭的なことではなく、心のあり方としてね。

ハブチン:西くんのそのマインドはどこから来ているの?

西くん:大学で哲学科に進んだんだよね、高校時代の恩師の影響が大きくて。恩師は、「なんで教室にいるの?人生が始まらないから外に出なさい」って言っていた倫理の先生だよ。哲学を学んだ時に、幸せって何だろうってことを考え続けたよ。人はお金持ちになったら幸せになれるかっていうとそうじゃないなって。

ハブチン:西くんはみんなに幸せになってもらいたいんだね。法人COTEN CREWになったのも関係あるの?

西くん:そうだね。まず社内のみんなにCOTEN RADIOを聞いてほしいと思ったんだ。うちの商売に直接役立つわけじゃないんだけどね。聞いてもらうことに価値があって、その価値に対して会社としてお金を払うのは当然だなって。社内教育の一環だと考えたら安いぐらいだよ。もっと払おうかなって思っちゃう(笑)。

ハブチン:もっと払ってもいいくらい価値があると思っているんだ(笑)。

西くん:「まじめに聞かなくても、ながら聞きでいいよ。車の中で聞いてもいいんだよ。」って社内では言っていて。みんなの知的好奇心が満たされて、心の琴線に入るようなフレーズにひとつでも触れれば、会社としては十分社員のためになるな、幸せにもつながるなって思っているよ。
ハブチン:COTEN RADIOがみんなの幸せにつながる社内教育のひとつになってるっていいね!


ここまでお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人:坂本リサ(Twitter: @Risa_italy )

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