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ビジネスで関わる人たちの同心円を広くしていきたい | 株式会社ギャプライズ 甲斐亮之 × COTEN

株式会社COTENの挑戦を応援してくださる、法人COTEN CREW企業の皆様をご紹介します。
COTENを通じて人文知に投資することを決めた彼ら。
日頃、どのような問題意識を持って活動されているのでしょうか。

今回は、株式会社ギャプライズ代表取締役社長の甲斐亮之さんです。

※COTENのフラットな空気感をお伝えするため、今回のインタビューはニックネームで実施し、記事もそのままお届けします。

甲斐亮之(かい・りょうじ)
1980年 宮崎県延岡に生まれる。
2001年 早稲田大学への入学を機に上京。
2005年 ギャプライズへ参画。マーケティングを包括的に担当。
2010年より執行役員WEBマーケティング責任者としてマーケティングサービスを統括。
2013年より代表取締役に就任。

まっとうな王道ビジネスをやりたくて入社した

COTENインタビュアー(以下、ーー):簡単に、事業の紹介をお願いします。

甲斐亮之(以下、カイパン):主にイスラエルを中心に、海外の進んだテクノロジーマーケティングソリューションを日本に持ってきて、お客様のマーケティング支援を行っています。

ーー起業しようと思ったきっかけは何ですか?

カイパン:実は僕はギャプライズの創業者ではなくて、創業期に入れてもらったメンバーです。宮崎出身なんですが、子どもの頃から早く一人暮らしがしたくて、とにかく東京へ出たいと思っていました。中1から新聞配達のバイトもしていました。

ーー中学1年生からバイト!?

カイパン:はい。家が貧しいわけではなく、東京に出たすぎて(笑)。なるべく使わず貯蓄してました。高校のとき、田舎に初めてコンビニができたので、そこでもバイトをしましたて。とにかく早く、宮崎の外に出たい気持ちが大きかったですね。

ーーバイト代は、学費や独立の費用に?

カイパン:そうです。田舎から出たいって気持ちがあったから東京だったらどこでもよかったんですが、当時、広末涼子が早稲田に行ったので、それなら俺も同じ大学に行こうと思いまして(笑)。早稲田って名前もかっこいいし(笑)

ーー早稲田を目指した結果はどうでした?

カイパン:現役のときはしっかり落ちましたけど、博多の全寮制の予備校に1年間行って、無事合格しました。
でも、宮崎から出るという目標が達成されたので、大学時代は、朝の10時から夜の11時くらいまで仲間とパチスロばかりしていました。うまくいってお金は増えたけど、すごくむなしかったですね。誰からも「ありがとう」と言われるお金じゃないので、すごくお金はあるけれど、本当はめちゃくちゃ嫌だった。

ーー心は荒んでいたんですね。

カイパン:だからこそ、社会人になってからは、誰かの役に立って「ありがとう」と言われたいと思ったんです。貢献して感謝してもらう、ちゃんとしたいって気持ちが、めちゃくちゃ強かったですよ。

カイパン:1社目は証券会社に就職しました。でも証券会社って手数料ビジネスなんで、お客さんが買っても負けても手数料は入ってくるんですね。それがいいとか悪いとかではなく、僕としてはすごく気持ち悪かったんです。精神的にもしんどく感じてしまって。

カイパン:同じ景色が美しいと思える同じ価値観の人と仕事がしたくて。ちゃんと相手を想像し喜ぶことをして対価をいただく、まっとうなビジネスを王道でやりたい。そんな気持ちがもともとあって、顧客志向が強いところに価値観が合致したので。ぜひ一緒にやらせてくれとギャプライズに入った感じです。

ーーお客様への価値提供がしたくて入社したんですね。実際やってみてどうでしたか?

カイパン:最初はできることが少なかったんですね。それでも、できることは100%完璧にやる。「今できなくても、明日にはできるようになるのでお願いします」みたいな気持ちで。ちゃんと正直かつ全力でやるというところが、僕の人生でもすごく大きな影響を与えてくれてるなと思いますね。結果、代表を務めさせていただいています。

ーーその姿勢が評価されて、今に繋がっているのですね。

お客様にとってのベストを尽くしたら、海外サービスに繋がった

ーー初めから海外の進んだサービスを日本に持ってくるビジネスモデルだったんですか?

カイパン:いえ、初めはランディングページを制作するところから始まりました。お客様に合わせて制作していたのですが、成果に対しての再現性が持ちづらいことが課題でした。そこで自社でマーケティングソリューションを開発し始めました。

ーー最初は自社で開発されていたのですね。

カイパン:海外で類似サービスを調査したら、我々と同じサービスを開発していてさらに3歩先の機能を実装している会社があって驚きました。お客様にベストなものを提案していくことを価値と思っているので、自作よりも海外にあるベストなものを提案した方が、僕らのやり方なんじゃないかと思って切り替えました。

ーー他社の海外サービスを見て、自社を諦める判断をされたのですね?

カイパン:そうですね。ベストなものを提供する。それによってお客様と一緒にビジネスを楽しむことが、僕らの基本的な姿勢思想なので。

ーーそれで海外に目を向けたという経緯ですね。

カイパン:たまたま最初に出会ったのがイスラエルのスタートアップ企業だったんだけど、ありがたいことにうまくいきまして。そこから全て紹介で輪が広がりました。今はメインの提携先が20社くらいです。

ーー次は何にチャレンジしていきたいですか?

カイパン:20社を、2倍ぐらいには増やしたいですね。今のモデルの延長線上でできてないことがたくさんあるので、欲張らずに計画していることを淡々とやっていきたいなと。

世界とつながり多様な考え方や視点を持っている人を作る

ー-イスラエルと日本では文化の違いで悩まされることはありませんか?

カイパン:日本の顧客は完璧を求めますが、イスラエルのスタートアップは7割しかできなくても、まずはリリースしてから、ユーザーの声を聞いて改善をしていこうという感覚で仕事をしているので、文化の違いはあります。お互いの背景を理解している私たちが調整していくことが付加価値だと思っています。

ー-まずは相手の文化を理解することが大事ですよね。

カイパン:はい、そのために彼らの歴史を理解することが重要だと考えています。例えば、イスラエルは宗教国家で、軍事的にも固い意志で独立しようとしているんです。COTEN RADIOでも、アドルフヒトラーの回などをやっていましたけど、歴史をわかりやすく伝えているのが、共感するところもあり寄付しようと考えました。

ーーそこが法人COTENCREWになった理由と繋がっていくんですね。

カイパン:今後もビジネスで関わる人たちの同心円を広くしていきたいと思っています。イスラエルはもちろん、アメリカ、オランダ、フランスなどにもどんどん広がっていて。ベンチャー界隈の仲間も、仕事が関わると当然メリットやデメリットがあるんですけど、それを乗り越えた後の人間関係や友人関係が結構面白くて。

ーーなにか印象に残ってる嬉しかった出来事とかあります?

カイパン:イスラエルへ出張へ行くと、いつも出迎えてくれてホームパーティーに呼んでくれてね。仕事だけじゃない関係性ができてるんですよね、それは素敵だなと思ってますね。ビジネスの可能性って、自分たちの関わり方次第で狭くも広くもなると感じています。

ーー本当に自分たち次第ですね。

カイパン:我々は自社サービスをもってはいないので、BS=バランスシート(貸借対照表:企業が自社の財務状況を明らかにすために作成する書類)上に資産として残るものが少ないんですよね。

ーー会計には載らない資産もありますよね。

カイパン:はい、我々にとって何が資産かというと、人だなと。仕事を通じて残せるものとして、昭和初期の政治家、後藤新平の言葉に「金を残すは三流、仕事を残すは二流、人を残すは一流」というのがあるんです。我々は人を残すことを意識しています。

ーー文化の違いを乗り越えられる人ですね。

カイパン:はい、ギャプライズの社員になったらグローバルでも通用する人材になります。BS(貸借対照表)には載らないけれど、希少性があるところはどんどん高めていきたいんですよね。

カイパン:世界とつながり多様な考え方や視点を持っている人を作るという意味では、我々がやっていることとCOTENさんがやっていることには共通点があると思っていて、今後も応援していきたいと考えています。

(編集:株式会社COTEN 内山千咲/ライター:村上光子


ここまでお読みいただきありがとうございました!

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