経営者のストーリーにワクワクする | アカウンティング・アシスト 茂田井純一 × COTEN
法人COTEN CREWになってくださった企業の方々への対談連載。今回は株式会社アカウンティング・アシストの茂田井純一さんです。
会計士として、ベンチャー/IPO分野でコンサル・社外役員をされている茂田井純一さん。歴史上の偉人や有名人のことを知りたいという好奇心と今のお仕事がどう結びついているのか、お話を伺いました。
対談のお相手は同じく法人COTEN CREWでもあるreborn株式会社のハブチンこと羽渕彰博さん。
法人COTEN CREWのコミュニティは、敬語を使わず「タメ語」で話すのが通例。その空気感をお伝えするため、記事内も「タメ語」のままお送りします。
歴史を学ぶことで引き出しが増えていく
羽渕彰博(以下、ハブチン):経営者や偉人のことを知るのが面白いって聞いたんだけど、どんなとこにワクワクするの?
茂田井純一(以下、じゅんちゃん):昔から歴史自体には興味があって、いろいろな過去の偉人と言われる人たちのストーリーを追っかけていくのが好きだったんですよね。
今の仕事に興味を持ったきっかけにもつながる部分なんだけど、経営者や会社組織のストーリーにも興味があって、そういうのを見ていくのがやっぱり楽しいんですね。
特に思い通りにやっている人たちがうらやましいなって思ってるところもあって、経営者の人たちの中でも、どちらかというとぶっ飛んでる人のストーリーの方が楽しくていいんですよ。ぶっとんでる人が多くいる場所ってどこだろう?って思ってて、気づいたらベンチャー界隈にいたっていう感じです(笑)
ハブチン:なるほどね。会計士って会社の数字や情報も見るだけでなく、経営者の人と近い場所で何してるのとかかがわかると思うし、そういう視点から会社のストーリーも見えてくるのかな。
じゅんちゃん:経営者の価値観や大切にしているものが会社に反映されてるのが楽しいし、それが会社全体に反映されていく過程を見るのも楽しいなって思うんだよね。
見ていていろいろな勉強になるのは当然だけど、なるほどそういう視点もあるなって思う気付きもある。そういう人たちを数多く見させてもらっていると、僕の中に新しい引き出しが1個ずつ増えていくんだよね。
別の経営者の人と話してるときに、その引き出しを開けて別の視点として話すこともできる。それも楽しいし面白いですね。
ハブチン:なるほど。うん。面白い。
じゅんちゃん:よく偉人に例えて「織田信長がこう言ってた」とか「あの偉人もこういう気づきがあった」って伝える人が多いけど、それにも近い感じかな。
社外役員という僕の立場的に求められてるのは、客観的にフェアに判断して意見を言うこと。だからこそ、経営者と話す時には私情があんまり入っちゃうとよくないし、できるだけ一歩引いて、いろんな人の目線でフェアに見たいんだ。
従業員の目から見たらどうか、株主や取引先からだとどう見えるか。そういうのを一つひとつ考えて、それに基づいてフェアに言えるようになりたいんですよね。
コテンラジオで出てくるメタ視点は、それに通ずるところがあるな~って。
ハブチン:社外役員であるっていうのも、一歩引いた立場ですよね。こういう事例もあるとか、組織状況や事業の状況をちょっと俯瞰してみる役割みたいなところかな。
じゅんちゃん:そうですね。中にいる社員の人たちは経営者にとっては味方だしそもそも自分を評価する上司だし、どうしても良いことしか言わないんですよ。それではやっぱり不安だから、ちょっと引いた側の意見を言ってほしいっていうニーズが必ずあるはずで、それが僕に求められてることかな。
「少しイヤなことを言うけど、でも言われてみればそれも一理あるよな」って思ってもらうのが僕の存在価値だと思ってます。
貸借対照表に表せない価値を見たい
ハブチン:いろいろな経営者や企業を見てきたじゅんちゃんに聞いてみたいんだけど、数字をしっかり管理してる企業と、見えない価値とか面白さも意識してる企業は、どっちが長期的に成長してると思う?
じゅんちゃん:確実に、数字以外も意識してる方が事業の成長はしてると思う。
ハブチン:そうなんだ!実際に見てきてそう感じるんだね。
じゅんちゃん:やっぱりモチベーションは大事だし、新しいことをやっていこうとしても、自分たちが満たされて幸せじゃないと仕事ってできないから。でもそれらは数字には表れない。
例えば、すごい良いエンジニアやアイデアを持った人たちが所属してる会社があったとするよね。でも、そういう人がいるだけで設備とかは何もなかったら、貸借対照表って現金と資本金くらいしかない。この人たちがいるんだから、会社が持ってる見える価値よりも一桁違うくらいの見えない価値があるはずだよねって思っても、それを明確に表現できない。
買う価値があると思ってくれる経営者の人って、そこに何らかの価値を見いだしてる。現金は1億しかないけど、100億で買おうかっていうときに、その金額の差をどう埋めるのか悩むんだけど、やっぱり難しいんですよね。
ハブチン:そうだよね、難しいね。
じゅんちゃん:社会が成熟してもっと進んでいくと、そこを表せるパラメータが出てくるんじゃないかな。まだ今の世の中では理論化されてないから、今は経営者のカンみたいなところになっちゃうんだけど、確実にそこの価値っていうのはあると思う。ただ、その価値の差をいま埋めるにはどうしたらいいかなって。
ハブチン:企業価値を判断するときに、設備や財産、利益とかだけじゃない部分を見ていくってことなのね。
じゅんちゃん:そうね。見えない価値をどう図るかっていうのは、会計の分野でも、研究されてるんだけど、なかなか明確な理論がなくてそこがちょっとわかってくると楽しいなとは思ってる。
新しい波紋を作る一人になれたら
ハブチン:COTENもすっきりと見えない価値がいっぱいあるんじゃないかなって思ってて。人が集まってファンが増えていくといろんな選択肢も増えるんだろうなって。
そういうところに僕は共感したんだけど、じゅんちゃんはどうして法人COTEN CREWに?
じゅんちゃん:COTENがやってることっていうのは、さっき話した数字に出てこない部分があるよね。今の資本主義のパラメータだけじゃわからないけど、でもやっぱり価値があるよねって感じたっていうところかな、法人COTEN CREWに入ろうと思ったのは。
あとは、純粋に歴史に興味があるしね。
今、ひょっとしたら世の中が大きく変わってる過程にあって、ひとつ石を投げて波紋がちょっと出てくるくらいのことができるんだったら楽しいなって。
自分は名もなき一市民だけど、みんなでそれぞれ波紋を作っていったら何かが生まれるんじゃないかって思ったんだよね。
ハブチン:いいねえ。
じゅんちゃん:同じタイミングで生まれて生きていてそこに参加できるチャンスがあるんだったら、ちょっと入ってみようかっていう感じかな。
偉人の後ろにも、教科書には載ってないけど歴史に影響を与えた人たちがたくさんいるわけで、その中の一人になれたらそれはそれで楽しいんじゃないかな。
ハブチン:めちゃくちゃいいね!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
この記事を書いた人:森まゆみ (Twitter: @march_320)
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