240. ブラウン症候群

Brown Syndrome

Fu L, Malik J. Brown Syndrome. 2023 Apr 20. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023 Jan–. PMID: 33085357.


1949年、Harold Brown博士は、内転時上転制限などを呈する新しい眼球運動性疾患8症例を初めて報告した。臨床的特徴は下斜筋麻痺と類似していたが、上斜筋の過動は少なかった。手術中にブラウンは、上腹斜筋腱の腱鞘が短縮していることを発見し、これが内転時での上転運動を制限していると考えられた。そのため、当初は「上斜筋腱鞘症候群;superior oblique tendon sheath syndrome」と呼ばれていた。さらに広範な調査を行った結果、主な臨床的特徴は、VまたはYパターンの斜視、上方視での開散、内転での下方移動、鼻側上転に対する牽引試験陽性であることが示された。後天性または先天性のものがあり、上斜筋腱の滑車への損傷、上斜筋腱自体の異常、外眼筋周囲の組織(プーリー)の異常、または上斜筋自体の先天性異常が原因となる。

ブラウン症候群に関する用語は様々であり、しばしば混乱していた。この総説では、真のブラウン症候群は先天性の原因によるものであり、上斜筋腱が硬いために常に上転が制限され、牽引試験が陽性となる。偽ブラウン症候群は、後天性、間欠性の症例と、上斜筋・腱の病態に起因しない症例を含む。診断はしばしば困難であり、病因と対処法を決定するためには、徹底した病歴聴取と臨床検査が必要である。

※コメント
VもしくはYパターンが表記されていますね。まごびいて確認いたします。

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