339. 非病的強度近視の小児において、眼圧が高いほど眼軸の成長が遅い。

Higher intraocular pressure is associated with slower axial growth in children with non-pathological high myopia

Yii FS, He M, Chappell F, Bernabeu MO, MacGillivray T, Dhillon B, Tatham A, Strang N. Eye (Lond). 2023 Dec 11. doi: 10.1038/s41433-023-02872-7. Epub ahead of print. PMID: 38081936.


目的:ZOC-BHVI強度近視コホート研究の強度近視児における眼圧(intraocular pressure:IOP)と眼軸伸長率との関連を調べること。

方法:7~12歳の非病的強度近視の健常児81人(ベースライン等価球面値:-6.25D~-15.50D)の162眼を、2年に1度の5回の診察で調査した。平均(SD)追跡期間は5.2(3.3)年であった。線形混合効果モデル(linear mixed-effects model:LMM)を用いて、眼圧(時点t-1)と眼軸伸長率(t-1からtまでのALの年間変化率)の関連を評価し、性別、年齢、角膜中心厚、前房深度、水晶体厚(時点t-1)を含むあらかじめ定義された共変量でコントロールした。LMMはまた、tにおける眼圧と眼軸長(axial length:AL)の同時期の関連を評価するためにも使用され、(tにおける)共変量のセットは前述と同じであった。

結果:眼圧が高いほど、眼軸長の成長は遅かった(β=-0.01、95%CI-0.02~-0.005、p=0.001)。眼圧とALとの間には同時期に正の相関がみられたが(β=0.03、95%CI 0.01-0.05、p=0.004)、ALに対する眼圧と年齢との間の負の交互作用効果(β=-0.01、95%CI -0.01-0.003、p=0.001)によって示されるように、この相関は年齢が高くなるにつれて徐々に小さくなった。

結論:非病的強度近視の小児において、眼圧が高いことは、眼軸の成長が速いことよりもむしろ遅いことと関連しており、この関連は、眼圧が眼球コンプライアンスに及ぼす影響の増大によって、もっともらしく混乱させられている。

※コメント
この報告のポイントとして、眼圧はゴールドマンで測定されていること。
この報告では、眼圧が高いと眼軸伸長が遅いという結果でした。
一見矛盾しているようですが、本文より、
高度の軸性近視眼から得られる高い眼圧は強膜が硬いことを示している可能性があり、これは、該当する眼が軸方向の伸長の影響を受けにくいことを意味している、とのことです。
納得です。

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