337. 出生時体重500g未満の乳児における未熟児網膜症治療の5年視力転帰: J-CRESTによる多施設コホート研究
Five-year visual outcome of treatment for retinopathy of prematurity in infants weighing less than 500 g at birth: A multicenter cohort study from J-CREST
Tomioka M, Murakami T, Okamoto F, Kinoshita T, Shinomiya K, Nishi T, Jujo T, Obata S, Tsukitome H, Ogura S, Ueda K, Ishii R, Oshika T. Retina. 2023 Dec 6. doi: 10.1097/IAE.0000000000004016. Epub ahead of print. PMID: 38064668.
目的:出生体重500g未満の乳児における未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)の5年間の治療成績を調査し、レーザー治療と抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)治療を比較する。
方法:多施設による後ろ向き研究で、1型ROPの治療を受けた13例24眼を5年間追跡した。初回治療はレーザーが13眼、抗VEGFが11眼であった。収集されたデータには、性別、出生時の特徴、治療時のROPの特徴、治療後5年間の最高矯正視力(best-corrected visual acuity:BCVA)、等価球面値(spherical equivalent:SE)、乱視が含まれた。
結果:BCVAの中央値は0.15 logMAR(IQR、0.0-0.5)であった。Snellen BCVAは73%が20/40以上、27%が20/20以上であった。SE中央値は-2.37(IQR, -6.1-0.1);75%が近視(≦-0.5D)、25%が強度近視(≦-6.0D)であった。乱視の中央値は1.25(IQR、0.9-3.0)であり、46%が1.5D以上であった。抗VEGF治療を受けた眼は近視が少なく(p<0.009)、レーザー治療を受けた眼と比較してBCVAや乱視に差はなかった(p=0.997, p=0.271)。
結論:4分の1の眼はROP治療後5年で良好な視力(Snellen BCVA 20/20以上)を示した。屈折異常は一般的であった。近視性屈折異常に関しては、抗VEGF療法はレーザー治療よりも優れている可能性がある。
※コメント
低出生時でも生存可能な現代における、未熟児網膜症の視覚(視力、屈折)転機の報告です。
やはりレーザー照射よりも抗VEGFで視力、屈折の結果(5年間)が良いようです。
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