165. 偏心固視の弱視:逆遮閉法(Inverse Occlusion;患眼遮閉)はまだ選択肢の一つか?

Amblyopia with Eccentric Fixation: Is Inverse Occlusion Still an Option?

Godts DJM, Mathysen DGP. J Binocul Vis Ocul Motil. 2019 Oct-Dec;69(4):131-135. doi: 10.1080/2576117X.2018.1563450. Epub 2019 Oct 4. PMID: 31584348.


目的:従来の遮閉療法に反応しない弱視と偏心固視患者に対する治療プロトコルを提示すること。
材料と方法:この連続症例シリーズでは、11名の患者(年齢3.5~5.0歳)を対象とし、全員が混合弱視と偏心固視を有し、少なくとも6か月間、1日6時間からフルタイムの健眼遮閉が良好なコンプライアンスにもかかわらず、視力(VA)の向上はわずかであった。弱視眼視力は、逆遮閉開始時に20/50~20/400であった。弱視眼の完全逆遮閉は、steadyな偏心固視をwanderingな固視に変えるために4~8週間行われた。両眼で見ることは許可されなかった。wanderingな固視が確認できるようになると、昼夜を問わず健眼を遮閉し、ほとんどの患者で弱視眼の前に赤色フィルターを置き、中心固視を刺激した。9人の患者では、固視が中心性になったため、赤色フィルターなしで健眼の遮閉を継続した。すべての小児は、コンプライアンスが良好にも関わらず2回連続(受診して)VAが向上しなくなるまで、フルタイムの遮閉を続けた。
結果:9人の子供において、弱視眼のVAは少なくとも20/32まで向上した。健眼のVAは変化しなかった。
結論:偏心固視を伴う弱視眼において、従来の遮閉ではVAの向上が不十分と思われる場合、逆遮閉法は依然として貴重な選択肢である。偏心点での固視がなくなるまでフルタイムの逆遮閉を行い、その後に健眼のフルタイム遮閉を行うべきである。弱視眼の前に赤色フィルターを置くと、中心固視を促すことができる。

※コメント
最近はあまりメジャーではありませんが、偏心固視の矯正訓練としての患眼刺激による訓練効果についての報告です。
偏心固視による弱視眼視力不良のために健眼遮閉が困難な症例へのアプローチとして、有用である可能性があります。

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