163. 成人の弱視眼と健眼はどう違うか?(不同視弱視)

How do the amblyopic and fellow eyes differ in adults?

Alis MG, Alis A, Acikalin B. J Fr Ophtalmol. 2022 Jan;45(1):74-80. doi: 10.1016/j.jfo.2021.06.010. Epub 2021 Nov 17. PMID: 34801272.


目的:成人の不同視弱視の弱視眼と健眼の違いを調べること。

材料と方法:不同視弱視患者における中心黄斑厚[central macular thickness:CMT]、中心窩下脈絡膜厚[subfoveal choroidal thickness:SFCT]、網膜神経線維層[retinal nerve fiber layer:RNFL]を、光干渉断層計[OCT]を用いて測定した。眼軸長[Axial length:AL]、前房深度[anterior chamber depth:ACD]、中心角膜厚[central corneal thickness:CCT]は光学的バイオメトリーで測定した。12個のパラメータはすべて、弱視眼と健眼で比較された。

結果: 55人の患者(近視9人、遠視46人)の合計110眼を後ろ向きに分析した。患者の年齢は17歳から55歳で、平均30.8±10.7歳であった。56.4%[n=31]が女性で、43.6%[n=24]が男性であった。平均等価球面値[SE]は、弱視眼で1.96±3.79、健眼で1.28±2.45、SFCTは弱視眼で312.00±53.03、健眼で283.47±51.91であった。SE、SFCT、ALは2群間で統計学的に有意差があった。CMT、RNFL、ACD、CCTについては、両群間に差はなかった。

結論:成人の不同視弱視では、弱視眼のSFCTは健眼のSFCTより大きい。脈絡膜は網膜層の栄養、眼球機能の発達、屈折異常などに重要な役割を担っており、その発達は屈折異常の影響を受けると考えられる。本研究では遠視が多かったので、弱視眼ではALが短かかった。CMT、RNFL、ACD、CCTの値は両群で同等であった。生体パラメータとOCTパラメータの間には、臨床的に有意な関係は見られなかった。

※コメント
生態学的なパラメータは特別違いがないということでした。
脈絡膜のみ臨床的意義がある違いかもしれません。

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