246. Monofixation with eso-, exo-, or hypertropia: 違いはあるのか?

Monofixation with eso-, exo-, or hypertropia: is there a difference?

Arnoldi K. Am Orthopt J. 2001;51:55-66. doi: 10.3368/aoj.51.1.55. PMID: 21149032.


Monofixation syndromeは、小角度の斜視患者において優れた両眼視と長期的なアライメントの安定を可能にするため、bifoveal fixationの次善の策と考えられている。この研究の目的は、視覚システムが外斜視や上斜視よりも小角度内斜視を好む解剖学的または生理学的な理由が存在するかどうかを調べることである。10Δ以下の斜視259例のうち、内斜視は最も一般的で、最も安定したmicrotropiaであった。安定性は感覚性融像、運動性融像、立体視と統計的に関連していた。Micro-ET症例は、すべての感覚カテゴリーで外斜視症例と上斜視症例を上回ったが、特に運動性融像で上回った。不安定性は、AパターンまたはVパターンの存在、斜筋機能障害、乳児内斜視の既往、重篤な弱視、屈折異常の有意な変化と関連していた。Micro-XTとHTでは、これらの徴候が現れやすかった。融像と立体視によって長期的な安定性を確保するためには、視覚野は利き目の中心窩と内斜視眼では鼻側網膜、外斜視眼では耳側網膜をリンクさせなければならない。しかし、耳側網膜の入力は解剖学的・生理学的に不利である。Micro-ETの両眼視に必要な結合に比べ、XTやHTに必要な結合は形成が難しく、いったん形成されると簡単に途切れてしまう。

※コメント
解剖学的な視点から考えると、XTやHTの方が(網膜)対応関係を構築するのが難しいのは一目瞭然です。臨床的にはsmall angleであればeso, exo, 上下でも両眼視を獲得できる場合がありますが、ET以外はangleの許容範囲が狭い可能性が高そうです。
不安定要素で斜筋異常(おそらくIO-OA)と弱視に関しては同意いたいします。

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