80. 再発性の外斜視患者において,2回目の片眼外直筋後転後のexodriftは,1回目の片眼外直筋後転後の変化よりも小さい

Comparison of Postoperative Exodrift after First Unilateral and Second Contralateral Lateral Rectus Recession in Recurrent Exotropia

Kim EY, Kim HK, Lee SY, Lee YC. Korean J Ophthalmol. 2016 Feb;30(1):48-52. doi: 10.3341/kjo.2016.30.1.48. Epub 2016 Jan 21. PMID: 26865803; PMCID: PMC4742645.


目的:small-angle XTを再発した患者において,最初の片眼外直筋(ULR)後転術の術後exodriftとその後(Re ope)の反対眼ULR後転術後のexodriftを比較すること。

方法:small-angle XTに対するULR後転術の初回施術後,25Δ以下の再発性XT患者19名に対し,2回目のULR後転術を行った結果を評価した。外直筋の後転は8~9mmであった。同じ患者に対して,1回目のULR後転術と2回目のULR後転術を行い,術後のalignmentとexodriftの程度を調査した。

結果: 1回目のULR後転術と2回目のULR後転術の間で観察された術後のalignmentは,術後6か月(7.84±4.43 vs. 3.89±3.47Δ),1年(9.58±4.97 vs. 5.21±4.94Δ)および最終フォローアップ(21.11±2.98 vs. 7.52±4.06Δ)で統計的に有意だった(p = 0.006,0.013,0.000)。最初と2回目の術後のexodriftは,3~6ヶ月後(2.89±3.75 vs. 0.63±3.45Δ)と最終フォローアップまでの1年後(11.52±5.50 vs. 2.32±3.53Δ)の間で統計的に差がみられた(p = 0.034および0.000)。最初のULR後転の患者全員が,最終フォローアップで15Δ以上のXTを示した。それにもかかわらず,2回目のULR後転後の手術成功率(8Δ未満)は,XTを再発した患者総数のうち63.16%(12名)であった。

結論:本研究では,再発性XT患者において,2回目のULR後転後のexodriftは,1回目のURL後転後の変化よりも小さいことを示す。2回目のULR後転術は,1回目のULR後転術後の偏位角が25Δ以下のsmall-angle XT患者にとって有用な手術となりうる。

※コメント
リオペの方が効果が良くなるというのを実際に示した報告です。片眼のLR-rec.後に反対眼のLR-rec.をするんだなと少し驚きました。MRは定量性がないため,やはり敬遠されてしまうのかもしれません。術後の戻りも2回目のオペ後の方が小さいようです。

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