7. 加齢に伴う眼窩結合組織の変性は,上眼瞼ではSESとして,下眼瞼ではIXTとして現れる可能性がある。

Analysis of Facial Features of Patients With Sagging Eye Syndrome and Intermittent Exotropia Compared to Controls

Kunimi K, Goseki T, Fukaya K, Takahashi S, Ishikawa E. Am J Ophthalmol. 2023 Feb;246:51-57. doi: 10.1016/j.ajo.2022.10.007. Epub 2022 Oct 18. PMID: 36270333.

目的:Sagging eye syndrome(SES)と他の眼科疾患患者の顔貌を比較し,SESに対する顔貌の診断的有用性を検討すること。
デザイン:Retrospective cross-section study
方法:2020年6月〜2021年12月までに2施設の眼科外来を受診した60歳以上のSESおよび間欠性外斜視(IXT)患者,および対照患者の顔の正面写真を評価した。3名の眼科医が,上眼瞼のくぼみ,眼瞼下垂,下まぶたの袋状について点数化し評価した。3 群間の各パラメータの平均点を分析した。緑内障,視力16/20未満,上下斜視角6 Δ以上のSES,撮影時に斜位を維持できないIXT,眼科手術の既往,美容目的でのプロスタグランジン類似体の使用は除外された。
結果:合計86名の患者を対象とした。SES23例,IXT28例,対照群35例。全員日本人であり,男性45名,女性41名であった。平均年齢は72.7±7.4歳であった。上眼瞼のくぼみのスコアはSES群で対照群およびIXT群より有意に高く(P < .001),下眼瞼の袋状のスコアは対照群よりもIXT群で有意に高かった(P < .05)。
結論:加齢に伴う眼窩結合組織の変性は,上眼瞼ではSESとして,下眼瞼ではIXTとして現れる可能性がある。

※コメント
後関先生のグループからのご報告です。 SESに対して,従来から言われている顔貌(sagging like face)が診断に有用である事を示しています。Japaneseデータというのも我々にとっては強みになるものだと思います。 IXTの結果の解釈はやや混乱を招かないかな?とも思いました。

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