194. オルソケラトロジーによる近視進行抑制の長期有効性

Long-Term Efficacy of Orthokeratology to Control Myopia Progression

Lv H, Liu Z, Li J, Wang Y, Tseng Y, Li X. Eye Contact Lens. 2023 Jul 20. doi: 10.1097/ICL.0000000000001017. Epub ahead of print. PMID: 37471255.


目的:オルソケラトロジーによる小児の近視進行抑制効果を評価し、オルソケラトロジーレンズ装用期間平均48か月における眼軸長(axial length:AL)成長率に関連する因子を検討すること。

方法:後方視的研究として、84人の被験者に眼科検査を行った。最初のレンズ装用後、平均12か月ごとにALを測定した。線形混合効果モデル(linear mixed-effects model:LMM)を用いて、各期間におけるAL成長率の差を比較した。AL変化に対する独立変数の寄与は、重回帰を用いて評価した。

結果:LMMでは、各経過観察におけるAL成長率に有意差(P<0.001)が認められた。AL増加率は、初期AL、等価球面値(spherical equivalent refractive errors:SER)、水晶体直径と関連していた(それぞれP=0.045、0.003、0.037)。ベースライン年齢を因子として含めると、初期ALとSERの影響は解析において重要ではなくなったが、年齢と水晶体直径はALの成長率と有意に相関した(それぞれP<0.001とP<0.001)。また、各年齢群間で成長率に有意差がみられた。

結論:本研究の結果、ALの成長率低下と関連する因子は、年齢が高いことと水晶体の直径が長いことであることが示された。

※コメント
年齢が高い事は眼軸長の伸長に関与すると思われますが、オルソ使用と何らかの関連があるのでしょうか?オルソ使用群と未使用群でなにか差があるのか、ということになります。
逆に言うと、他の因子は眼軸伸展と関連はなかったので、なんだかんだ言って年齢そのものが最も影響するfactorであり、低年齢というバイアスには抗えないとも言えるかもしれません。
水晶体径に関しては少し勉強します…

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