49. 2歳未満で麻痺眼固視の患者は,術前の眼球外回旋と麻痺眼の間に不一致がみられる

Clinical features of excyclotorsion in the non-paretic eye of patients with congenital unilateral superior oblique palsy

Cha EH, Ha SG, Suh Shu Y, Kim SH. BMC Ophthalmol. 2022 Mar 16;22(1):126. doi: 10.1186/s12886-022-02339-5. PMID: 35296286; PMCID: PMC8928676.

背景:先天性片眼上斜筋麻痺(USOP)患者において,外方回旋と麻痺眼の対応関係から術前の臨床的特徴と術後成績について検討すること。

方法:カルテの後ろ向きレビューを行った。患者を一致群(麻痺眼の眼球回旋)と不一致群(非麻痺眼の眼球回旋)に分けた。眼球回旋の程度(grade 0〜4)を測定した。年齢,性別,正面視の上下偏位,固視の優位性,下斜筋過動,および眼球回旋の程度を測定した。

結果:98名の患者が本研究の対象となった。一致群70名(71.4%),不一致群28名(28.6%)であった。2歳未満では,一致群16名(22.9%),不一致群12名(42.9%)であった(p=0.04)。麻痺眼固視は,一致群2名(2.9%),不一致群8名(28.6%)に認められた(p<0.01)。術後外回旋の程度は,一致群(0.14±0.39)が不一致群(0.28±0.71)より低かった(p=0.01)。術後外回旋の残存(grade 1より大きい)は不一致群(14例,50%)と一致群(16例,22.9%)で認められ
た(p=0.01)。

結論:2歳未満で麻痺眼固視の患者は術前の眼球外回旋と麻痺眼の間に不一致が認められた。また,術後の外回旋の程度は一致群の方が小さかった。

※コメント
眼球回旋は眼底カメラによる眼底撮影で評価しています。
年齢に関しては,一致群と不一致群の平均年齢はそれぞれ 9.2 ± 12.7 歳 (1 ~ 62 歳) と 7.5 ± 8.9 歳 (1 ~ 31 歳)。

2歳未満でも麻痺眼固視で健眼の方が回旋が大きくなるという事を学びました。
本研究のweak pointとしては,明らかに年齢幅が大きいこと,術式がIO-rec. with or without SR-rec. と統一されていない事だと思いました。

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