10. RLRL治療後に4分の1以上の小児が0.05mm以上のAL短縮を示し,平均AL変化は-0.142mm/年であった

Clinically Significant Axial Shortening in Myopic Children After Repeated Low-Level Red Light Therapy: A Retrospective Multicenter Analysis

Wang W, Jiang Y, Zhu Z, Zhang S, Xuan M, Chen Y, Xiong R, Bulloch G, Zeng J, Morgan IG, He M. Ophthalmol Ther. 2023 Jan 7. doi: 10.1007/s40123-022-00644-2. Epub ahead of print. PMID: 36609829.

はじめに:近視は進行性の眼疾患として認識されている。本研究の目的は,低レベル赤色光(low-level red light:RLRL)療法を繰り返し行った近視児において,臨床的に有意な眼軸長(AL)短縮の頻度と関連因子を評価すること。
方法:650nmの光を発する家庭用卓上ライト装置によるRLRL療法を少なくとも1年間受けた3~17歳の近視小児の臨床データを検討した。臨床データには,baselineと各follow up時に測定されたAL,等価球面値(SER),視力などが含まれた。主要アウトカムは,年間0.05mm以上,0.10mm以上,0.20mm以上のAL短縮の頻度と,年間AL短縮の関連因子であった。
結果:12ヶ月以上の追跡データを持つ合計434名の近視小児が含まれた。参加者の平均年齢は9.7±2.6歳,SERは-3.74±2.60Dであった。0.05mm/年,0.10mm/年,0.20mm/年のAL短縮を示す小児はそれぞれ115人(26.50%),76人(17.51%),20人(4.61%)であった。多変量モデルにて,AL短縮はbaselineの年齢が高い,女性,ALが長い,SERが大きいことと有意に関連していた(すべてP < 0.05)。AL短縮眼における平均AL差は-0.142±0.094mm/年であった。より大きなAL短縮は,低年齢,baselineで長いALを有する小児で観察された(すべてP < 0.05)。
結論:4分の1以上の小児がRLRL治療後に0.05mm以上のAL短縮を示し,全体の平均AL変化は-0.142mm/年であった。さらなる研究により,AL短縮の基礎となるメカニズムを解明する必要がある。

※コメント
最近流行りのRLRL療法の論文です。 なぜ眼軸が短くなるかの詳細なメカニズムは不明ですが,低年齢で眼軸の長い小児でこの方法が有効=最も将来的な強度近視へのリスクがある対象者へのアプローチが可能 となるので期待が高まります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?