328. 急性後天性内斜視の独立した危険因子の解析
Analysis of independent risk factors for acute acquired comitant esotropia
Cai J, Lai WX, Li X, Li Q, Cai Y, Chen JM. Int J Ophthalmol. 2023 Nov 18;16(11):1854-1859. doi: 10.18240/ijo.2023.11.18. PMID: 38028509; PMCID: PMC10626352.
目的:急性後天性内斜視(acute acquired comitant esotropiaAACE)の危険因子を探ること。
方法:2021年1月1日から2022年6月30日までに斜視手術を受けたAACE患者83例(症例群)を分析し、後方視的コホート研究を行った。正常対照群として、同期間に73名の外来ボランティアを募集した。症例群の両眼視時間、近見・遠見内斜視角、近見立体視を記録し、両群の年齢、性別、屈折状態、最高矯正視力(best-corrected visual acuity:BCVA)を分析した。さらに、AACEの独立した危険因子を決定するために、目の使用状況質問票を用いて多重ロジスティック回帰分析を行った。
結果:症例群では61例(73.49%)に近視がみられ、等価球面度数(equivalent spherical:SE)の平均は右眼-3.35±3.31D(範囲:+2.75~-10.62D)、左眼-2.87±3.35D(範囲:+2.75~-11.12D)であった。症例群の平均複視期間は29.83±35.72か月で、そのうち80例(96.39%)は遠見複視が主体であった。眼鏡装用後の近見および遠見内斜視は、それぞれ52.36±20.95⊿および56.71±19.54⊿であり、両者に統計学的有意差はなかった(t=1.38, p=0.169)。症例群における不適切な眼鏡装用と不健康な眼習慣の発生率は、対照群よりも有意に高かった(p<0.05)。眼鏡をかけない近見作業[β=2.30、オッズ比(odds ratio:OR)=10、95%信頼区間(confidence interval:CI)2.35-42.51、P=0.002]と仰臥位での近見作業(β=1.80、OR=6.02、95%CI3.29-11.02、P<0.001)は、AACEの独立した危険因子であった。
結論:AACEの患者は主に遠見複視を呈し、近視の程度には高いばらつきがある。眼鏡をかけない近見作業と仰臥位での作業は、AACEの独立した危険因子である。
※コメント
仰臥位(仰向け)での作業はシンプルに視距離が近くなるため、それが負担になるということのようです。
中国からの報告です。
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