53. 低出生体重児(<2500g)と緊急帝王切開分娩が乳児内斜視の危険因子であることが示唆された

Association between Gestational Age, Birth Weight, Parental Age at Childbirth, Mode of Delivery, and Infantile Esotropia

Huang J, Zheng Q, Nie K, Wei H, Liu L. Optom Vis Sci. 2022 Nov 1;99(11):794-799. doi: 10.1097/OPX.0000000000001952. Epub 2022 Oct 25. PMID: 36413631; PMCID: PMC9704814.


意義:本研究は、中国人集団における乳児内斜視に関連する潜在的な周産期リスク因子(出産時の親の年齢,出産形態など)を調査したものである。本研究で得られた知見は,乳児内斜視に対するより良い介入戦略を開発する上で重要であると思われる。

目的:中国人集団における妊娠年齢,出生時体重,親の出産時年齢、出産形態、斜視の家族歴と乳児内斜視の関連性を調査すること。

方法:2018年3月から2021年3月にかけて,乳児内斜視の患者99名と対照者117名を登録した。関連情報を収集するために,両親に対して詳細な質問を実施した。単変量および多変量ロジスティック回帰モデルを用いて,乳児内斜視の可能性のあるリスク因子を特定した。オッズ比(OR)および95%信頼区間(95%CI)が算出された。

結果:乳児内斜視は,低出生体重児(<2500 g; OR, 4.235; 95% CI, 1.460 to 12.287; P=0.008)および緊急帝王切開分娩(OR, 2.230; 95% CI, 1.127 to 4.413; P=0.02)と関連があった。

結論:この結果は,低出生体重児と緊急帝王切開分娩が乳児内斜視の危険因子であることを示唆しており,産科医,小児科医、視覚ケア提供者間の協力ケアの必要性を明らかにするものである。

※コメント
既報では早産や低出生体重,帝王切開などが危険因子として言われていましたが,多変量解析の結果,本研究では早産は含まれず,帝王切開を選択的と緊急に分類したところ緊急帝王切開のみが危険因子であったようです。

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