341. 後天性共同性内斜視-調節性と非調節性の手術成績の比較

Acquired comitant esotropias - comparison of surgical outcomes of accommodative vs non-accommodative types

Sharma R, Tibrewal S, Majumdar A, Rath S, Ganesh S. Strabismus. 2023 Dec;31(4):293-305. doi: 10.1080/09273972.2023.2281979. Epub 2023 Dec 12. PMID: 38086747.


目的:急性後天性非調節性内斜視(acquired acute non-accomodative esotropia:ANAET)および部分調節性性内斜視(partially accommodative refractive esotropia:pARET)における斜視手術の運動面および感覚面の転帰、および手術の成功に影響する因子を比較すること。
方法:2020年1月から2021年12月までに片眼または両眼の水平直筋手術を受けたANAETおよびpARET患者の後ろ向きカルテレビューを行った。術後経過観察が6週間以上の患者を対象とした。パターン偏位、lateral incomitance、遠近で偏位の差のある患者は除外した。運動面の成功は、術後の偏位が8Δ以内のorthophoriaと定義した。感覚面の成功は、遠見と近見の両眼単一視(binocular single vision:BSV)の有無と定義した(Worth 4 dot test)。発症年齢、手術時年齢、手術前の弱視、治療前の斜視の期間、垂直偏位の有無と大きさ、術前偏位量、等価球面値などの因子が、各群の運動面と感覚面の成功に及ぼす影響を分析し、比較した。
結果:ANAET患者38例とpARET患者33例が含まれた。内斜視の平均発症年齢はANAET群で8.55±4.65歳、pARET群で4.39±2.27歳(p < 0.001)、手術時の平均年齢はANAET群で10.62±4.99歳、pARET群で7.89±2.84歳(p = 0.006)であった。最終経過観察期間の平均は、ANAET群で38.51週、pARET群で48.68週であった(p = 0.089)。ANAET群では81.5%、pARET群では78.9%の患者が、最終フォローアップ時に遠見・近見ともにalignmentに成功していた(p = 0.775)。最終追跡調査時に遠近ともBSVは、ANAET群では81.2%、pARET群では66.6%にみられた(p = 0.25)。良好な近見立体視(120秒未満)は、ANAET群で60.6%、pARET群で41.9%にみられた(p = 0.175)。ANAET群では、最終追跡調査時にorthophoriaが63.1%、内斜視偏位が34.2%、外斜偏位が2.6%であった。pARET群で同様のカテゴリーに属する患者の割合は36.3%、42.4%、21.2%であった。人口統計学的因子および術前因子はいずれも、両群の手術成績に影響を及ぼさなかった。
結論:運動面と感覚面の転帰は両群で同様であった。ANAET患者の方が、追跡調査期間中にorthophoricを維持したままの割合が高かった。pARET群の患者は外斜傾向を示した。

※コメント
部分調節性内斜視術後にexoが多いとの事ですが、同意です。長期的な評価が大切な事を、改めて教えてもらいました。

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