315. 斜視手術における年齢スペクトルの変化

Change in the age spectrum in strabismus surgery

Starosta DA, Gräf M. Ophthalmologie. 2023 Nov 14. German. doi: 10.1007/s00347-023-01955-w. Epub ahead of print. PMID: 37962589.


背景:眼筋手術全体に占める斜視手術を受ける小児の割合は減少しているようである。これを検証するために、眼筋外(extraocular muscle:EOM)手術を受けた患者の年齢を分析した。

方法:1991年から2019年の間にギーセン大学眼科病院でEOM手術を受けた患者のデータを検討し、10年ごとの年齢層における手術件数をそれぞれの期間におけるドイツの人口と比較した。さらに、手術に至った斜視のタイプを評価した。データプールは、60,000以上の筋肉を含む25,000以上の手術で構成されていた。

結果:1991年と比較すると、2019年には10歳以下の小児の割合は50.2%から31.8%に減少し、3分の1以上の相対的減少に相当した。50歳以上の患者の割合は6.5%から22.5%へ、すなわち3倍以上増加したが、2019年の10歳以下の人口は1991年より13%減少し、50歳以上の人口は37%増加した。小児の割合が減少した主な理由は、内斜視の手術が53%減少したことである。人生2~50年代には明らかな変化は見られなかった。

考察と結論:EOM手術を受ける子供の割合が減少したことは、過去40年間にvision screeningが改善したことを示しているようである。高齢患者の割合が増加しているのは、潜在的な治療法に関する情報が改善され、後天性斜視の発生率が増加し、それに伴って不定愁訴が増加したためと考えられる。人口動態の変化は二次的な役割を果たした。ドイツの人口構成から、EOM手術の需要はさらに増加すると予想される。

※コメント
日本では低年齢児の後天性内斜視が増えている気がしますので、この報告とは少し違う印象です。高齢者の斜視オペが増えていることには同意いたします。

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