221. 片眼性Duane症候群における屈折異常

Refractive error in unilateral Duane syndrome

Young MP, Ployprasith W, Brintz BJ, Rutar T. J AAPOS. 2022 Oct;26(5):247.e1-247.e5. doi: 10.1016/j.jaapos.2022.07.008. Epub 2022 Sep 16. PMID: 36122873.


目的:Duane症候群において、内直筋と外直筋の慢性的な収縮が、健眼に対して罹患眼でより強い倒乱視をもたらすかどうか調査すること。

方法:Arthur Jampolsky博士の4,103例の患者データベースからDuane症候群の診断を行った。Inclusion criteriaは、片眼のDuane症候群であること、および完全なデータセットであることであった。屈折異常を罹患(Duane)眼と健眼で比較した。

結果:合計84人の片眼性Duane症候群患者が同定された。Duane眼と健眼の等価球面値は同等であった(0.4 vs. 0.2 [P = 0.14] )。平均円柱度数は、健眼と比較してDuane眼で高かった(0.7 vs 0.4 [P = 0.0003])。Duane眼は健眼と比較して倒乱視が多いものの(P = 0.04)、直乱視については差がなかった(P = 0.83)。しかし、Duane眼は他の眼に比べて、斜乱視(P = 0.004)または乱視が全くない(P = 0.0005)可能性が有意に高かった。

結論:Duane眼は健眼に比べて乱視が強く、斜乱視である可能性が高かった。我々の研究は、眼外筋が屈折異常に影響を及ぼす可能性があるという仮説を支持するものである。

※コメント
Duane syndromeは不同視を合併する印象はありましたが、乱視軸はあまり注目していませんでした。またカルテを見返してみます。

斜乱視が多かった理由 *本文内のdiscussion
1.線維化した外直筋が内直筋よりも大きな変形力を眼球に与えている可能性
‣外直筋の神経支配が異常に短縮した眼球に見られるアップシュートとダウンシュートは、乱視を斜め方向へと導く可能性がある
2.電気生理学的研究で示されているように上下直筋の共収縮が変動すること
3.眼瞼裂の狭小化によるもの
4.斜視型Duane眼の屈折検査の測定点が健眼よりも軸外であることが多かった可能性
※4.については人工的なアーチファクト


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