311. 異なる照度レベルにおける周辺屈折

くPeripheral refraction under different levels of illuminance

Marcellán MC, Remón L, Ávila FJ. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Nov 10. doi: 10.1111/opo.13244. Epub ahead of print. PMID: 37950504.


周辺屈折は近視の発達に関与していると考えられている。本研究の目的は、明所視の条件から完全な暗闇までの4つの異なる照度レベルにおける相対的周辺屈折(relative peripheral refraction:RPR)を、オープンフィールド自動屈折を用いて比較することであった。RPRは、周辺部から中心部の自動屈折測定値を差し引くことにより、各偏心について計算された。この研究には、114人の被験者(平均年齢21.81±1.91歳)の近視眼が含まれ、暗所視条件と明所視条件(それぞれ0 luxと300 lux)のRPRの平均差は、耳側30°で+0.32D、鼻側30°で+0.37Dであった。0 luxと300 lux間において、耳側視野30°と鼻側視野30°と20°で統計的に有意な差が観察された。この結果から、若年成人の近視眼では、水平視野に沿った視野偏心の増加に伴い、相対的な周辺遠視が有意に増加することが明らかになった。さらに、この相対的周辺遠視は、照度が低下するにつれて増加した。これらの所見は、周辺照度の増加が近視眼の成長を防ぐ可能性を示唆している。

※コメント
なぜ照度の変化に伴って相対的周辺屈折が異なるのか非常に興味がありますが、理由については何も考案されていませんでした。
照度が低くなると周辺部の屈折が遠視寄りになるようです。
照度が低くなれば近視化が起こるため周辺にいけばより遠視程度が減りそうな気がしますが…そういう観点ではないのでしょうか?

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