126. オルソケラトロジーで治療した近視小児の眼軸長に影響を与える要因として,オルソケラトロジーレンズ装用時の年齢が最も重要であり,次いでレンズタイプ,角膜全面のC12の変化が挙げられた

Factors influencing axial elongation in myopic children using overnight orthokeratology

Huang Z, Zhao W, Mao YZ, Hu S, Du CX. Sci Rep. 2023 May 12;13(1):7715. doi: 10.1038/s41598-023-34580-3. PMID: 37173387.


オーバーナイトオルソケラトロジーを用いて治療した近視の小児では,いくつかの要因が眼軸長に影響を与える。これらの要因を特定するために,このレトロスペクティブ研究では,オルソケラトロジー使用前と1年後の78眼の眼軸長および角膜収差のデータを収集した。患者は,眼軸伸長に応じて分けられた(カットオフ,0.25mm/年)。ベースライン特性は,年齢,性別,球面等価屈折,瞳孔径,眼軸長,オルソケラトロジーのレンズタイプなどであった。角膜形状効果は,接線差分マップによって比較された。4mmゾーンの高次収差の群間差は,ベースライン時と治療1年後で比較した。Binaryロジスティック回帰分析を行い,眼軸伸長に関連する変数を特定した。両群間で有意差があったのは,オルソケラトロジーレンズ装用開始年齢,オルソケラトロジーレンズの種類,中央平坦化領域の大きさ,角膜全面C12(1年),角膜全面C8(1年),角膜全面球面収差(spherical aberration:SA)(1年 平方根平均値[root mean square:RMS]),角膜全面C12変化,前・全角膜全面SAの変化(RMS値)であった。オルソケラトロジーで治療した近視小児の眼軸長に影響を与える要因として,オルソケラトロジーレンズ装用時の年齢が最も重要であり,次いでレンズタイプ,角膜全面のC12の変化が挙げられた。

※コメント
やはり年齢のfactorは影響力が大きいです。もちろん何もしなくても年齢が上がると近視進行のスピードは遅くなってきますので,遅発性の近視にはより効果が大きいと考えられます。
また,今回の報告ではレンズタイプが効果として挙げられていますが,考察としては,平坦化領域の中央のサイズが OK レンズの種類と適度に関連しており,平坦化領域が小さいほど,周囲の高凸領域の近視制御効果が優れていることを示しているとのことです。
また高次収差については不明であり,コンセンサスは得られておらず,更なる研究が必要な様です。

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