18. 間欠性外斜視手術後の早期過矯正は,4歳未満児だけでなく,4~16歳児においても運動予後の点で安全で望ましい

Initial overcorrection after surgery for intermittent exotropia in children less than 4 years old: Comparison with older children


Choi J, Choi DG. PLoS One. 2021 Sep 23;16(9):e0257465. doi: 10.1371/journal.pone.0257465. PMID: 34555084; PMCID: PMC8459962.

外斜視に対する手術による初期の過矯正は長期的に良好な結果をもたらすことが広く認められているが,低年齢児では両眼固視能力の急速な低下を懸念し,過矯正を推奨しない例もある。本研究では,4歳未満の患者を対象に,間欠性外斜視手術後の過矯正と手術成績の関係を検討することを目的とした。
方法:後ろ向き研究。間欠性外斜視の手術を受けた患者391名を手術時の年齢によって2群に分類した。4歳未満(Y群,130例)と4~16歳(O群,261例)。術後1週間の偏位角によって3群に細分化した:esophoria-tropia(ET)10Δ以上(サブグループI),ET 1-9Δ(II),orthotropiaまたはexophoria-tropia(XT)(III)。2群間およびサブグループ間の手術成績を比較し,次に,consecutive esotropia (※内斜視が持続した状態の)患者を分析した。
結果:Y群では術後来院時ごとに平均外斜偏位がI、II、IIIの順に小さかったが(p<0.05),O群では2年後にサブグループ間の差は認められなかった。術後1ヶ月目にconsecutive esotropiaが発生したのはY群6.9%、O群2.6%(p=0.133)であった。しかし,最終診察日まで持続したのは,Y群2名,O群1名であった。
結論:間欠性外斜視手術後の早期過矯正は,4歳未満児だけでなく,4~16歳児においても運動予後の点で安全で望ましい結果であった。

※コメント
術後過矯正には同意します。長期的に見ると眼位の戻りが起きますので比較的成績は良好になります。今回の対象者は16歳も含まれていますが,中学生以上だと生活に支障が出てしまう可能性があるのでどうかな?と個人的には思います。

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