ちほ

ただ、それだけの話。

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最近の記事

#071 どれも違う、の話。

今日は金曜日。華金である。明日は土曜日で明後日は日曜日。 給食の時間、 「明日、学校でさ…」 誰かが言った。 すかさず誰かがおきまりのあの言葉を。 「明日は学校ないよ。」 いやらしい言葉である。言い間違えだってみんな分かってるんだから、そんなに指摘しなくてもいいのに。その子は続ける。 「それを言うならおとといだよ。」 それに対して別の子が言う。 「違うよ。おとといは前の前の日だよ。」 ここぞとばかりに指摘したことがあだとなってしまった。指摘した本人が間違っ

    • #070 日本語も英語も伝わらない、の話。

      先日、旅行に行った。1人で高速バスに乗る。予約もばっちり。時間にも余裕がある。バス乗り場は…ちょっと不安なので駅員さんに聞いてみる。 スマホの画面を見せながら 「このバスに乗りたいんですけど。」 と声を出す。 「Next!Next!」 外国人に間違えられてるようだ。 ちょっと緊張して少し声が小さくなってしまったからだろうか。 ここで迷いが出てくる。駅員さんにどう答えるかだ。 外国人のふりをして 「Thank you.」 と答えるか カタコトの日本語で

      • #069 わたしには荷が重すぎる、の話。

        先日、お笑いライブを観にいった。地下鉄に乗り、初めての駅で降りる。スマホでマップを開き、会場まで歩く。ふと、振り向くと同じようにマップを見ながら歩いている2人組が。 もしかして、同じ会場に向かっている??? 大きなライブではないため、わたしとその2人以外は歩いている人はいない。 まてまて、わたしが先頭か。道、知らないぞ。ライブ会場まで先頭としての役割を果たす自信はないよ。わたしには荷が重すぎる。 どうやって撒こうか。早く歩いて差を開くか。いや、あえてゆっくり歩き追い抜

        • #068 おじさん、家政夫のミタゾノ見たやろ、の話。

          先日、兄の結婚式があり、久しぶりに親戚のおじさんに会った。わたしは少しメガネが汚れていたため、100均で買ったメガネクリーナー液を1滴メガネのレンズに垂らし、ハンカチで拭いた。 「それ、意外と汚れ取れないよね。」 とおじさんが私に話しかける。わたしは「あぁ。」と同意でも否定でもない返事を作り笑いと共に返す。小さい頃は何も考えずに親戚とおしゃべりしいたのだが、中学生の頃からどう接すればいいかわからなくなってきた。敬語で話した方がいいのか。小学生の頃からの流れでタメ語でいいの

        #071 どれも違う、の話。

          #067 ストローの駆け引き、の話。

          今日も今日とてタリーズである。 いつものようにスマホでタリーズアプリを開きタリーズに入る。いつものように「ほうじ茶ラテ、アイスのショートサイズをお願いします」と店員さんに注文し、スマホ画面を見せる。いつものように店員さんは注文を復唱し、ピッてする機械をスマホの画面のバーコードに当てる。いつものように「お席の方でお持ちください」と言う声を聞きながらレシートをもらい、席へ向かう。 ここからストローの駆け引きが始まった。 いつもは、ほうじ茶ラテとともにストローも一緒に持ってき

          #067 ストローの駆け引き、の話。

          #066 3分遅れ、の話。

          今、私は電車に乗っている。 駅に着いた際、車内アナウンスでこう流れた。 「3分遅れの到着となっております。お急ぎのところ申し訳ございません」 3分遅れただけなのに。 きっと、アナウンスをしている車掌さんは何も悪くないだろう。 天候のせいとか駆け込み乗車のせいだとかそんなところだろう。 少なくとも、車掌さんが寝坊したとか、道を間違えたとかではないことくらい分かる。 それなのにわざわざ謝罪を入れる日本はすごすぎる。 それに比べて私はどうだろう。 火曜日締め切りの提出物を提出せずに

          #066 3分遅れ、の話。

          #065 役に立った、の話。

          よく、脱出経路の妄想をしないだろうか。わたしは小さい頃からよくする。 もし、ここで火事が起こったらベランダから外に出て、この場所で飛び降りたら大丈夫かな。 もし、家で不審者が入ってきたら、2階の窓からこっそり外に出て、屋根をつたって逃げたらバレないかな。 もし、洪水が起きたらここの柱にしがみついておこう。 などなど。 その妄想が役に立ったことはない。 まあ、役に立つときは、危険に晒されているということなので、役に立つときがこないのはいいことなのだが。 今日、追わ

          #065 役に立った、の話。

          #064 本物だあ!、の話。

          みなさんは普段イライラすることがあるだろうか。わたしは普段あまりイライラすることはないのだが、これだけはイライラする、ということがある。それは、スマホをいじっていると時々出てくるゲームの宣伝だ。王様みたいな人を助けるパズルゲーム。同じ色を3つ並べるとブロックが消えたり、棒をうまく動かして動物や炎から救ったり。宣伝が出てくることにイライラするわけではない。そのゲーム広告のプレイ動画がヘタクソすぎるのだ。 いやいや、そこじゃない。 右が先だって!右! いや、そこ動かすと落ちちゃ

          #064 本物だあ!、の話。

          #063 目と鼻の先、そして口の中、の話。

          目と鼻の先。 先日、歯医者に行った。お医者さんが口の中を治療してくれる。お医者さんの手や顔がすぐ目の前にある。まさに目と鼻の先である。物理的にも。しかし、こんなに近いのに、口の中で何が起こっているかは全く分からない。 なんか、削られている気がする? なんか、ドリルみたいなの使ってる? なんか、詰められている? どんなものを使って治療されているのか、どこの歯を治療しているのか。 全く分からない。目と鼻の先なのに。 そして治療されながら新しい慣用句を思いついた。

          #063 目と鼻の先、そして口の中、の話。

          #062 ふざける特権、の話。

          まあ、時と場合によるが、ふざけることはあまりいいことではない。授業中、わざとウケを狙った発言をしたり、集会中にみんなの目を引こうと踊り出したりすると怒られるだろう。 しかし、そんな中、ふざけていい特権を持っている人がいる。それが先生だ。しかし、先生もただふざけるわけではない。つまらなさそうにしている子を楽しませようと冗談を言ってみたり、大事なところに注目させようとわざと間違ってみたり、疲れてきた子どもたちをちょっと休憩させようと脱線した話をしてみたり。 先日、全校朝会があ

          #062 ふざける特権、の話。

          #061 カッパを着た日、の話。

          雨の中、わざと傘をささずにぬれる小学生。手を広げ、この世の中心にいるかのように天を仰ぐ。そのぬれた服をだれが洗濯するのか、びちょびちょのまま玄関を上がったときの親の顔、そんなことなど考えもせず。小学生は、雨の中でも無敵なのだ。 それとは反対に、雨の中、傘の中でぬれぬよう肩をすぼめて歩く私。 ああ、私も、この傘を投げ捨てて、雨にぬれてみようか。 ああ、私も、この世の中心に行ってみようか。 ぬれたあとの周りの目を考えるとそんな勇気は出ないが、傘を捨て、カッパをきて歩いてみ

          #061 カッパを着た日、の話。

          #060 ぬれるつまさき、の話。

          雨が降る。 雨にぬれぬよう、傘をさして歩く。 傘からはみ出さないよう、いつもより体を縮めて歩く。 傘からはみ出さないよう、いつもより歩幅を縮めて歩く。 できるだけ、傘の中心に存在できるよう気をつけつつ、雨の降りかたに合わせて、傘の角度を調整する。 水たまりに入らないように細心の注意を払って歩く。 水たまりに入らないように気をつけるだけではダメだ。 靴で地面を踏んだときの水の跳ね返りにも気をつけなければならない。 そのため、足の裏全体をそっと地面におろす。 こ

          #060 ぬれるつまさき、の話。

          #059 臭いの正体、の話。

           前回、「大きく息を吸い込んで、の話。」を書いた。簡単にいうと、父が入った後のトイレは臭いという話だ。  今回は、その臭いについて言及していきたいと思う。  母は父にこう言う。 「もう、トイレに長居するなら、用を足したらすぐ流して。ずっとそこにあるから臭いでしょ。」 うんうん。なるほど。その通りである。  しかし、先日、衝撃的な事実に出会う。  母は父にこう言った。 「もう、トイレに長居するなら、用を足したらすぐに流しってって言ってるでしょ。」 「え、う○こしてないよ。」 ・

          #059 臭いの正体、の話。

          #058 大きく息を吸い込んで、の話。

           わたしの父の朝のトイレは長い。トイレの中で新聞を読んでいるのだ。これはわたしが小学生のときから。ああ、やだやだ。しかし、扉をノックすると父はすぐにトイレを出てくれる。それでも、ああ、やだやだの気持ちは変わらない。なぜなら、父の長いトイレのあとは臭いからだ。これもわたしが小学生のときから。ああ、やだやだ。  だからわたしは息を止めてトイレに行く。急いで用を足し、手を洗い、扉を出る。 ぷはああああああ。 呼吸を再開させる。  最近は、父より先にトイレに行くという技を手に入

          #058 大きく息を吸い込んで、の話。

          #057 自己肯定感を上げる方法、の話。

          ああ、またうまくいかなかった。 ああ、またできなかった。 ああ、また怒られた。 どんどんネガティブになっていく。 ああ、同期のあの人は仕事を任されているのに。 ああ、後輩のあの人はどんどんチャレンジしてるのに。 ああ、先輩のあの人はたくさんの人から信頼されているのに。 どんどん自己肯定感が下がっていく。 年度末。みんな忙しい。特に異動がある人は片付けが大変。 「なにか手伝いましょうか。」 声をかけてみる。 「いいんですか。じゃあ、これ手伝ってもらってもい

          #057 自己肯定感を上げる方法、の話。

          #056 先生、宿題出してください、の話。

           修了式が終わり子どもたちが帰る。ほっと一息している間もなく、研修やら職員作業やらで忙しい。そんな中、子どもたちは学校に遊びに来ている。子どもたちの楽しそうな声が聞こえてくるとちょっと気持ちが安らぐ。 「先生、もっと宿題出してください!」 職員作業中にニコニコした笑顔で話しかけてきたのは、わたしのクラスの子どもたち。 さて、この言葉を聞いてどんなことを思うだろうか。 「やる気がある子だねえ。」 「勉強熱心で感心感心。」 わたしはそんなことは思わずモヤッとした。はぁ

          #056 先生、宿題出してください、の話。