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定義

もやのように
生まれては消える
思いのなかで
言葉はいつも
宙ぶらりん

行き場がなくて
がらんどうの器の中を
いったりきたり
置き場がなくて
がらんどうの器が
落ち着かない

頭の上で広がる空は
まだ余白だらけで
ぼくの言葉も
定まらない

がらんどうの器を
誰もが持っている
そこに入るものは
宙ぶらりんの言葉に
重石をつけた定義

器の中が次第に
定義で埋まっていく
がらんどうの器が
重石で落ち着いていく

がらんどうの器は
どんなに定義が増えても
窮屈にならない
どんなに重石が増えても
重くはならない
容量は空のよう

生まれたての
宙ぶらりんは
いつ重石を
抱えるのだろう

ぼくはそれが待ち遠しい
ぼくにはそれがいと楽しい


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